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【UFC】シリル・ガーヌがデリック・ルイスをTKOでヘビー級暫定王座者に! バンタム級でアルドがムニョスに完勝、体重超過のマネル・ケイプが跳びヒザKOで初勝利、ヤドン、ルーケ、フィジエフが勝利=UFC265

2021/08/08 08:08
【UFC】シリル・ガーヌがデリック・ルイスをTKOでヘビー級暫定王座者に! バンタム級でアルドがムニョスに完勝、体重超過のマネル・ケイプが跳びヒザKOで初勝利、ヤドン、ルーケ、フィジエフが勝利=UFC265

(C)Zuffa LLC

UFC 265:ルイス vs. ガーヌ

 2021年8月7日(日本時間8日)、米国テキサス州ヒューストンのトヨタセンターにて「UFC265」が開催された。photos by Zuffa LLC

【メインカード】

▼ヘビー級暫定王座決定戦 5分5R
〇シリル・ガーヌ(フランス)247lbs/112.04kg
[3R 4分11秒 TKO] ※パウンド
×デリック・ルイス(米国)264.5lbs/119.98kg
※ガーヌが暫定王者に

 メインイベントで、ヘビー級2位のデリック・ルイス(米国)と、3位のシリル・ガーヌ(フランス)が同級暫定王座を争う。正規王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)には、今大会での防衛戦の打診があったものの「準備が間に合わず」UFCは暫定王座決定戦を行うことを決めた(※2021年3月にスティーペ・ミオシッチから王座を奪取したばかりのガヌーは不満を表明している)。

 MMA25勝7敗のルイスは、2月大会でカーティス・ブレイズに2R KO勝ちして以来の試合で、現在4連勝中(ブラゴイ・イワノフ、イリル・ラティフィ、アレクセイ・オレイニク、ブレイズに勝利)。今回は2年9カ月ぶりのタイトルマッチで、前回の王座戦は2018年11月の「UFC 230」で当時同級王者だったダニエル・コーミエーに挑戦し、2Rリアネイキドチョークで一本負け。戴冠はならなかった。

 ガーヌは、前戦となる6月26日の大会でアレキサンダー・ヴォルコフに判定勝ちして以来、わずか1カ月2週間のインターバルで暫定王座戦に臨む。MMA9勝0敗で、上位どころの相手では、2020年12月にジュニオール・ドス・サントスを2R 右ヒジでTKOに下すと、2021年2月にジャルジーニョ・ホーゼンストライクに判定勝ち。6月にはヴォルコフにも判定勝ちしており、UFC6勝0敗で王座戦を決めた。

 果たして“神の階級”で暫定ながらベルトを巻くのは、ルイスかガーヌか。その先には正規王者フランシス・ガヌーが待っている。

 満員の観衆のなか、地元ルイスには大歓声。ガーヌのコールにはブーイングも。ルイスにコールに胸を軽くドラミングした。

 1R、「USA」コールの試合開始。オーソドックス構えのルイスの右を警戒か、サウスポー構えのガーヌ。右ハイを先に打つルイスはバランスを崩し尻餅もすぐに立つ。

 圧力をかけるガーヌは右の関節蹴り。右ロー。押し戻すルイスはパンチのフェイントから詰めるが、すぐにサークリングするガーヌは半身気味に右前足の蹴り。ルイスは右ローもガーヌの金的に。中断、再開。

 詰めるルイスは組むも突き放すガーヌ。なおもワンツーで一気に前に出るが、端って避けるガーヌは左ミドル、さらに打ち下ろしの右フック! 左ストレートにルイスは目を押さえる。ルイスはアイポークとアピールも有効打だ。

 2R、オーソドックス構えにするガーヌ。今度は右ジャブ。ルイスは飛び込んでの左ハイもガーヌはブロック。左右にスイッチを繰り返すガーヌはオーソから右ロー。サウスポー構えから右の関節蹴りもその打ち終わりに組んでボディロックをしようとするルイス。離れるガーヌ。

 左跳びヒザで飛び込むガーヌ。組むルイスだが、すぐに体を入れ替えるガーヌが右を差して、小外で崩して離れる。またもサウスポー構えから右の関節蹴り狙いはガーヌ。さらに右ロー。右ストレートで飛び込み右で差して組むガーヌは距離を近いか遠いかで徹底する。

 組んで右ヒジを放つガーヌに右フックを振るルイス。避けるガーヌ。ルイスの詰めをかわして右ハイを見せたところでブザー。

 3R、グローブタッチした両者。サウスポー構えからオーソドックス構えになり右ローをダブルで打つガーヌ。さらに右フック。ルイスはじりじりと詰めるが、ガーヌは右ローを2連打! さらに回ってロー。左足を上げるルイスはダメージが蓄積してきたか。右ヒジで飛び込んだガーヌをかわしてボディロックしたルイスだが崩しにガーヌは耐えて離れる。

 ルイスの左右をかわしてオーソから右ローを効かせたガーヌは、一気に詰めて左ジャブ! 右ストレート! 下を向くルイスにさらに左ヒザ! 右フックも。詰めるガーヌだが、ルイスがマウスピースを吐き出しタイム。再開後、すぐに詰めるガーヌに、打ち合いに勝機を見出すルイスだが、左から右を当てるガーヌはついにヒザを着いたルイスに左のパウンドラッシュ! レフェリーを呼び込んだ。

 3R 4分11秒、TKO勝利でヘビー級暫定王座のベルトを巻いたガーヌは、MMA歴3年で10戦無敗、UFC7連勝をマーク。

 試合後のマット上でのインタビューで、「ファンの前で戦えて嬉しい。ブーイングも聞こえたけど、僕の気持ちはみんなとともにあります。戦略は、どんなことでも動くことが大事。自分らしいゲームプランで臨んだよ。(フィニッシュは)『レッツゴー』とみんなが言うからどこで行こうかなと思ったよ」と笑顔。

 インタビュアーのダニエル・コーミエーから「フランス出身で初のUFC世界ベルトを巻いたことを問われると、そのベルトをMMAファクトリーのフェルナン・ロペスの肩にかけて、「これがいまの僕の気持ちです」と語った。

 さらに、正規王者フランシス・ガヌーとの元同門対決について聞かれ、「メッセージは無い。“レッツゴー”、やるだけさ」と答えた。

 2020年まで15年間プロとしてのMMAが禁止されていたフランスで、MMAファイターとして成長してきた暫定王者ガーヌと正規王者ガヌーが統一戦を行うのは、いつ、どこになるか。

 試合後、ガーヌはあらためて「嬉しいけど、ルイスの(地元の)ファンの前で少し悪い気がする……。ルイスと彼のファンを称えたい。秘密はない、それがゲームプランだった。この勝利は自分のためだけではなく、私のチーム、家族、そして母国のためでもある」と、フランスMMAのために意味のある勝利だったとことを語っている。

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