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インタビュー

【UFC】“ガヌーよりもパワフル”デリック・ルイス「ブルース・バッファーに『チャンピオン』とコールされたら最高」「ベルトは質に入れる(笑)」=8.7「UFC265」

2021/08/06 09:08
 2021年8月7日(日本時間8日)、米国テキサス州ヒューストンのトヨタセンターにて「UFC265」が開催される。メインイベントでは、ヘビー級2位のデリック・ルイス(米国)と、3位のシリル・ガーヌ(フランス)が同級暫定王座(5分5R)を争う。  今大会に準備が間に合わなかったという正規王者のフランシス・ガヌー(カメルーン)に2018年7月、互いに慎重な展開ながらも判定で勝利しているルイスは、今回のシリル・ガーヌとの試合に向け、「フランシス戦のような退屈な試合は二度としたくない。シリルが派手なスタイルに変えて、フィニッシュを狙ってくれることを期待しているよ」と、牽制した。  MMA25勝7敗のルイスは、2021年2月の前戦でカーティス・ブレイズに2R KO勝ちし4連勝中(ブラゴイ・イワノフ、イリル・ラティフィ、アレクセイ・オレイニク、ブレイズに勝利)。今回は2年9カ月ぶりのタイトルマッチで、2018年11月の「UFC 230」で当時ヘビー級王者だったダニエル・コーミエーに挑戦し、2Rリアネイキドチョークで一本負け。戴冠はならなかった。  しかし、ルイスと拳を交えたダニエル・コーミエーは、「ヘビー級で最もパワフルなのは、フランシス・ガヌーではなくデリック・ルイスだ」と、そのパワーを評価。「ガヌーがデリック・ルイスを相手に膠着したのは、自分にそのパワーが跳ね返ってきてしまうから」と“ザ・プレデター”をもってしても、ルイス相手には、思うように試合が出来ないことを指摘している。  そんなルイスが、試合前のメディアインタビューに応じた。  地元での暫定王座戦に向け、「俺がMMAを始めたとき、いつかこのヒューストンでタイトルを防衛して、ブルース・バッファーに『チャンピオン』とコールしてもらうことができたら最高だって思っていた。俺はいつでも感情をストレートに出して戦う。ファンの声援が俺の助けになると信じている」と、戴冠への意欲を示した。 試合中に起こしかけたスタミナ切れを“エサ”にして、隙を見せた相手を逆に食ってしまうような動きも見せるルイスだが、今回はカーディオを強化。週6日のトレーニングに加え、練習後に自主的に自転車を漕ぐ姿もコーチ陣から明かされている。  ルイスは「俺と一緒にオクタゴンに入ると、優位に立っていると思っていても、目と目を合わせれば全く違うものになる。今の俺は変わった。怒りを溜め込んで、絶妙なタイミングで吐き出すんだ」と、進化を語る。  試合後に「股間が暑いから」とショーツを脱いで勝利者インタビューを受けようとしたり、ベルトや妻についてユーモアたっぷりに話す“ビースト”だが、36歳でのキャリアのピークに向け、大一番に集中している。 「家族、妻、子供たち……彼らからすべてを奪うような愚かなことはできない。俺がどのような男であるか、そして彼らが親になったときにどのようになっていてほしいかを示すために、俺は信頼できるやり方を見せなけれなならない。俺の格闘技キャリアは祝福されたものであり、そのことを神に感謝しているよ」 [nextpage] シリルはほとんどの場合退屈だけど、賢いファイターだ。スパーリングに近い動きを見せる ──カーティス・ブレイズを見事にKOしたことで、あなたはランキングの上位に立ちました。どのように感じましたか。 「信じられないような気持ちだったよ。冷静さを保つのは大変だったけど、心の中では飛び上がっていた。とても嬉しかったな。2、3年前から、彼(ブレイズ)は俺のことをいろいろと言っていたので、早く彼に手をかけたいと思っていたんだ。あの日は3時間しか寝ていないのに、まるでクリスマスの朝のように目が覚めた。早くパンチを打ち込みたかったからね」 ──テキサス州ヒューストンの地元の観客の前で、UFCヘビー級暫定王座をかけて戦うことになった気分はいかがですか。 「本当に夢のようだ。俺がMMAを始めたとき、いつかこのヒューストンでタイトルを防衛して、ブルース・バッファーに『チャンピオン』とコールしてもらうことができたら最高だって。そう思っていたことのひとつなんだ。俺はいつでも感情をストレートに出して戦う。ファンの声援が俺の助けになると信じているよ」 ──試合を控えた現在の体調はいかがですか。 「身体的にはとてもいい感じさ。こんな気持ちになったことはないほど。本当に気分がいいのか、それともガスが出ているだけなのかと思ってしまうけどね(笑)」 ──この試合のためにどのようなトレーニングをしてきましたか。 「俺は自分の戦い方に合わせてトレーニングをしたいから、短距離走をしてきたよ。パッドを叩く前に有酸素運動をしてる」 ──対戦相手のシリル・ガーヌ選手をどうとらえていますか。 「シリル・ガーヌ……フランス人だ。危険な相手さ。彼はほとんどの場合退屈だけど、賢いファイターだ。彼は打撃が得意だけど、どちらかというとスパーリングやキックボクシングに近いものがあるね。相手を仕留めようとはせず、距離を取ることを重視してる。相手にペースを握らせるようなことはしない。  でも、俺は俺の瞬間を持っている。彼は俺のような相手とはスパーリングしたことがないだろう。多くのファイターは、俺の過去の試合を見て、“ああ、こいつと戦うストライカーにはチャンスがある”と思うだろう。でも、俺と一緒にオクタゴンに入ると、まったく違うものになる。優位に立っていると思っていても、目と目を合わせれば全く違うものになるんだ。  彼が俺とは違った戦い方をしてくれることを期待しているよ。フランシス戦のような退屈な試合は二度としたくないんだ(※2018年7月にフランシス・ガヌーと対戦しルイスが判定勝ちも、両者共に手を出さず終始お見合い状態となり、解説のジョー・ローガンから「歴史上、最も退屈なヘビー級マッチ」と酷評された)。とても楽しい試合にしたいと思っている。シリルが派手なスタイルに変えて、フィニッシュを狙ってくれることを期待するよ」 ──暫定王座にもベルトが用意されるようです。これまでのベルトコレクションに加えることになりますね。 「ベルトか……質に入れようかな(笑)。もし、あのベルトが自分の思うような価値があるなら、なおさらだ。もし本物の金が入っていたら、どこか街灯の下で手放すことになるだろう(笑)」 ──ベルトを手元に置いておかないのですか? 「ガレージの壁に飾っておくことは出来るだろうね。でも、以前のキャリアでは、そんなことはしなかった。もう何も残っていないんだ。友人、古いジム、ファンに……俺にとって(ベルト本体)は何の意味もないから手放したよ。一本も持っていない。コーチは、そのことで俺に腹を立てているよ。妻も同じだ。彼女は今、実際に俺に向かって目を丸くしているよ(笑)」 ──暫定王座を獲得した場合、次の試合はフランシス・ガヌーとの統一戦になります。その再戦の可能性について考えていますか? それとも目の前の試合のことだけを考えていますか。 「それ(ガヌー戦)も考えているけど、俺のメインはシリル・ガーヌだよ。一回一回の試合を大切にしている。けど、フランシスのことも考えているよ」 フォアマンに「ボクシングは俺には向いていないと思う」って言ったんだ ──ところで、そもそもMMAのトレーニングをしようと思ったきっかけは? 「高校生のとき、普通に“パーティー・ファイト”をしていたら、それから、毎週末のように行われるようになってしまってね。無敵の気分だったよ。それで、俺が格闘技好きだって知った友達が自分のジムに招待してくれたんだ。最初は楽に金を稼げるかなって思って始めたんだ」 ──ジョージ・フォアマンからボクシングに誘われたというのは本当ですか。 「ほんとうだよ。ヒューストンのダウンタウンにあるジムの向かいのアパートに泊めてもらおうとしていた。車もプレゼントされてね。でもMMAもやっていたし、MMAはタマを蹴られたり、目をえぐられたりしないストリートファイトのようなものだ。その意味でボクシングよりもMMAのほうが簡単だと思った。それで『ボクシングは俺には向いていないと思う』って言ったんだ。そうしたら車を取り上げられた(笑)。ビュイックだったよ。いまでは随分アップグレードしたけどね」 ──どうアップグレードしたのですか。 「メルセデスのAMG GTSと、来週納車される予定の(ランボルギーニの)ウラカンを待っているところだよ。……でも、ワイフは俺が贅沢をすることをほんとうに嫌っているから、俺はまだ控えめにしていなきゃいけない。ロンダ・ラウジーに似せたマスクやカツラをかぶって、俺に向かって大声で叫ぼうとするんだ(笑)」 ──随分、生活も変わったのですね。 「まあ、とにかく“パーティー・ファイト”のときは、無敵の気分だったよ。でも、今の俺は変わった。怒りを溜め込んで、絶妙なタイミングで吐き出す。  家族、妻、子供たち……彼らからすべてを奪うような愚かなことはできないと思っている。俺がどのような男であるか、そして彼らが親になったときにどのようになっていてほしいかを示すために、俺は信頼できるやり方を見せなけれなならない。俺の格闘技キャリアは祝福されたものであり、そのことを神に感謝しているよ」 UFC 265: Lewis vs. Gane 【メインカード】8月8日(日・祝)午前11時(WOWOWオンデマンド) ▼ヘビー級暫定王者決定戦 5分5Rデリック・ルイス(米国)シリル・ガーヌ(フランス) ▼バンタム級 5分3Rジョゼ・アルド(ブラジル)ペドロ・ムニョス(ブラジル) ▼ウェルター級 5分3Rビセンテ・ルーケ(ブラジル)マイケル・キエーザ(米国) ▼女子ストロー級 5分3Rティーシャ・トーレス(米国)アンジェラ・ヒル(米国) ▼バンタム級 5分3Rソン・ヤドン(中国)ケイシー・ケニー(米国) 【プレリミナリー】8月8日午前7時(UFC Fight Pass、YouTube) ▼ライト級 5分3Rラファエル・フィジエフ(キルギス)ボビー・グリーン(米国) ▼バンタム級 5分3Rドラコ・ロドリゲス(米国)ヴィンス・モラレス(米国) ▼ライトヘビー級 5分3Rエド・ハーマン(米国)アロンゾ・メニフィールド(米国) ▼女子ストロー級 5分3Rカロリーナ・コバルケビッチ(ポーランド)ジェシカ・ペネ(米国) 【アーリープレリム】 ▼フライ級 5分3Rマネル・ケイプ(ポルトガル)オデー・オズボーン(米国) ▼バンタム級 5分3Rマイルズ・ジョーンズ(米国)アンダーソン・ドス・サントス(ブラジル) ▼女子フライ級 5分3Rヴィクトリア・レオナルド(米国)メリッサ・ガト(ブラジル) ▼バンタム級 5分3Rジョニー・ムニョス Jr(米国)ジェイミー・シモンズ(米国)
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