▼第8試合 RIZINライト級(71.0kg)タイトルマッチ 5分3R ※ヒジあり
×トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)
[1R 1分12秒 三角絞め]
○ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)
※サトシが新王者に
アゼルバイジャンからRIZINライト級トーナメント優勝のトフィック・ムサエフが来日し、ライト級初代王座を賭けてホベルト・サトシ・ソウザと対戦する。
ムサエフは、MMA18勝3敗。アゼルバイジャンの英雄として戦争から復帰して、1年半ぶりのRIZIN参戦を果たす。2018年大晦日のRIZIN初参戦から大尊伸光、ダロン・クルックシャンクを破ると、2019年10月から開幕の『RIZINライト級トーナメント』に参戦。ダミアン・ブラウン、ジョニー・ケースを衝撃の1R TKOで下すと、大晦日2試合目となる決勝でパトリッキー・“ピットブル”・フレイレを判定3-0で下し、GPトーナメント優勝を遂げた。
日系ブラジリアンのサトシはMMA11勝1敗。2019年10月の『RIZINライト級トーナメント』でジョニー・ケースに敗れ、初黒星を喫したものの、2020年8月に矢地祐介を1R TKOに下すと、2021年3月にハードパンチャーの徳留一樹に1R 三角絞めで一本勝ち。2連勝で王座戦のチャンスを得た。
タイトルマッチ前の国歌斉唱。サトシは希望で「君が代」、続いてアゼルバイジャン国歌が流れる。王座戦認定宣言後、ゴング。
1R、拳を合わせた両者。ともにオーソドックス構え。ムサエフは時折スイッチ。ダブルレッグに入るサトシをがぶるムサエフ。その離れ際に右ヒザを狙うサトシ。
離れて右フックを振って近づき、ムサエフの左手をオーバーフックしようとするサトシだが、ここも突き放すムサエフ。しかし、なおもサトシはヒザ着きの低いシングルレッグからすぐにボディロックに移行し、バックテイク狙いも、右腕を背中に回したムサエフにサトシは引き込み!
ガードの中にムサエフを入れたサトシ。下から左腕を差して右腕は頭後ろに巻くサトシに、上のムサエフはサトシの後ろ頭で両手をクラッチしてスペースを無くす。
その両手を解いて上体を立てたムサエフにサトシは、瞬時にムサエフの右手を左手で掴んで、前方に押し出すと同時にガードの足を大きく開いて、まずは「四角」に組んで、同時にムサエフの左手を手前に引き寄せる!
反対側の右手を三角の中に入れているムサエフ。サトシは左手でムサエフの右足を手繰り寄せながら、同時に四角を解いて、右手で自身の左足を引き寄せてムサエフの頭を下げさせると、右ヒザ裏でロック! このセットアップが速かったサトシ。
ムサエフは左ヒザを立てて防御するが、サトシは掴んだムサエフの左腕を伸ばしていったん逆側に捩じってから、その腕を内側に流して頭を引き付ける。最後は、ムサエフの右肩上から両手でクラッチして引き寄せると、ムサエフはたまらずタップ!
サトシは涙する兄のマルキーニョス、鈴木博昭とがっちりハグ、そこにメインに出場するクレベルもリングインして抱き合う。日の丸を背にコーナーで歓喜するサトシ。
試合後、サトシは、リング上で「自分を信じてくれた人いますか? ほんとうに嬉しい。私にムサエフ、完全に勝てるという人多いけど、私のチーム、私の家族、神様いつもいるから信じてる。日本、約束出来たよ! RIZINのベルト日本に戻したよ!」と絶叫。
続けて、サトシに黒帯を渡して亡くなったボンサイ柔術の父・アジウソン・ソウザに向けて、「お父さん、見てて出来たよ。ごめんちょっと時間かかったから、お父さんここにいない。でも出来たよ。生活、変わった、出来たよ、ほんとうにありがとう」とメッセージ。
最後に、「いつも応援してくれてありがとう。チームの人もたくさん来た。最後(メイン)だけ、私の弟(クレベル)もやるから、みんなミクル好きだから、私の弟も応援してね」とクレベル・コイケの勝利を願い、愛妻と記念撮影に応じ、キスをかわしてリングを下りた。