(C)Takazawa Keisuke/GONG KAKUTOGI
2025年9月14日(日)、東京・練馬のCoconeriホールにて『TTF CHALLENGE 11』が開催された。前日計量は全選手がパス。メインカード3試合はいずれもTRIBE TOKYO MMAファイターがAustralasia勢を迎え撃つ国際戦に。
メインは、『ROAD TO UFC』から再起のエフェヴィガ雄志が、ニュージーランドのキーラン・ジョブリン(City Kickboxing)と対戦。セミで石井逸人とカイル・マヨッキ(City Kickboxing)、第8試合で阿部光太が豪州のシオネ・ヴェイコソと対戦した。
チケットは指定席が完売。試合当日15時より立見券販売。大会の模様は15時45分からツイキャスプレミアにてPPVで生中継。
▼メインイベント ライト級 MMA 5分3R
〇エフェヴィガ雄志(日本/TRIBE TOKYO MMA)12勝1敗 70.25kg
[判定3-0] ※30-27×3
×キーラン・ジョブリン(ニュージーランド/City Kickboxing)28勝16敗 70.60kg
エフェヴィガはMMA11勝1敗。空道出身でMMAでは修斗等で活躍。2024年5月に『COMBATE GLOBAL』に参戦。プロ4戦目でジェラルベルト・カスティーリョにTKO勝ちすると、同年8月の『TTF10』では元Bellatorのエマニュエル・サンチェスに初回TKO勝ちで9戦無敗に。その後も修斗で連勝し、25年5月の『ROAD TO UFC シーズン4』1回戦に出場。豪州のドム・マー・ファンに判定負けで、キャリア初黒星を喫した。25歳。
対するケーラン・ジョプリンは、MMA28勝15敗。ニュージーランドの名門City Kickboxingのベテランファイターで、現在は36歳にして4連勝中。対日本人では2017年7月にPANCRASEで徳留一樹(パラエストラ八王子)に判定負け、19年6月にONE Warrior Series 6で長田拓也に負傷TKO負けも、23年11月にはエフェヴィガと同じRTUに出場したジャック・ベッカー(パク・ジェヒョンに2R TKO負け)にスプリット判定で惜敗している。
その後は、豪州Beatdown Promotions、HEX Fightで4連勝。5月のHEX Fightでは、ニコス・トレプカを相手にライト級王座防衛に成功したばかり。28勝中10KO・TKO、12の一本勝ちをマークするフィニッシュ率の高いアグレッシブなファイターだ。36歳。
世界と伍するためには強度の高い「競り合う」試合が必要で、RTUで惜敗したエフェヴィガにとっては、その機会をTTFから与えられた大会といえる。マーファンと同じオセアニア地区で活躍するジョブリンを相手に、エフェヴィガは勝利を飾れるか? それとも連勝中のジョブリンがベテランの意地を見せるか? 注目の一戦となる。
今回の試合はユニファイドに合わせた、王座戦以外のプラス1ポンド(450g)許容ルールだが、計量ではライト級(155ポンド/70.3kg)のなか、エフェヴィガは70.25kgのアンダーでパス。
「地元の練馬でやるのは、TTFでエマニュエル・サンチェスに勝ったとき以来ですけれど、減量含め戦いやすい場所です。減量も慣れてちゃんと無理なく落とせるようになってきましたし、圧倒的にホームなんでそこは心強いです」と力強く語った。
RTUでの初黒星を経て、「前回の試合で出た課題をしっかり見直して、一つひとつ自分に向き合いながらやりつつ、自分の武器も強くしてきました。さらに自信を持って試合に臨める形に仕上げてきました」という。
特に意識してきたことは「頑張る」こと。
「TRIBEで練習して、2年ほど前から出稽古している専修大学でのレスリング練習も続けて、週1回から行くときは週3回行くときもありました」と、前戦で競り負けた組みの強化、さらに大きな武器である打撃も磨いて、より自身のペースで戦えるように取り組んできた。
対戦相手のジョブリンについては、「RTUで対戦したドム・マー・ファンすごく似たようなタイプ。スクランブルが強く粘り強い。本当にいい相手です」と評し、「オセアニア勢であることも含めて、本当に復帰戦として完璧な相手を用意してくれた。すごくこの機会に感謝してますね」と、RTU「アジア」枠に入ってきた豪州&ニュージーランドファイターと戦えることをいい機会とした。
最後に「前回初黒星で、そこからの復帰戦ということで、負けてここから落ちちゃうのか、負けてからさらに強くなってるのか──そこを見てほしいです」と語ったエフェヴィガ。苦い敗戦からいかに進化を見せて再起するか、国際戦に練馬の地で臨む。
また、名門シティ・キックボクシング所属のジョプリンは、「シティ・キックボクシングでいつものトレーニングパートナー、ダン・フッカーとかコーチ全員にみてもらって練習したよ。いつも通りの準備が出来た」とリラックスした表情。
「エフェヴィガは良い選手だ。若くて背が高く、速くて、打撃も良い。でも俺が勝てると思う。彼の特長は、良いキッカーでリーチが長いことだ。でも彼の打撃を必要以上に恐れることはない。なにしろシティ・キックボクシングは、優秀なストライカーぞろいだ」と、対ストライカーに自信も見せた。
そして、エフェヴィガ攻略は前戦でつかんだという。
「RTUでドムが示したのが、彼を倒す良い方法に見える。コピー&ペーストで俺にもできるだろうし、それ以外の方法もある。今後も日本で戦い続けられることを願っている。RIZINに出られたらクールだ。ここで勝って、また日本で喜んで戦うよ」と、日本マット定着も狙う。
1R、サウスポー構えのエフェヴィガ。オーソのジョブリン。右ジャブを伸ばしたエフェヴィガにシングルレッグを狙うジョブリン。しっかり切るエフェヴィガはサイドバックに。腕を巻き込むジョブリンはキムラ狙いも、そこにマウントを合わせたエフェヴィガはバックからボディトライアングルいに。
リアネイキドチョーク狙いのエフェヴィガにジョブリンは足を解除し正対狙い。シングルバックのエフェヴィガに、腕と足を巻き込みトップを狙うジョブリン。エフェヴィガは足をかけに行くが、かけさせないジョブリンはシングルレッグを粘り強く仕掛けてついに正対してアンクルピックに。シングルの仕掛け合いのままホーン。
2R、ジョブリンのシングルを切るエフェヴィガ。ダブルレッグにヒザを合わせるもすぐに追って組むジョブリンをケージに押し込む。左の首ネガを狙ったジョブリンに首抜き離れたエフェヴィガ。ジョブリンの入りに左ボディ!
効かされたジョブリンが崩れたところにパウンドのエフェヴィガ。ジョブリンは腹ばいからヒザを立てて立ち上がり。体を入れ替えようとするジョブリンに離れる。
右ミドルを蹴るジョブリン、エフェヴィガの右に、ジョブリンは右ストレートをかすめる。エフェヴィガは一瞬腰を落とすが、ジョブリンは右ロー。それがローブローに。中断、再開。喧嘩四つでまたも右ローがローブローに。
再開。サウスポー構えのエフェヴィガに右を振ってからシングルレッグのジョブリン。切るエフェヴィガになおもシングルレッグで詰める。切ってバッから長い足をボディトライアングルに巻くエフェヴィガに脇を潜るジョブリンに腕を戻すエフェヴィガ、座るジョブリンは足をずらして立ち上がり横に落としてホーン。
3R、左フックを突くエフェヴィガにダブルレッグのジョブリン。それをしっかり切るエフェヴィガに首を狙うジョブリン。クローズドに入らず首を抜いてハーフのエフェヴィガ。右で脇差すジョブリンはフルガードに戻すが、インサイドのエフェヴィガはヒジ。すぐにシングルレッグでレッスルアップ狙いから後方へのスイープ根らいも中央に残してトップコントロールのエフェヴィガはマウントに。
ジョブリンの首投げで下になりかけたエフェヴィガだが足を残しているエフェヴィガは返らず。バックに。ジョブリンのシングルレッグからエフェヴィガを前に送ってのバック狙いのジョブリン。
正対してきたエフェヴィガにノーアームのギロチンチョーク! しかし首を抜いたエフェヴィガ。再度のジョブリンのセットに対角に片足を超えているエフェヴィガ。最後にジョブリンがスクランブルでトップもホーン。
判定は3-0(30-27×3)で難敵ジョブリンの組技を封じ込めてバックコントロール、さらに左ボディをヒット。ローブローにも集中力を切らさずポジションでも上回ったエフェヴィガがフルマークの判定勝ち。ホームで再起を飾った。
試合後、エフェヴィガは「ちょっと盛り上がりに欠ける試合をしてすみません。自分、前回、上海で国際戦を戦い、初めて負けて、終わっていろいろ考え、プライベートでもしくじって、学んだ学んで、今回も内容的には微妙でしたが、覚悟極めて向き合って勝つことができました。これも自分だけじゃなくこれまで支えてくれた皆さんのおかげです。26歳で長くスポーツできるわけじゃないので、しっかりROAD TO(UFC)でリベンジしたいので、もっとレベルアップしたいと思います」と語った。


































