2025年5月22日(木)&23日(金)の2日間に渡り20時から、4階級32名の選手が出場するトーナメント、『ROAD TO UFC シーズン4』オープニングラウンドが開催された。
日本からは8選手がトーナメントに出場。また、非トーナメント戦のワンマッチで2選手が参戦し、初日の22日の「エピソード1&2」では、トーナメント戦は中村京一郎がKO勝ち以外は日本人選手は1勝3敗。ワンマッチでは松田亜莉紗がスプリット判定で昨年準優勝シャオツァンに勝利している。
2日目の「エピソード3&4」は日本人5選手が敗退。エフェヴィガ雄志と伊藤空也は接戦の判定負けも、神谷大智と井村塁は初回の攻勢を逆転されてのKO負けでトーナメント1回戦敗退。ワンマッチでも佐藤生虎がTKO負けした。初日と2日あわせて、日本人選手のトータルは2勝8敗、8月のトーナメント準決勝進出はフェザー級の中村京一郎のみとなった。
UFC PI上海が設けられ、オーディションにより選手を選抜、PIのコーチのもと育成、海外合宿もする中国勢。州政府とともに国際大会を追加するなど国がらみで資金が投入されている豪州勢の枠の拡大、そして実力が伴わずもチャンスが与えられるインド、インドネシア勢が参加するRTU。その中で日本勢は、30歳リミットがあるなか、そこに近いベテラン強豪に門は開かれず。真にUFCで勝つことから逆算して準備が出来ていたファイターが勝利、あるいは競った試合を見せた結果となった。
同大会は、日本では『U-NEXT』および『UFC Fight Pass』にてライブ配信された。
ROAD TO UFC シーズン4 エピソード4 速報
【ROAD TO UFCシーズン3決勝】
▼第5試合 フェザー級(65.8kg以下)5分3R〇ズー・カンジエ(20勝4敗、中国)145.5lbs/66.00kg[判定2-1] ※30-28, 29-28, 28-29×シエ・ビン(13勝4敗、中国)146lbs/66.22kg
ズー・カンジエは2024年5月に安藤達也に判定3-0で勝利し、8月のRTUで原口伸にスプリット判定勝ち。シエ・ビンは2024年8月のRTUで河名マストにKO勝ち。
1R、ともにオーソ。右の前蹴りを顔に届かせるシエ・ビン。ズー・カンジエはオーソから左ミドルをヒット。さらに左ミドルを当てる。遠間から飛び込み組んだシエ・ビンだが離れる。
互いの右が交錯するなか、シエ・ビンはジャブを突いてダブルレッグテイクダウン! すぐに立つズー・カンジエはケージ背に。左ヒザのシエ・ビンに、カンジエは離れ際に右ヒジから左フックを突く。圧力をかけて右を突くシエ・ビンのラウンドに。
2R、前蹴り、左ミドルはズー・カンジエ。右オーバーハンドから左を狙う。ガードするシエ・ビンはダブルレッグへ。左で差し上げるズー・カンジエは突き放す。
オーソから左ミドルを当てるズー・カンジエ。圧力をかけるシエ・ビン互いにフェイントのかけ合いから、右前蹴り、左ミドルはズー・カンジエ。シエ・ビンのダブルレッグにすぐに体を戻す。
ジャブの刺し合い。左ミドルを突くズー・カンジエに、シエ・ビンはワンツー狙い。ともに右を強振もブロッキング。シエ・ビンのアタックに、ズー・カンジエは左右の蹴りがどう評価されるか。
3R、ハグから始まった決勝の最終R。右ミドルを突くズー・カンジエに、シエ・ビンもワンツーの右はまだ遠い。シエ・ビンはダブルレッグからバッククリンチ、背後から右足を対角のヒザ裏にヘンゾロックを狙うが、崩れないズー・カンジエ。しかしシエ・ビンもヒジを入れて片ヒザ立ちのズー・カンジエの右ふくらはぎを踏んでピンする。
起き上がったズー・カンジエは右で飛び込む。シエ・ビンもオーソから左ハイ。遠間のズー・カンジエの右をかわした、シエ・ビンがワンツー。その入りに左ミドルのズー・カンジエは右のカウンターを合わせに行き、拳が交錯。試合を作ったのはシエ・ビンだが……。判定はスプリットに割れ、30-28, 29-28, 28-29で、ズー・カンジエが勝利。延期されていた決勝を制して優勝した。
笑顔でハグをかわした両者。勝者は、「シエ・ビンと自分は、人生の親友のようなもの。たくさんのファイトをしてきた。自分がフェードアウトしそうになったこともあった。これが現実なんだ。応援してくれるみんなに感謝している。試合を見に来てくれたみんなありがとう。
彼は長いリーチを非常に上手く使ってほとんど完璧なゲームプランを持っていた。だから、私は本当にダナ(ホワイト代表)が彼と契約するチャンスを与えることを願っています。彼はとてもいいファイターだと思う。彼はUFCで私よりも良いパフォーマンスをするかもしれない。だから彼と契約してほしい。
最後に、両親と妹たちに伝えたい。大丈夫、健康だから心配しないで」と、練習仲間のシエ・ビンとの契約もアピールし、メインを締めた。
[nextpage]
▼第4試合 ライト級(65.8kg以下)5分3R〇ドム・マー・ファン(7勝2敗、豪州)156lbs/70.76kg[判定3-0] ※29-27×3×エフェヴィガヤニック雄志(11勝1敗、日本)155lbs/70.31kg
エフェヴィガはMMA11勝無敗。父が西アフリカのトーゴ出身、母が日本人の25歳で、空道をベースとし、2019年の北斗旗全日本空道体力別選手権(男子-260)では準決勝進出。TRIBE TOKYO MMAに所属し、MMAを学び、アマチュアEXFIGHTで連勝後、2021年にプロデビュー。ABEMAの海外MMA武者修行プロジェクトではフロリダのキルクリフFCで合宿を積み、2024年5月には『COMBATE GLOBAL』に参戦。プロ4戦目でジェラルベルト・カスティーリョにTKO勝ち。
その後もGLADIATOR、修斗で連勝を重ね、2024年8月の『TTF10』では元Bellatorのエマニュエル・サンチェスと対戦。左ストレートでダウンを奪ってのパウンドで初回TKO勝ち。MMA通算9戦無敗で、2024年11月にマックス・ザ・ボディと対戦し、最終回まで粘られたものの、最後はリアネイキドチョークを極めて、第11代環太平洋ライト級王座についている。2025年1月の前戦は欠場した西尾真輔の代役・ライダーHIROを1R リアネイキドチョークで一蹴、海外での試合を模索していた。
対する豪州のドム・マー・ファンは、MMA6勝2敗。2018年にアマチュアMMAデビューすると、2022年にプロMMAデビュー。2戦目と6戦目に現UFCのクイラン・サルキルドに敗れたものの、ほかは勝利し、2024年11月の前戦『Eternal MMA 91』ではトム・プラットにリアネイキドチョークで一本勝ち。2025年3月に神谷大智と対戦予定もともにRTU出場が決まった。
エフェヴィガは、24年上半期には『Dana White's Contender Series』出場オファーがあったが回避し、北米で勝つために満を持して、RTUに参戦。今回から枠が広げられた豪州から参戦のEternal MMAコンテンダーといかに戦うか。
1R、ともにオーソドックス構え。エフェヴィガは右カーフ。その2発目にマーファンは左で差して組み。金網背にしたエフェヴィガは左で差して四つ。さらに両差しにするが、マーファンはシングルレッグから崩し。金網に着いて残すエフェヴィガは右で差して体を入れ替え、四つでヒザ。組みに付き合い、クリンチアッパーから左前蹴り、さらに左ボディ!
クリンチにきたマーファンは縦ヒジを頭に突く。離れたエフェヴィガは左ロー。しかし詰めたマーファンはボディロックから中央側にテイクダウン! 残り50秒。背中を着かせたマーファンはハーフから右で差して細かいパウンド。残り10秒の拍子木に強いヒジを2発入れる。エフェヴィガの打撃はどこまで評価されたか。マーファンはテイクダウンもダメージを与えられず。
2R、エフェヴィガの右ローに合わせて組んだマーファンを体を入れ替え、左右を突くエフェヴィガ。中央でクリンチアッパーのマーファンに、左ボディを至近距離で連打! しかしマーファンは四つから小内刈テイクダウン! クローズドガードのエフェヴィガにインサイドから強い右ヒジ! エフェヴィガは左瞼をカット。
下からボディトライアングルのエフェヴィガ。「4の字やるならヒジを打て」というセコンドの声。足を解いたエフェヴィガに右で差してパウンドのマーファン。
徐々にケージまで動いたエフェヴィガにバックを狙うマーファンはリアネイキドチョークを斜め後ろから絞める。腕は入っているが、エフェヴィガは目を見開いて仰向けになって外してホーン。マーファンのラウンド。
3R、すぐに詰めたマーファンは小手投げも残すエフェヴィガは近距離の打撃で勝負。ヒジを突き、左ボディ連打! マーファンは左目尻をカット! ケージ背にするマーファンも右ヒジを返すと、右の連打を当てて、ケージの反対側まで押し込み。突き放したエフェヴィガは左ボディ! 崩れながらも組んだマーファンを体を入れ替えたエフェヴィガが押し込み。右で差して左ボディ。
離れてエフェヴィガは左ボディも軸がブレる。マーファンも右を返して押し込み。四つに。ケージに尻を着けて体を入れ替えたエフェヴィガ。肩パンチから右差し。左小手のマーファン。
離れたところについてきたマーファンに左右、さらにヒザを当てたエフェヴィガ! しかしマーファンは組み。最終Rはエフェヴィガか。判定は3-0(29-27×3)でマーファンが勝利。
試合後、「11連勝のユウジには今でも尊敬の念を抱いている。MMAというスポーツで、この記録を出すのはとてもとても難しいことなんだ。とても熟練したファイターだ。とはいえ、僕は熟練したファイターが僕のことをバッドに見るように仕向けるのが仕事だし、今日はそれができたと思っている。(このトーナメントで最大のアンダードッグだったが?)オッズ は “ストリートブッダ”を軽視しているということだ。だから今年も私は息苦しいほどのプレッシャーと、彼らの顔を切り裂くために、このブラケットにいる全員を迎えに行く。ストリートブッダとエルボーに気をつけろ!」と咆哮した。
[nextpage]
▼第3試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R〇ローレンス・ルイ(5勝1敗、ニュージーランド)135.5lbs/61.46kg[判定3-0] ※29-28×2, 29-27×ジャン・チンハ(8勝3敗、中国)136lbs/61.69kg
1R、ともにオーソドックス構え。ルイの右ローに、強い右ストレートでジダウンを奪うジャン・チンハ! しかしルイも何とか足を手繰り、ケージに押し込みヒザ。体を入れ替えるジャン・チンハ。ルイのヒジに離れる。
右を突いて右ハイのジャン・チンハに左で差して組むルイがダブルレッグテイクダウン。アームロック狙いから手を外して立ち上がりに行くジャン・チンハ。ルイはおっけて押し込み。ダブルレッグからシングルレッグ。やぐら投げを狙い、ダブルレッグに切り替え崩してホーン。
2R、ルイの右ミドルを掴んで崩すジャン・チンハ。左右を強振するが、かわすルイはダブルレッグテイクダウン。両足を束ねて足を抜いて立とうとするジャン・チンハに左で差して崩すルイがパウンド。立つジャン・チンハは離れて左。レベルチェンジを見せるルイに、ジャン・チンハは左右から右。しかし、ルイも右ヒジで前に!
後退したジャン・チンハを押し込む。ジャブを突くルイはワンツー! いったん背中を見せたチンハは正対して左フックでルイからダウンを奪い、立ち際に胸にサッカーキック。中断後、再開。
3R、右ヒジでカットしたジャン・チンハ。左フックのダブルで前進も、ルイはダブルレッグを混ぜて左ジャブでダウンを奪い返す。すぐに立つジャン・チンハは左ジャブをこつこつ当てて前進。ニータップ狙い。
ラウンド間の止血していたジャン・チンハだが、顔面を赤く染める。ジャブ、ワンツーのルイは前に。右を返すジャン・チンハにシングルレッグでケージまで押し込むルイは右ヒジ! ケージ背に首を抱えるジャン・チンハに左で差してヒザを突くルイ。判定に。
判定3-0(29-28×2, 29-27)でヒジでジャン・チンハをカットさせ、フルラウンドアタックし続けたルイが初回のダウンから逆転勝ち。死闘を制したルイは「コーチの言うことを聞いてできることをやった。UFCとの契約を掴むためにここに来たんだ」と語った。
[nextpage]
▼第2試合 ライト級(65.8kg以下)5分3R〇キム・サンウク(12勝3敗、韓国)156lbs/70.76kg[2R 3分53秒 TKO] ※クルスフィックスからパウンド×神谷大智(6勝1敗、日本)155lbs/70.31kg
神谷は6勝0敗1NCの25歳。BRAVE所属。2023年にPANCRASEライト級コンテンダーの天弥と対戦し、反則のグラウンドヒザで勝利の辛勝も、その後も2連勝。2024年6月の西尾真輔戦のノーコンテストを経て、10月に豪州Eternal MMAに初参戦し、レイマート・クィンタナをおたツイスターに極めてタップを奪っている。2025年3月にドム・マーファンとEternal MMAライト級王座次期挑戦者決定戦が組まれるも、キャンセル。ともに今回のRTUに出場を決めている。
対するキム・サンウクは11勝3敗の31歳。2023年RTUベスト4。2023年のAFC 24 x HEAT 51で山田聖真に判定勝ち後、RTU1回戦で丸山数馬にダースチョークで一本勝ち。準決勝で優勝したロン・チューと対戦し、判定負け。2024年6月ZFNで佐々木信治に判定勝ちしている。
1R、サウスポー構えの神谷、オーソのサンウクに左を入れて組んで引手を掴んでから組み直し、足払いでテイクダウン! サンウクの立ちに四つ組み。首投げからバックにつかれそうになるが、足をかけさせずにトップに。立つサンウクのを足技でこかせてニアマウントに。しかしサンウクは足を効かせる。中腰で腰を抱いて引き出そうとする神谷に、左小手のサンウク。
右足をかけてパウンド。相手右手でこつこつ殴るサンウクに、力を使ってボディロックで崩す神谷。すぐに立つサンウクが前に。左前蹴りもつかむサンウク。首相撲ヒザ狙い。右のダブルのサンウクに、左ミドルを返した神谷はダブルレッグで走り込んでテイクダウンもすぐに体を返してトップはサンウク。神谷に疲労が見える。
2R、右ミドルを当てるサンウク。続くミドルを掴んでテイクダウンの神谷にスクランブルからバックに回るのはサンウク。ニアマウントからパウンドでバックマウント。中腰で立ち上がる神谷は前にサンウクを落とすが、立つもガードが上がらないほど疲弊。首相撲ヒザ、左右を連続で被弾、止められてもおかしくないなか、クルスフィックスに固めたサンウクがパウンド。レフェリーが間に入った。
2日目ここまで日本勢は全員敗退。「柔術は黒帯じゃなく茶帯。5千ドルのボーナスを結婚資金にしたい。ダナ、俺は戦いのために来た。俺を選んでくれ」と語った。
[nextpage]
▼第1試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R〇ギエム・ヴァン・Y(5勝1敗、ベトナム)135lbs/61.24kg[2R 2分44秒 KO] ※右ストレート→パウンド×井村 塁(12勝4敗、日本)135.5lbs/61.46kg
井村塁は、植松直哉主宰のNEXUSENSEでMMA柔術の基礎を学び、2023年にCAVE、そしてPUGNUSに移籍し、石渡伸太郎に師事している。2024年に田嶋椋に判定勝ち後、キルギスのラジャブアリ・シェイドゥラエフの練習仲間のカリベク・アルジクル ウルルに1R TKO負け。しかし、2025年3月の試合ではボクシング国体3位の松井斗輝からパンチでダウンを奪ってのリアネイキドチョークで一本勝ちと、戦いの幅を広げている。
対するベトナムのギエム・ヴァン・Yは、ライオンチャンピオンシップで6戦して5勝1敗。2024年12月の前戦では、唯一の黒星の相手に1R KOでリベンジしてフェザー級王座を獲得。今回はバンタム級に落としての初戦となる。
1R、サウスポー構えの井村、左の蹴りから。ギエムは右ロー。遠目の間合いでじっくり圧力をかける井村は右ジャブを突き、左ミドルを当てる。右ロー、右ミドルを返すギエム。圧力をかけてダブルレッグからボディロックテイクダウン、さらにギエムの立ち際に背中に乗り、4の字ロックの井村。
外のおたつロックからリアネイキドチョーク狙い。中腰で前に落とそうとするギエムに背後から足もすくいながら崩し、背中からパウンドの井村は乗り直してバックに引き込む。ボディトライアンングルでリアネイキドチョーク狙いから残り10秒でパウンドに切り替えてホーン。
2R、右インローを突くギエム。組みのプレッシャーから詰める井村は左ストレートも見せる。外足を取りながら左ミドルの井村、遠間からシングルレッグも切るギエム。ワンツーのギエム。かわす井村に左のサイドキックを突く。
ジャブから跳び出た井村にカウンターを合わせたギエム! さらに右も。ケージを出て中央に戻した井村は左ストレート。ギエムはインローを当てる。右ストレートの強振はギエム。かわした井村に右を内側にストレート! ダウンした井村にサイドバックについてパウンドのギエム。連打にしばらく見ていたレフェリーだが、間に入った。
[nextpage]
ROAD TO UFC シーズン4 エピソード3
▼第5試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R〇スーラン・ランボ(9勝3敗、中国)135lbs/61.24kg[1R 3分48秒 KO]×ピーター・ダナソー(8勝4敗、タイ)135.5lbs/61.46kg
19歳、中国のエンボ・ファイトクラブ所属のランボは8勝(5KO・1SUB)3敗。現在7連勝中で、2024年11月の前戦はプロデビュー戦の千葉琉偉に3R TKO勝ち。UFCファイタース・ムダルジの従兄弟。
24歳、タイのダナソーは8勝(5KO・3SUB)3敗。2023年のRTUのワンマッチでシン・カイ・シオンに跳びヒザで1R KO勝ち。8月の2度目のワンマッチで現UFCのニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに1R リアネイキドチョークで一本負け。2025年1月のUAE Warriors 57ではフロレンチィノ・コロネルに初回TKO勝ち。
1R、ともにオーソドックス構え。ダナソーから右ロー。左から右を突くダナソーをさばいて体を入れ替え右を突くランボ。ダナソーのワンツーの右をかわして右ロー。左ジャブ。右ローを突くランボ。ダナソーの右ローをチェックする。
出て来るダナソーを左ジャブで止めるランボ。右を突いてワンツー。さらに右ロー。ダナソーの右に左を合わせにいく。さらにダナソーの頭を下げた入りに、ランボはショートの右アッパー! ダナソーが頭から崩れた。19歳のランボが鮮烈KO劇を見せた。
[nextpage]
▼第4試合 ライト級(65.8kg以下)5分3R〇パク・ジェヒョン(8勝3敗、韓国)155.5lbs/70.53kg ※2023年8月のRTUで原口伸に判定負け。[2R 3分55秒 TKO] ※パウンド×ジャック・ベッカー(13勝6敗、豪州)156lbs/70.76kg ※Eternal MMAで松本光史に判定勝ち、神谷と対戦予定も両者RTU参戦に
1R、ともにオーソドックス構え。ジャブ、ローの刺し合い。詰めるベッカーはダブルレッグで崩すも尻を着かないジェヒョンが体を入れ替える。
四つからヒザを突くジェヒョン。離れるベッカーの詰めに右ストレートを入れる。さらに右カーフ! ベッカーも右を蹴り返し。ダブルレッグテイクダウンのジェヒョン。
ギロチンを合わせたベッカーから首を抜き、ケージ中央で背中を着かせたジェヒョン。ハーフになると亀から立とうとしたベッカーのバックに。背中を伸ばすと、ベッカーはいったん仰向けになってから亀で立ち上がり。ジェヒョンがまた崩してバックで引き込んでホーン。ジェヒョンのラウンド。
2R、右ストレートで一気に詰めてテイクダウンのジェヒョン。バック狙いからパウンドでマウント。亀になってから仰向けになるベッカーだが、パウンドに再び背中を向ける。リストコントロールをして立たせず、マウントからヒジ! 肩固めへ。ずらしたベッカーにポジションを失わずにトップを取り続けるジェヒョンはバックマウント、マウントから右ヒジ連打。打たれるままのベッカーにレフェリーが間に入った。
[nextpage]
▼第3試合 バンタム級(61.2kg以下)5分3R〇シン・カイ・シオン(7勝1敗、シンガポール)134.5lbs/61.01kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×伊藤空也(17勝9敗1分、日本)135.5lbs/61.46kg
伊藤空也は17勝8敗1分の28歳。BRAVE所属。GRACHAN王者として2021年のRIZINバンタム級GPに出場するも初戦で金太郎に判定負け。2021年12月に手塚基伸に一本負けで王座陥落したが、そこから7連勝中。2024年6月に豪州のEternal MMAでロッド・コスタにスプリット判定勝ちでバンタム級王座獲得。2024年12月のGRACHAN HELIOSでTSUNEにもTKO勝ちで2冠となった。
対するシンガポールのシン・カイ・シオンは、現UFCのイ・チャンホに2022年のBRAVE CFで判定勝ち。唯一の黒星をつけた。2023年のROAD TO UFCフライ級ワンマッチでピーター・ダナソーと対戦し、跳びヒザで1R KO負け。今回は階級を上げての出場となる。
1R、ともにオーソドックス構え。シンは右ローから。伊藤も右ローを返す。詰めてショートの右アッパーのシン。伊藤も右ロー、右ハイをガード上に当てる。
右から左を突くシン。さばく伊藤にシンはダブルレッグからバックテイク。金網背に上体を立てる伊藤に、横に寝かせようとするシン。伊藤は再び上体を立てて足を戻してギロチンプレッシャーから立つが、そこにクラッチして持ち上げテイクダウンのシン。
互いに首を抱えるが、伊藤が首を押して突き放し、前に。右アッパー、左ジャブ、左の蹴りの伊藤に、シンも右ロー。左フック。ブロッキングの伊藤は右アッパーを返す。左から右アッパーも。拮抗したラウンドもシンのラウンドか。
2R、中央に出る伊藤は右ローから左のダブルで詰める。そこにシングルレッグテイクダウンのシン。伊藤は左腕のギロチンチョークでクローズドガードで絞めるが、ズラして首を抜いたシン。足にキックの際で立つ伊藤は、右ロー。サウスポー構えになるシンの右ローをさばき、右を入れる。
右前蹴りを当てるシン。伊藤は右ロー。そこからの入りに左を突いたシンに伊藤は後退も、戻して右をヒット! 下がったシンを詰めるとシンが組んでシングルレッグ。片ヒザ立ちの伊藤は立ち上がり。そこにさらにシングルレッグを狙うシンは引出し倒すと背中を着かせてサイドに。押さえ込もうとするシンにケージウォークから立ち上がり前に! 右ハイを突いてホーン。伊藤のラウンドか。
3R、右カーフのシン。伊藤は圧力をかけてジャブから右。近くなると、ワンツーからシングルレッグテイクダウンのシン。首を抱えて片ヒザ立ちの伊藤は立ち上がり。左ヒジ、左ハイのシンにガードする伊藤は、左から右アッパーのスピードは落ちていない。
右ローのシン。伊藤の詰めにシングルレッグのシン。崩すがすぐに立ち、右の蹴り、左ジャブで前に出る伊藤。シンは左フック! そこからのシングルレッグを切って切り返して押し込んだ伊藤。左ミドルを掴まれ押し込まれたシン。伊藤は金網背に。
シングルレッグのシンにヒジを突く伊藤。崩したシンにギロチンチョークの伊藤は立ち上がり。突き放して右フックの伊藤、左ミドルから右ストレートで前に。シンも左の二段蹴りで応戦。
組みはシンも、立ち上がる伊藤はスタンドで攻めている。判定は3-0(30-27, 29-28×2)でシンが熱闘をモノにした。ジャッジは3者3Rはシンを支持も、1、2Rは割れている。「2Rは取ったと思った。相手はタフでいいパンチを当ててきた。自分もグラウンドでコントロールしていたから勝ったとは思っていた」と語った。
[nextpage]
▼第2試合 ライト級(65.8kg以下)5分3R〇レン・ヤーウェイ(9勝3敗、中国)156lbs/70.76kg[1R 2分01秒 TKO]×デニ・ダファ(6勝2敗、インドネシア)155lbs/70.31kg
1R、サウスポー構えのヤーウェイがいきなり左インローをヒット。ダファは右ロー。ヤーウェイは左ストレートを当てる。ダファは右ハイでヤーウェイを一瞬、後退させる。さらに右ヒザがローブローに。
左で差して崩そうとするダファに、残したヤーウェイ。ヤーウェイは左ハイをガード上に当てるが、左ボディ、右フックをテンプルに当てると、効かされたダファはクリンチ気味にタックルに。
ヤーウェイは突っ込んできたダファの首をニンジャチョーク狙いから、ギロチンチョークで後方に回してマウントで絞め落とした。ダファは失神。
[nextpage]
▼第1試合 非トーナメント戦 ウェルター級 5分3R×佐藤生虎(6勝1敗、日本)PANCRASE王者 171lbs/77.56kg[1R 0分56秒 TKO] ※左ヒザ→パウンド、ヒジ〇キット・キャンベル(15勝7敗、豪州)HEX王者 170lbs/77.11kg
1R、サウスポー構えの佐藤。オーソのキャンベルは圧力も、佐藤は左フックで飛び込み。ニータップを狙うが、切るキャンベルはカウンターの左ヒザ蹴り!
ダウンした佐藤は頭を覆ってガードも足が効かない。キャンベルは中腰からパウンド、右ヒジの連打。腕でブロックする佐藤にヒジを連打し、レフェリーが間に入った。