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【UFC】メラブ・ドバリシビリがオマリーに3R 一本勝ち防衛! ケイラ・ハリソンがペーニャをキムラに極めて女子バンタム級新王者に。ヌネスがケージイン「戦うのが楽しみ」、パッチー・ミックスがバティスタに判定負け、フライ級でヴァンがシウバをTKOで4連勝

2025/06/08 08:06
【UFC】メラブ・ドバリシビリがオマリーに3R 一本勝ち防衛! ケイラ・ハリソンがペーニャをキムラに極めて女子バンタム級新王者に。ヌネスがケージイン「戦うのが楽しみ」、パッチー・ミックスがバティスタに判定負け、フライ級でヴァンがシウバをTKOで4連勝

(C)Zuffa LLC/UFC report by JimuraYunta

 2025年6月7日(日本時間8日)、米国ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターにて、『UFC 316: Dvalishvili vs. O'Malley 2』(U-NEXT配信)が開催された。

 メインイベントは、UFC世界バンタム級王者のメラブ・ドバリシビリvs.挑戦者ショーン・オマリーのベルトをめぐる再戦。また、同じバンタム級では、メインカード2試合目で、元Bellator世界バンタム級王者のパッチー・ミックスがUFCデビューし、同級10位のマリオ・バティスタと対戦した。

 コメインは、UFC世界女子バンタム級王座戦。元王者アマンダ・ヌネスが現役復帰を宣言するなか、現王者ジュリアナ・ペーニャに、PFLから参戦しUFCで階級を落として3戦目のケイラ・ハリソンが挑戦。キムラロックを極めて、見事戴冠を果たし、ケージインしたヌネスとフェイスオフをかわしている。

▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R
〇メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)20勝4敗(UFC13勝2敗)※UFC13連勝
[3R 4分42秒 ノースサウスチョーク]

×ショーン・オマリー(米国)18勝3敗(UFC10勝3敗)
※ドバリシビリが2度目の王座防衛に成功

 メインイベントは「UFC世界バンタム級タイトルマッチ」(5分5R)で、王者・メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)と挑戦者・ショーン・オマリーが、2024年9月以来の立場を変えた再戦に臨む。

 ドバリシビリは、オマリーから王座奪取後、2025年1月にダゲスタンのウマル・ヌルマゴメドフに判定勝ちして王座防衛に成功。

 対するオマリーはドバリシビリに敗れてから、年末RIZIN観戦で来日なども行い、今回のダイレクトリターンマッチに臨む。

 ドバリシビリにテイクダウン&コントロールされながらも5Rに前蹴りをボディに効かせた前戦以降、オマリーは態度を改め、より謙虚に。SNSを減らし、トラッシュトークも封印。今回のフェイスオフでは「前回とは違う戦いになる。分かるだろ?」とドバリシビリの目を見て語り、王者も「分かってるよ。準備は出来ている」と応えている。

 そのドバリシビリは、今回の会見で減量方法を変えたことを明かし、134ポンド(60.78kg)で計量をパスしている。オマリーは135ポンド(61.24kg)のジャストでパス。5Rの王座戦の再戦はどうなるか?

 バンタム級タイトルマッチ。5分5R。オマリー1位。

 ドバリシビリは34歳でUFC12勝2敗(1KO・11判定勝ち)。UFCデビューから2戦で敗れてからは12連勝中。現在進行系の記録ではマカチェフ(15連勝)、JJ(13連勝)に次ぐ3位。テイクダウン数92は前戦でGSPを超えてUFC史上最多。昨年9月にショーン・オマリーからタイトルを奪うと、今年1月には無敗のヌルマゴ一族・ウマル・ヌルマゴメドフの挑戦を受け、序盤こそテイクダウンを奪えずやや苦戦したが、ウマルが手を負傷した影響もあり、後半いつものテイクダウンを奪う展開に持ち込んで判定勝ち。ウマルに初黒星を与えている。

 オマリーは30歳でUFC10勝2敗1NC(6KO・4判定勝ち)。UFC契約当初から次世代スターとして期待されていた。2022年に当時ランキング11位ながら、1位で元王者のピョートル・ヤンとの対戦が飛び級で組まれる。押された内容でメディアの9割がヤンを支持する内容で物議を醸す判定勝ち。この実績でアルジャメイン・スターリングの王座に挑戦し、2RKOで王座を獲得した。2度目の防衛戦となったドバリシビリ戦は、オッズではまだオマリー幻想があったのかフェイバリットとなっていたが、5Rに一瞬だけ蹴りでボディを効かせた場面はあったのもの、それ以外はほぼテイクダウンでドバリシビリにコントロールされる展開で判定負け。それから9ヶ月、オマリーは試合をすることなくドバリシビリとの再戦に臨む。前回の試合からどう変わっているかは不明だが、SNSを見るのをやめて精神状態が安定したとのこと。

 オッズはドバリシビリ1.29倍、オマリー3.70倍。王者メラブの入場にはニューアークの会場から大ブーイングが送られる。

 1R、両者オーソドックス。距離を詰めるオマリーだが、すぐには間合いに入らない。バックスピンキックで牽制する。ドバリシビリが詰めるとサークリングし距離を取るオマリー。ドバリシビリも間合いには入らず様子見。ケージを背負ったオマリーが三日月蹴り、ジャブで牽制。右ボディを入れたオマリー。サイドステップして距離を保ち続ける。ジャブを一発ヒットさせるオマリー。前に詰めるとドバリシビリがバックステップし距離を取る。サークリングするオマリーを追っていくドバリシビリ。

 左を一発入れてバランスを崩したオマリーに組み付くと小内刈テイクダウン。すぐに立ち上がるオマリーだが、ドバリシビリはなおも組んでテイクダウンを狙う。オマリーがクラッチを切るとドバリシビリは離れ際にパンチを入れた。ドバリシビリがケージに詰めてまたタックルへ。両足を抱えて引き出してテイクダウン。背中を付けたオマリー。ガードのオマリーにパウンド・鉄槌を入れる。ハーフからオマリーの首を抱えたが時間がなく、解除して立ち上がったドバリシビリ。1R終了。

 2R、遠い間合いで飛び込みのフェイントを見せるドバリシビリ。オマリーが右ボディを一発入れた。再び間合いを詰めてきたドバリシビリ。左右のパンチをヒットさせる。オマリーも右を一発返した。距離を取りボディ・前蹴りを入れるオマリー。ドバリシビリタックルに。切ったオマリー。

 オマリーはボディブロー・前蹴りで腹に打撃を入れていく。オマリーの右をかいくぐってタックルに入ったドバリシビリだが引き剥がしたオマリー。パンチで詰めるドバリシビリ。オマリーケージまで下がる。右を入れたドバリシビリが四つでクラッチ。テイクダウンをオマリーがこらえると即シングルレッグに。こらもこらえたオマリー。離れると、残りわずかでドバリシビリがバックブローからテイクダウンを狙いつつパンチをヒットさせる。2R終了。

 テイクダウンを防ぎきったオマリーだったが、スタッツではドバリシビリのヒット数が上回っている。

 3R、ニータップでテイクダウンを狙ったドバリシビリ。切られたがすぐにパンチを入れて離れる。またケージに詰めたドバリシビリ。ダブルレッグに入ると担ぎ上げてテイクダウン。開始30秒でグラウンドに持ち込んだ。ガードを取るオマリー。ケージ際に移動しようとするオマリーだが、ドバリシビリが向きを変えてケージ際に移動させない。ガードのオマリーにヒジを入れる。

 ハーフで半身になったオマリー。そのまま背中を向けると立ちに行くが、ドバリシビリがバッククリンチしたままヒザを入れていく。正対したオマリーを即テイクダウン。立ったオマリーの足を小外で刈ってまた倒した。残り30秒でニンジャチョーク、フェイスロック気味に絞めるドバリシビリ。仰向けになったオマリーだが、ドバリシビリはそのままトップから“リバースニンジャ”をノースサウスチョークの体勢で絞めるとオマリーがタップ!

 3R 4分42秒、ノースサウスチョークでドバリシビリが2度目の王座防衛に成功。2021年9月のマルロン・モラエス戦のTKO勝ち以来、約3年8カ月ぶりのフィニッシュ勝利を決めた。

 試合後、ジョー・ローガンのケージインタビューに王者は「最高の瞬間だ。ジョージアのみんな、愛してる。本当にありがとう。まず最初に、この素晴らしい会社を作ってくれたことに本当に感謝しています。世界で最高の仕事を与えてくれてありがとう。僕は努力しています。世界チャンピオンとして、多くの若い世代に例を示してインスパイアできたことに感謝しています。あなたがどこに行こうと、何を持っていようと、目標があれば大丈夫です。だから、みんな、夢を信じて追いかけてください。僕ができるように、あなたにもできます。

(あなたのようなスタミナを持つ人はいないが?)毎日トレーニングを繰り返し続けるだけだ。僕にとって一番大切なのは、トレーニングで目覚め、その後友達と過ごしたり、人生を楽しむために充電したり、やりたいことを続けることだ。

(驚くべきことは、あなたが単にレベルを維持しているだけでなく、さらに成長していることだ。この試合では、あなたのゲームの別の側面を別の動物のような強さで見せた。あの寝技は?)僕には特別な才能があるわけではありません。一部の人は遺伝的な心臓の強さだと言いますが、違います。若い頃は疲れていて、何をするべきか分からなかったんです。時々、馬鹿げたタバコを吸ったり、変なことをしたりしていました。これはもちろん肺や心臓に悪いし、全てに悪影響だ。神よ、こんな馬鹿げたことをするために私たちを作ったのか。僕は健康に生きるべきだと思う。医療的な理由が必要な人もいるのは理解するが、僕にはこんな馬鹿げたことは必要ない。例えば、僕はただ水を飲んで、清潔な食事を食べて、ただ一生懸命働いているだけです。それだけですよ。その努力が報われたので、見て楽しんでください。

(オマリーを倒した瞬間、チョークを確実に極めたが?)彼はこの試合でテイクダウン防御が改善されていたのは事実です。彼はしっかりトレーニングし、準備も万全でした。彼が変更を加えるだろうと知っていました。毎回負けるたびに大きな変更を加え、そこから学びました。でも、あなたが言ったように、私もどんどん良くなっていて、このテクニックは見せなかっただけです。ポケットにさらに多くのツールがあります。まだ練習中ですが、少しずつ見せます。今が私の番です。UFCのトップ選手たち、素晴らしい人々、努力家たち、そして厳しい相手たち。本当にありがとう。あなたは最高の男です。ありがとう、そして私のチーム全員、レイ・ロンゴ。あなたが大好きです。新しい世代のコーチや、新しい世代の最高の選手たち。そして兄弟(アルジャメイン・スターリングを呼び寄せ)。この人が僕を僕にしたのです。兄弟、ありがとう。

(美しい友情です。メラブ、これはあなたのタイトルの2度目の防衛戦であり、次の防衛戦はコーリー・サンドヘイゲンとの対戦になる可能性が高い)僕は相手のコーリーが好きです。兄弟、あなたを愛してる。彼は最もふさわしい男だ。何度もここに来てくれた。本当に良い男で、尊敬できる男だ。彼のジョークも好きだ。私の国は、私にモチベーションを与えてくれます。ジョージア、あなたたちをとても愛しています」と、周囲への感謝と努力の成果と、次期挑戦者候補についても言及した。

 一方、敗れたオマリーは気落ちした様子で「応援に来てくれた人たちに感謝したい。思った通りの試合じゃなかった。2週間の休暇があり、4歳の子供がいて、完璧な妻がいるので、家に帰って時間を過ごしたい。メラブはクソ強い奴だ。やられたよ」とコメントした。

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