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2025年5月31日(土)東京・大田区産業プラザPIOにて『GRACHAN 74』が開催された。
▼第14試合 GRACHANライト級タイトルマッチ 5分3R
×林RICE陽太(reversal gym osaka/第4代ライト級王者)王者 70.00kg
[判定0-3] ※27-30×3
〇芳賀ビラル海(Master Japan Tokyo/同級1位)挑戦者 70.10kg
※芳賀が第5代ライト級王者に
林は、2023年12月に岸本篤史とライト級暫定王座を争い、スプリット判定勝ちで戴冠。2024年2月に大道翔貴に判定勝ちすると、4月には『Road FC 68』に参戦。パク・シウォンに1R TKO負けで連勝が「5」でストップした。
その後、正規王者の原口伸が王座返上したため、正規王者となった林は、12月の『GRACHAN HELIOS』でGRACHAN帰還。ライト級王座をかけて同級1位のロクク・ダリと対戦し、スプリット判定勝ち。王座防衛に成功している。
対する挑戦者の芳賀ビラルは、日本拳法出身。プロデビュー4連敗から、組みの進化を見せて4連勝。2024年3月に岸本篤史に判定勝ち後、5月の藤村健悟戦では、1Rアメリカーナで一本勝ち。2025年3月の前戦ではロクク・ダリにユナニマスで判定勝ちしている。
ダリ戦の勝利後、芳賀は「林君、タイトルやらせてよ。林君、美味しそうな匂いがするんですよね。でも、ダリはうまく料理出来てなかった。僕ならうまく料理して美味しい林RICEにして、むしろ食っちゃいます。なんで、林君、いつか分からないけど待ってるよ(「会場来いよ」とつぶやき)」と語り、王座戦をアピールしていた。
ダリとスプリット判定で辛勝した林と、ダリに3-0で完勝の芳賀。5勝4敗の芳賀に対し、林は10勝8敗1分とキャリアで勝る。勢いは芳賀にあるか、それとも178cmの長身の林が、芳賀の飛び込みからの組みをさばき、キャリアの差と戦いの幅を見せつけるか。林が王座を守るのか、それとも芳賀が新王者となるのか、注目の一戦となる(※林・芳賀 試合前インタビュー)。
1R、サウスポー構えの林にオーソの芳賀。林は右回り。芳賀はジャブから右で飛び込み。後退する林を追って左を振る。右回りの林を詰めて左ジャブの芳賀。前手で間合いを計る芳賀は左から右で飛び込み、さらに右のダブルも、林は左にサークリング。詰める芳賀に得意の跳びヒザを突く林だが、右の蹴りで迎撃する芳賀。林はワンツーの左。かわす芳賀も左を突いてそのまま組みに。
右で差した林が押し込みヒザ。体を入れ替えた芳賀は左の大内刈でテイクダウン! 林はクローズドガードで芳賀の頭を引き寄せると、芳賀はインサイドガードから肩パンチ。林の頭をケージに押し付け細かいパンチ。三角を狙って腕を後方に送ろうとする林に、押し込んで細かいパンチを腹に突き、残り10秒で上体を離してふりかぶってパウンド。そこに下の林は頭をセンタク挟みで挟み、ホーン。芳賀のラウンドに。
2R、互いに前手争い。中央を取る芳賀は細かいジャブで牽制。右に回り外足を取りに行く林の左ストレートをかわすと、続く林の右に芳賀が内側を突く左ジャブをヒット! さらに詰めて右ミドルを蹴る。離れる林は左ストレートを伸ばすが、かわすビラルはじりじりと圧力をかける。
林は右ジャブを見せて押し戻すと左ハイ。スリップしてすぐに立ち上がるところに芳賀は右フック。追う芳賀に林はニータップで押し込み。切る芳賀が後退して金網に詰まると林が跳びヒザ。それを潜ってかわした芳賀が体を入れ替えて詰め。
ケージ背に右フックを振った林をかわして左差して組みからダブルレッグテイクダウン! 林がケージに上体を立てて立ち上がろうとすると腰を抱いてバックヒジも。座る林のアゴ下に頭をつけて、右足を自身の左足をかけて二重がらみで伸ばして右手でパウンド。
足を抜いて立とうとする林のバッククリンチに。林の頭を押し下げて両足をかけてバックマウント! ボディトライアングルで背後から強いパウンドを突く。2Rも芳賀のラウンド。
3R、林がワンツーも遠い。芳賀もしっかり間合いを取って左ジャブ。そこに低い姿勢で右を差して組んだ林だが、ダブルアンダーも浴びせ倒したのは芳賀! 最終ラウンドでも組み力が落ちない芳賀は林にハーフで背中を着かせると左枕で押さえ込む。林は半身になり頭にヒジ。パス狙う芳賀は林の左脇に頭を入れて脇腹にパンチ。ケージまで這う林は金網背に上体まで立てるが、芳賀がそれを横に寝かせて右足を出してのハーフで林の頭をケージに押し付けて細かいパウンド。
「ビラル」コールのなか、左足で二重がらみでロックダウン。左で脇差し林を寝かせて右でパウンド。林は腰を切って両足を戻して亀から中腰に。その背中に乗った芳賀を前に落としてトップに。しかし残り10秒。フルガードの芳賀を剥がそうと持ち上げた林に、芳賀はガードを解いて着地。林は右で差して押し込むもホーン。
判定は3-0(30-27×3)のフルマークで、テイクダウン&コントロールの芳賀が勝利。新王座に就いた。
GRACHANライト級のベルトを肩にかけた芳賀は「マスタージャパン東京の芳賀ビラル海です。俺がチャンピオンだよ、バカヤロー。いままでお世話になったSASUKEさん、練習仲間の皆さまとスポンサーしてくださった仲間の方々、そして応援してくださった皆さまに深く感謝したいと思います。ありがとうございます。
試合を観て分かった通り、僕はもっと強くなれると思っています。まだまだ穴がたくさんあるし、この舞台に立って、いつもだったら緊張しないですけど、めちゃくちゃ肌がプルプルして、どないしようかなと思いながらケージに立ちました。やりきれない部分もまだまだありました。今後とも僕の成長を一緒に見ていただいて、応援していただいて、さらに大きな舞台で強い選手と戦えるように頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。ちょっと真面目なこと言ってしまいました。ハヤシライス、おいしかったです。ごちそうさまでした!」と語った。





















