朝倉未来推薦、JTT移籍の秋元強真がヒロ・ヤマニハを2R TKO(C)Takasawa Keisuke/ゴング格闘技/AbemaTV,Inc.
2024年5月17日(金)19時からABEMA『格闘代理戦争 THE MAX』決勝戦(ABEMA配信)が行われた。
『格闘代理戦争 THE MAX 決勝戦』速報
2024年5月17日(金)19時~ABEMA配信
▼メインイベント トーナメント決勝戦 フェザー級(65.7kg)3分3R
〇中村京一郎(EXFIGHT)岡見勇信&中村倫也推薦 65.45kg
[判定3-0] ※29-28×2, 30-27
×トミー矢野(KRAZY BEE)イゴール・タナベ推薦 65.35kg
今回の『格闘代理戦争』の本命・中村京一郎(岡見勇信&中村倫也 推薦)は、元海上自衛官から『格闘DREAMERS』を経てプロに。サウスポー構えの左の打撃と強いハートを武器に、すでにプロMMA4勝1敗。ここ4連勝をいずれも1R フィニッシュしているストライカーだ。
今回のシリーズでは、3月の1回戦で秋山成勲推薦のミスターホンデを1R、左ストレートからのパウンド連打でTKO。4月の準決勝では、クレベル・コイケ推薦のギレルメ・ナカガワを相手に『格闘代理戦争』史上に残る激闘を展開。3Rにギレルメの左でダウンを喫するが、その後のサブミッションを断ち切った中村が左ストレートを効かせてラッシュ。最終回にTKO勝ちしている。
前日計量を無事パスした中村は「仕上がりもほんとによくて明日が楽しみです」と笑顔。
プロ公式戦の5分3Rではなく、非公式戦の3分3Rとはいえ、3月、4月、5月とわずか1カ月間隔での連戦は、準決勝前に中村京一郎が「こんな月1トーナメントで3カ月って内臓疲労もあると思うし、なかなか今後のキャリアでもないと思う」と語った通り、タフで濃密な3カ月間の3連戦となる。
しかし、決勝を前に中村は、「ダメージも特になく、逆にこの3カ月連チャンで試合をするというのは、MMAだとなかなかないので、すごいいい経験になりましたし、こんなに3カ月、自分が仕上げられた。よくもって来れたという、自分でも新しい扉を開けた、また1個強くなったと思います」と、連戦で強さを得たとした。
さらに、「僕の試合は外れがない。1回戦も2回戦も僕の試合はすごい面白い試合になるし、前回会場で見てもらった人は分かると思いますけど、めちゃくちゃ面白い試合になる。どういう試合になるかは、当日のお楽しみということで楽しんでもらいたいと思います」と、激闘ストライカーとして、決勝も“当たり”の試合になると語った。
対するトミー矢野は、21歳で柔術戦歴180戦以上、2023年のIBJJF主催柔術世界選手権・ムンジアルの茶帯フェザーで3位入賞を果たしている強豪グラップラー。アマチュアMMAを経て『格闘代理戦争』に参戦した。
1回戦は69kg契約で、平本蓮推薦の向坂準之助を1R、テイクダウンからのマウントパンチでTKO。準決勝では、青木真也推薦の中谷優我をわずか18秒、ヒザ十字に極めている。
フェザー級リミットの65.7kgを65.35kgのアンダーでパスした矢野は、「いいパフォーマンスで盛り上げたい」を気負いのない表情。
連戦ながら、1回戦、準決勝ともに初回フィニッシュ勝利で、「試合のダメージもなく、練習の怪我もなく、万全の状態で明日はやれます」と語った。
試合展開を問われ、「グラップラーなのでテイクダウンして、TKOか一本勝ちしたいと思います」と、中村を寝かせての3連続フィニッシュ勝利を予告した矢野。
準決勝で中村に敗れたギレルメは、決勝の予想を聞かれ、「難しいけど柔術が勝つと思います」と、柔術仲間のトミー勝利と答えている。
決勝を制するのは、中村か矢野か。
1R、サウスポー構えの中村に右ハイを見せた矢野。さらに右ハイ。もそこに左ストレートを合わせに行く矢野。最初の低い組みは中村が切る。
中村の右をかわして組んで後方に引き込み、足関節狙いから足を抜こうとする中村へのトランジッションでバックを奪う矢野!
4の字ロックでリアネイキドチョークを極めに行くが、この試合は3分制。正対して抜けた中村とのトップの取り合いで上を取った中村が中腰からパウンドもゴング。
2R、右の蹴りでけん制の中村に、低いシングルレッグの矢野、スプロールする中村に引き込みクローズドガード。中央にステイして右ヒジを打つ中村。
背中を着いて下の矢野は、手首を掴もうとするが切る中村。下の矢野の煽りに中央に戻り、離れて蹴り。スタンドに戻される矢野。金網に詰めて左ストレートの中村に、矢野は引き込んでゴング。
3R、グローブタッチ。左ミドルハイの中村。スイッチした中村は右カーフ! さらにミドル。中村の詰めに引き込む矢野。
パウンドする中村にダブルレッグからクローズドガードの中に入れた矢野。
ケージを蹴って腰を切って腕十字の足を顔にかけた矢野だが、腕を抜く中村。矢野は足関節狙いへと移行するが、ここも足を抜いて離れる中村。
ダブルレッグで飛び込む矢野は、ドライブからボディロックするも引き込み、しかし、作らせない中村は左ストレート。被弾しない矢野はシングルレッグも中村が切ってゴング。
判定は3-0(29-28×2, 30-27)で中村が勝利。
試合後、中村は「トミーにも拍手を。トミーを応援してくれたヤツら! そのまま応援してください。僕ら格闘家は、応援してくれる一人ひとりのためにこのリングに立ってます」とコメント。
岡見勇信監督は「1R劣勢でトミー選手が強くて乗り切った中村が大勝負を取った」と評価。
中村倫也監督も「ちよっとトミー選手のMMAを甘くみていたかもしれません。いい目をしてファイターになっていました。そんななかで、京一郎が自分を信じて柔術も練習して成果を出してくれた。これ以上ない。最高です」と中村を賞賛した。
中村は、「トミー選手、もっとMMA出来ないと思っていた。判定になって、彼の土俵になったときも喰らいつけたのは皆さんの声援だと思っています」と感謝。
さらに、ABEMA格闘チャンネル・北野雄司プロデューサーから300万円の目録を渡されると、「これ見たらしっくりきますね。賞金とか考えずにきたけど、賞金もらうのは初めてなんで。まあ、勝ちは勝ちなんで、この経験を活かして頑張りたいと思います。ほんとうにUFCまではまだまだ長い道のりですけど……『超RIZIN』で俺のこと見たい人どれだけいますか? 考えときます」と、優勝者に出場権が与えられる『超RIZIN.3』のオープニングファイトについて、検討するとした。
最後に、UFCファイターの中村倫也は「京一郎がこの代理戦争で最初から負けられない試合をしっかり勝ち切ったのは、世界に出て行く上でめちゃくちゃいい経験になったと思います」と語った。