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【ONE】武尊がスーパーレックに判定負け、執念は届かず。青木が欠場ノースカット代役のリネカーに一本勝ち。ルオトロが王座防衛、秋山が初回KO負け、グレゴリアンがKO勝ち、トノンが一本勝ち、三浦が平田に完勝、若松がリヴェンジ成功!

2024/01/28 15:01
【ONE】武尊がスーパーレックに判定負け、執念は届かず。青木が欠場ノースカット代役のリネカーに一本勝ち。ルオトロが王座防衛、秋山が初回KO負け、グレゴリアンがKO勝ち、トノンが一本勝ち、三浦が平田に完勝、若松がリヴェンジ成功!

(C)ONE Championship

 2024年1月28日(日)東京・有明アリーナにて『ONE 165: Superlek vs.Takeru』(ABEMA PPV ONLINE LIVE配信)が開催された(※選手名からインタビューへ)。

『ONE 165: Superlek vs.Takeru』速報

▼ONEフライ級(-61.2kg)キックボクシング タイトルマッチ 3分5R
スーパーレック・キャットムーカオ(タイ/王者)
[判定3-0]
×武尊(team VASILEUS/挑戦者)※元K-1三階級制覇王者
※スーパーレックが防衛に成功。


 スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。



 ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功。



 9月にはONEフライ級ムエタイ世界王座を懸けたタイトルマッチで王者ロッタンと対戦するはずだったが、スーパーレックが前日計量で体重超過したためキャッチウェイトでのノンタイトルマッチでロッタンと対戦。スーパーレックが2Rにヒジ打ちでダウンを奪い、判定3-0で勝利している。現在10連勝中。戦績は136勝29敗4分。



 武尊は2011年9月にKrushでプロデビュー。2013年の「Krushフェザー級初代王座決定トーナメント」で優勝して王座に就くと、2015年にK-1初代スーパー・バンタム級王座、2016年にK-1初代フェザー級王座、2018年にK-1第4代スーパー・フェザー級王座をそれぞれトーナメントで優勝してK-1史上初の3階級制覇を達成した。

 2022年6月、那須川天心に判定負けも2023年6月にベイリー・サグデンをKOしISKA K-1ルール世界ライト級王座を獲得して復活。戦績は41勝(25KO)2敗。

 1R、まずは武尊が左インロー、スーパーレックはすぐに右ローを返す。早くも沸き起こる武尊コールだが、武尊は慎重だ。右ローを蹴っていくスーパーレック。ジャブから右ローも蹴る。武尊も右カーフを蹴り返す。

 2発もらったスーパーレックはこれを警戒して足を引くようになる。スーパーレックはパンチで前へ出ると武尊をロープ際まで追い詰める。武尊がここまで下がることも珍しい。

 2R、スーパーレックは右ローで下がる武尊を追いかけていくが、右フックに武尊も左フックを返す。圧力をかけて前に出る武尊だがスーパーレックはテンカオ、ジャブ、右ロー。武尊は左ボディから左右フック。スーパーレックはガードを固めてジャブと前蹴り。

 武尊の右フックがスーパーレックの顔面をとらえる。スーパーレックはつかんでヒザを蹴ってしまい、注意を受ける。前に出る武尊の左右フックで場内は沸くが、スーパーレックは冷静にジャブを突く。

 そして左ヒザを突き上げて右ロー。武尊は右カーフを蹴り、スーパーレックが前へ出ると左右フック。武尊がコーナーを背負ったスーパーレックへ左右フックを放つが、スーパーレックはほぼノーガードでこれをかわしてみせた。

 3R、スーパーレックが強い右ロー、武尊も右カーフを蹴り返す。前に出る武尊の前足を右ローで狙い撃ちにするスーパーレック。武尊はジャブを突くがスーパーレックが右ローを蹴る。前に出る武尊が左右ボディもすぐに右ローを蹴られる。

 しかし、武尊の左三日月が決まり、武尊の左ボディに身体を丸めるスーパーレック。そこで武尊が左ボディの連打。武尊の攻勢に場内は大歓声に包まれる中、武尊は左ボディを徹底的に叩き込んでいく。さらに三日月も蹴る武尊。スーパーレックは防戦一方に。

 4R、スーパーレックはロープを背負って左ミドル、右前蹴り。武尊は前へ出ていくがスーパーレックに前蹴りと右ローを蹴られる。それでも左ボディを当てに行く武尊。

 強烈な左ミドルも命中。スーパーレックの右ローで武尊のトランクスは裂けている。スーパーレックはテンカオ、前蹴りも突き刺してくるが、武尊も負けじと前蹴り、左ミドル。

 ワンツーからのテンカオを決めるスーパーレックに、武尊は左三日月で応戦。スーパーレックは右ロー、左テンカオ、さらにジャブ。しかし、武尊は前へ出ることを止めず前蹴り。スーパーレックはジャブで先手を取り、武尊にパンチを打たせない。

 5R、スーパーレックはワンツーから右ロー、そして左ヒザ。スーパーレックの右ローに武尊の身体が傾くが、武尊は蹴らせてワンツーを打つ。ワンツーで前へ出る武尊にスーパーレックはテンカオ。ジャブをしっかり当てていくスーパーレック。前蹴りで下がる武尊だが、左フック、右フックを命中。

 さらにワンツーをヒットさせると場内は大歓声に。スーパーレックはジャブと右ロー、武尊のワンツーにはテンカオを返す。武尊はテンカオを突き刺されてもすぐに左フック。まさに肉を切らして骨を断つ戦法だ。スーパーレックの前蹴り、ジャブに下がらず前へ出て手を出す武尊。スーパーレックも苦しくなってクリンチも、至近距離でのハイキックを放つ。

 タフなファイトの決着は判定に持ち込まれ、判定は3-0でスーパーレックの勝利に。武尊は精根尽き果てた表情で、足を引きずりながらリングを去ろうとしたが関係者に止められる。

 勝利者インタビューでは「私のスキルを発揮できてとても嬉しかったです。武尊の強さに驚かなかったです。そういう評判でしたから。世界一の根性を持つ選手です。戦闘準備は整っています。チャトリの指示に従います。ロッタンとの再戦でも、武尊との再戦でも僕は何でもやる」とスーパーレック。チャトリ代表からはボーナスが送られた。

 スーパーレックの勝利者コメントが終わると、武尊にもマイクが向けられる。「絶対に勝って世界一を証明してずっと応援してくれたファン、今日集まってくれたファン、みんなにパワーを与えたかったけれど、そのために今できる今の身体で出来る限界で出来るところまでやりました。絶対に勝ってみんなに武尊を信じて良かったと思ってもらいたくて。死ぬ気で頑張ってきたんですけれど。いま地震とかいろいろなことがあってみなさん辛い思いをいしたり苦しい思いをしている人がたくさんいると思うし、そういう人たちに僕が命がけで戦って頑張ればいいことがあるよってところを教えたかったです」と号泣しながらコメント。

 そして「僕が出来るのはここまでです。これ以上の身体を僕は作れません。今日集まってくださってありがとう。僕を信じてずっとついてきてくれた皆さん、ありがとうございました」と、引退ともとれる言葉。場内が騒然とする中、武尊はリング四方へ向かって頭を下げた。

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