「当日計量」は試合何時間前で何kgか。アーチュレッタは再減量の可能性も
アーチュレッタは、計量日の前日の本誌の取材に、「試合が終わったあとは、おそらく71kgくらいあると思う」とコメントしており、動ける身体としての戻しは最大でリミットからプラス10kgだとしていた。今回の最終計量は63.8kg。朝倉海が指定する当日体重リミットが「65kg」だった場合、それは試合から何時間前の計量になるか。通常のアーチュレッタの試合から5kgから6kgマイナスの体重で臨むことも考えられる。
朝倉は「(アーチュレッタは)現時点で64kgくらい。しかもルールミーティングの時も普通に水をガブガブと飲んでたしね、目の前で。どんどん増やしていると思うし。2.8kgオーバーと聞いた時は“本当に最後まで頑張ったのかな?”って思っちゃうしね」と、不満を吐露しながらも「計量ミスってよくあることで身体のことって“明日は我が身”じゃないけど、俺も気をつけているけど正直、分かんない部分もある。本当に汗が止まっちゃって出なかったのかもしれないし、そこを強く責めることは出来ないし」と、逡巡も見せている。
公開計量の檀上で「まずは朝倉海選手に謝罪したいと思います。そしてファンの皆様、関係者の皆様、申し訳ありませんでした。調印式の時に海選手が『調子が悪いんじゃないの?』と言っていましたが、実は体調が悪くて出来るかぎりのことはしたんですが結果としては体重オーバーとなってしまいました。本当に申し訳ありませんでした」とコメントしていたアーチュレッタ。
30日夜の『U-NEXT presents 『RIZIN.45』直前生特番!』で、榊原CEOは、「戻し(体重)のところも含め、処条件を話し合っているところ。アーチュレッタは相当、落ち込んでいた。最後まで落とそうとトライして。自分のコントロールミスでベルトを失う。自分にがっかりじゃん」と明かしており、出演した昇侍からは「アーチュレッタ選手が倒れなくてよかった。腎不全とかで」という声も挙がっていた。
最終2.8kgの体重超過。通常であれば前日残り4kgは、水抜きで落ちる範囲内だが、関係者によれば、最後の1.2kg減量以降は減量が出来ない状況だったという。現実としては、減量ストップの時点で、アーチュレッタは水分を戻しており、もし「当日計量」となれば、再度の「減量」に臨んでいることになる。
UFCでは、タイトルマッチにおいてはバックアップファイターを用意して計量にも臨んでいるが、急な対戦相手の変更は、それまでのトレーニングキャンプでの研究などがふいになる可能性もある。また北米では、各州のコミッションにより異なるものの、2ポンド(0.9kg)~7ポンド(3.17kg)以上の体重差がある場合は、試合を認めないルールもある。
朝倉は「みんなと榊原さんと話して(決める)」と言い、「いまはいろんな思いがありますよ。いやぁ……ツイてませんね、大晦日。大晦日、試合しないほうがいいのかな……」と苦しい胸の内を呟いている。
6月の『RIZIN.43』では、当初「RIZINフェザー級タイトルマッチ」だった試合が、当時の王者クレベル・コイケが「400g」の体重超過により、クレベルは王座剥奪。「減点20%」を課したうえで試合を実施し、鈴木千裕が勝った場合は新チャンピオン、クレベルが勝った場合はノーコンテストで王座は空位となる形がとられ、クレベルが1R、一本勝ちした。榊原CEOは、「成立するなら」同様の形式となることを語っているが、今回はその「成立条件」が最後の焦点となっている。
Wメイン(セミファイナル)での異例の大幅体重超過により、「当日計量」が検討されている朝倉海vs.フアン・アーチュレッタの「変則王座戦」は、大晦日の朝も交渉が続いている
【追記】
大会開始前に榊原CEOがリングイン。コメインの朝倉海vs.フアン・アーチュレッタの「変則王座戦」が、試合の1時間前の計量で「68kg契約」で行うことを発表した。計量をパスしたアーチュレッタが勝利した場合はノーコンテスト、朝倉勝利の場合はバンタム級王座を獲得する。
【独占インタビュー】
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