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インタビュー

【RIZIN】皇治がトラッシュトークを封印した理由とMMAファイターとしての完成度「寝技は根性でどうのこうのなるわけでもないので面白い」=大晦日連続インタビュー(6)

2023/12/28 03:12
 2023年12月31日(日)『RIZIN.45』(さいたまスーパーアリーナ)の第8試合・65.0kg契約で、皇治(TEAM ONE)が、三浦孝太(BRAVE)と対戦する。  4月に芦澤竜誠との因縁の対決に敗れ、試合後に引退を表明するという衝撃の展開から始まった皇治の2023年。6月に引退を撤回し、MMAへの転向を表明すると大晦日へ向けて着々と準備を進めてきた。  青木真也、黒帯柔術家の竹浦正起、盟友である住村竜市朗らの指導を受け、ついに迎えるMMAデビュー戦。皇治は「全く新しい皇治を見せられると思う」と相変わらず自信満々だ。その根拠とは?【独占インタビュー】大晦日連続インタビュー(1)新井 丈大晦日連続インタビュー(2)斎藤 裕大晦日連続インタビュー(3)ヒロヤ大晦日連続インタビュー(4)新居すぐる大晦日連続インタビュー(5)YA-MAN大晦日連続インタビュー(6)皇治大晦日連続インタビュー(7)弥益ドミネーター聡志大晦日連続インタビュー(8)堀口恭司大晦日連続インタビュー(9)朝倉海 全然ナメてないけれど格闘家としてはあまり興味ない ――身体つきが変わってきたように見えます。 「そうですか? 自分では全然わからん」 ――特に肩回りと二の腕が太くなったように見えます。 「ここはデカくなったですね。だって毎日筋トレしているようなもんですよ、おっさんらを持ち上げて。毎日パンパンですよ。特に今日はパンパンですね。昨日スパーリングをやったので、筋肉痛がひどいです。でも、大した事ないですよ」 ――MMAのスパーをやるとどんな感じなんですか? 「ぶっちゃけた話し、若い選手が相手だったら余裕ですよ。5分やってもテイクダウンを取られることは1回もないくらいにはなっています。でも、試合でやってみないことには分からないですね。20戦くらいやっている選手が相手だとやりにくいし、相性もありますよね。だから竹さん(柔術黒帯の竹浦正起コーチ)とも『今どれくらいのレベルにいるんやろう』って話をしています。デビュー戦くらいなのか、それとももっと上の戦績があるヤツともいい勝負が出来るのか、全然わからないですね」 ――三浦選手もYA-MAN選手と対戦した時よりは成長しているかと思いますが…。 「してないでしょう、絶対に」 ――三浦選手はMMAを必死こいてやっていないように見える? 「やってないでしょう。やってるんですか? 知らんすけれど。試合も全然せえへんじゃないですか。その陰でやっているのかもしれないですけれど。まあ、興味があまりないですね」 ――三浦選手に勝つことが目標ではない、と。 「かといってナメてはいないですよ、彼の方がMMAのキャリアは長いし、全然ナメてないですけれど、格闘家としてはあまり興味ないかな」 ――必死こいている自分が必死こいてない相手に負けるわけがない、というのが一番の自信ですか? 「そういうのもなくて…なんか全然相手がどうこうは考えなくなったんですよ。全然興味ないです。自分がするべきことをしないとってマインドになっています」 ――それは初めての心境? 「初めてかもしれんですね。今まではコイツには負けたくないっていうのがあったんですけれど。もちろん今回も負けたくないっていうのはあるんですけれど、しっかり自分がやることをやるっていうのが今のコンセプトです」 ――まるで生まれ変わったかのようですね! 今までの皇治選手とは別人じゃないですか。 「ね、俺は生まれ変わったんですよ。雷が頭に落ちたんじゃないですか。他のことに興味がないというか。記者会見でもそうだったじゃないですか。昔はゴリゴリに気合い入れてやっていましたけれど、興味がないですね」 ――記者会見の時は木村“フィリップ”ミノル選手のことに話題が独占されるからではなくて、最初からあのテンションで行くつもりだったんですか? 「全然。元から煽る気はなかったですよ。興味がなかったです。俺が三浦くんを煽ったところでブサイクですからね。お互いにいいファイトを見せられればいいなと思っています」 ――でも、記者会見での皇治選手のパフォーマンスを楽しみにしているファンもいるんじゃないですか? 「でも喋らんでも、俺と三浦くんがやるっていうだけである程度届くようになっているじゃないですか。それを若い子たちに分かって欲しいですよね。記者会見で喋って見せるというのももちろん大事だし、自分もそうやってきましたけれど、そういうことをしなくて分かってもらえるようになることが大事なんやで、ってことは伝えたいです。今はみんな喋ってどうにか自分を覚えてもらおうって位置にいてると思うんでね。  でもまあ、今の格闘技界は面白いんじゃないですか。いろいろなキャラクターのヤツらが出て来たじゃないですか。俺がずっと昔から言っているように、みんなで格闘技界を盛り上げればいいと思っているし、俺みたいに自己プロデュースするヤツがいっぱい出てきたら盛り上がるって言ってきたので、その通りになって来たなって思いますし、楽しいですね」 ――今の皇治にトラッシュトークはもう必要ない、と。 「今の俺には必要ないですね」 ――でも、目標に掲げた朝倉海選手との試合が決まったら煽りまくるんでしょう? 「もうバチバチでしょう(笑)」 ――やるんじゃないですか! [nextpage] ほんまに三浦くんの首を絞めてまうかもしれない ――話は変わって、以前に『ゴング格闘技』で練習を取材させていただいたことがありましたが、その時よりも格段にレベルアップしていますか? 「ほんまに分からん。、自分でも。怪物みたいなヤツとばっかりやっているから。最近、弱いヤツとスパーリングすると“何か狙ってるんちゃうか”と思っちゃうんですよ。それくらいやっています。だって、柔術クラスで黒帯になったばかりの人がいるんですけれど、その人とやっている時が俺の唯一の休憩だと思ってしまうほどです。黒帯が相手で休憩と思ってやっているってことは、自ずとレベルが上がっているということですよね。だから最後の1週間はもう少し下のレベルの相手とやるので、自分のレベルがそこで分かって来るんじゃないですか?」 ――自分からサブミッションを仕掛けられるくらいになっている? 「もちろん、そこは好きでずっとやっています。ほんまに三浦くんの首を絞めてまうかもしれないですよ」 ――リアネイキドチョークの掛け方知っていますか? 「それ、何なんですか? みんな言うんですけれど」 ――安保選手が記者会見でのネタで言ったんです(安保が久保優太にリアネイキドチョークを極めると宣言し、リアネイキドチョークの掛け方は知っているのかと聞かれると「これから覚えます」と答えたネタ)。技の名前を覚えてないんですか? 「どんなんですか? ああ、バックチョークですか。そんなの初めて聞きました。他は知っていますよ、腕十字でしょ、三角絞めでしょ、アームロックでしょ」 ――それ、出来るんですか? 「アームロックは簡単です。三角は好きな技ですね。練習が面白いですよ、授業みたいな感じで。先手先手で考えなあかんし」 ――打撃を習っていた時とは違う? 「全然ちゃいますね。打撃の方が根性論じゃないですか。最後は根性なんでしょうけれど、寝技は根性でどうのこうのなるわけでもないので、そういう意味では面白いですよね」 ――今は立ち技よりも寝技の方に練習の比重を置いている? 「ずっと両方やっています。MMAは立ちから始まるんでね。前はずっと柔術やっていましたけれど、試合が決まってから柔術はほとんどやっていなくて、立ちから寝技まで全部、つまりMMAをやっています。グラップリングをずっとやっていたのは試合が決まる前までですね」 ――立ち技はMMAでどう変化するんですか? 「やっぱり手数は出せないでしょうね。キックボクシングの時は手数で勝負するところがあって、とりあえずバンバン前に出て打つみたいな。そういうのは出来なくなったので、今は圧力をかけて単発で。その単発をどう当てるかっていうのが大事ですね」 ――公開練習では、オープンフィンガーグローブだったら俺のパンチでも倒れると言っていました。 「倒れるでしょう。危ないですよ、こんなので殴ったら(笑)。OFGでやるようになったら拳がだいぶデカくなりました」 ――ちゃんとナックルで当てている証明ですね。 「そうなんですよ。(青木)真也がビックリしていました。『皇治はパンチがないってみんな言っていたけれどこんなに効かせられるんだ』と。やっぱり拳がちゃんと当たるらしいですよ」 ――ボクシングトレーナーの飯田さんも変わったと言っていますか? 「言ってますね。あの薄いグローブを着けたら絶対に倒せるって」 ――すると三浦選手を殴り飛ばす可能性も? 「殴り飛ばしますよ。打撃に関しては全然レベルがちゃうと思うんでね。そこは見せたいです」 ――大晦日には全く新しい皇治選手が見れそうですね。 「見せたいですし、ほんまに見せられると思います。楽しみにしておいてください」
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