▼第13試合 PANCRASEフライ級暫定王座決定戦 5分5R
〇伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)1位 56.65kg
[2R 3分05秒 リアネイキドチョーク]
×有川直毅(K-PLACE)3位 57.5kg→再計量56.7kg
※伊藤がフライ級暫定王者に
フライ級正規王者の鶴屋怜が『ROAD TO UFC』参戦中のため、同級1位でZST第3代同級王者の伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)と、同級3位の有川直毅(K-PLACE)による暫定王座戦が組まれた。
伊藤は、16勝4敗2分。うち10試合で一本勝ちを誇るグラップラーだ。ZSTを主戦場に2017年にRIZINに参戦し才賀紀左衛門に勝利も、階級上のマネル・ケイプと58kgで、続けて59kg契約で神龍誠に敗れたが、その後、ZSTで浜本“キャット”雄大に1R TKO勝ちすると、RIZINで橋本薫汰に2R 一本勝ち。 2022年12月にPANCRASEに参戦し、上田将竜、秋葉太樹をともにリアネイキドチョークで極めるなど、4試合連続のフィニッシュ勝利を飾っている。
対する有川は、8勝4敗1分。伊藤と同じくZST出身で、2019年からPANCRASEに参戦し、3連勝。2023年4月のコルトン・キエルバサ戦では、ONE FFで藤沢彰博を秒殺している強豪キエルバサを相手に、ヒジでカットさせてTKO勝ち。今回の暫定王座戦を決めた。
前日計量では、伊藤が「格闘技始めてもう13年目になりますが、格闘技人生で一番、最強の伊藤盛一郎に仕上がったと思います。明日は必ずベルトを巻きますので、皆さん応援よろしくお願いします」と意気込み。有川は「明日は最高のスピードと最高の有川直毅を見せます」とスピードを見てほしいとした。
1R、ともにオーソドックス構え。伊藤の右ローに右を狙う有川。伊藤はその打ち終わりにダブルレッグで前に出るが切る有川。さらに組み際に右アッパーは伊藤。伊藤の右の蹴りを掴んでこかす有川。さらに右カーフを蹴る伊藤。跳び込んでの右をヒット! さらに左右で前に詰めると有川は首相撲ヒザで突き放す。
左ミドル、右カーフの伊藤。さらに右。有川の打ち返しにダブルレッグに入るが、ここはがぶる有川がワンツーで押し戻す。右の相打ち!
右から左を打つ伊藤。右のアッパーに右を合わせる有川だが、伊藤はダブルレッグテイクダウン! 左で枕に肩でアゴを殺して寝かせるとパス狙い、マウント、バックも残り10秒。残り1秒で腕十字もホーン。有川は一度足を叩いたが……。3者10-9で伊藤のラウンド。
2R、有川の右腕のダメージはいかに。詰めて左右を突く伊藤は、シングルレッグテイクダウン。左で枕で寝かせてパスガード。
背中を見せる有川にバックテイク。おたつロックで正対を許さず、ツイスター狙いから左腕を喉元に。後ろ手を剥がそうとする有川はタップせず、失神。3分05秒、伊藤が一本勝ちでフライ級新王者に輝いた。
試合後、伊藤は「メリー、パンクラス! ずっと第三代ZSTフライ級王者と言っていましたが、フライ級暫定キングオブパンクラシストになることが出来ました。ありがとうございました。連敗して勝てない厳しい時期もありましたが、後輩や仲間、家族の支えもあって…(涙ぐむ)ようやくここに戻って来ることが出来ました。前半でウチの選手がいい試合をしてプレッシャーでしたが、勝てて良かったです。まだ『暫定』なんでここで気を緩まずに練習頑張って、胸張ってチャンピオンと言えるように頑張ります。グランドスラムのジムのみんな、伊藤家集合でお願いします」と語り、ケージのなかで菅原美優らと記念撮影に収まった。