MMA
インタビュー

【PANCRASE】伊藤盛一郎「たとえ血だらけになろうが、必ず最後にはベルトを巻いてみんなで笑う」=12月24日(日)横浜武道館

2023/12/20 21:12
 2023年12月24日(日)神奈川・横浜武道館にて開催される『PANCRASE 340』で「フライ級暫定王座決定戦」として、同級1位でZST第3代同級王者の伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム/ZST)と、同級3位の有川直毅(K-PLACE)がベルトを争う(U-NEXT配信)。  伊藤は、16勝4敗2分。うち10試合で一本勝ちを誇るグラップラー。ZSTを主戦場に2017年にRIZINに参戦し才賀紀左衛門に勝利も、階級上のマネル・ケイプと58kgで、続けて59kg契約で神龍誠に敗れたが、その後、ZSTで浜本“キャット”雄大に1R TKO勝ちすると、RIZINで橋本薫汰に2R 一本勝ち。  2022年12月にPANCRASEに参戦し、上田将竜、秋葉太樹をともにリアネイキドチョークで極めるなど、4試合連続のフィニッシュ勝利を飾っている。  対する有川は、MMA8勝4敗1分。伊藤と同じくZST出身で、2019年からPANCRASEに参戦し、3連勝。2023年4月のコルトン・キエルバサ戦では、ONE FFで藤沢彰博を秒殺している強豪キエルバサを相手に、ヒジでカットさせてTKO勝ち。今回の暫定王座戦を決めている。  グラップリング主体の伊藤と、ストライカーの有川の構図のなか、伊藤はPANCRASEのベルト獲得に向け、「たとえ血だらけになろうが、必ず最後にはベルトを巻く」と決意を語った。 獲って生きていたら、その後で── ──調印式、お疲れ様でした。奇しくも有川選手とスーツが青かぶりでしたが……。 「これは、ZSTブルーです」 ──あっ……そうだったんですね。いまは活動を休止中のZSTですが、第3代ZSTフライ級王者の伊藤選手にとっては、そこまで思い入れがあるのですね。 「ZSTの青、で作ったもので、自分はZSTに育ててもらったし、ZSTの頃から『伊藤盛一郎、行くところまで行ってくれ』と応援してくれる周囲の方も多いので、原点を忘れるないようにと」 ──有川選手もプロデビューがZSTでSWATからでした。ただ「背中を見ていた」と言うように、伊藤選手とは行き違いでしたね。 「そうですね。自分がもうRIZINに出始めた頃で、実は自分、K-PLACEの選手たちとはよく練習していたんです。でも有川選手とは時期的に練習することが無かったんです」 ──だからさきほど小池代表からも「ベストで会おう」と言われていたのですね。 「はい、NEXUSでフライ級チャンピオンになった荻窪祐輔選手たちとよく練習していましたし、小池代表からは『ウチにおいでよ』と冗談で言われるくらいで(笑)」 ──所属の横浜グランドスラムの勝村周一朗代表と小池代表は、ともにZSTで選手育成委員を務めていましたしね。同い歳の有川選手の試合はチェックしていましたか。 「はい。GLADIATORに出るときに同じZSTに出てたというのもあるし『頑張ってよ』と声をかけることもありました。仲間意識というのもあって、まさか戦うことになるとは全く思っていなかったです」 ──なるほど……そんなつきあいがあったのですね。そういえば、2019年には「ZST合同練習会」があって、ジムの枠を超えた組み合わせが見られました。あのときに竿本樹生選手と組んだ伊藤選手のグラップリングは、いまでも忘れられないです。 「ああー滅茶苦茶やってましたね。お互いにムキになってました(笑)」 ──伊藤選手はそのZSTからGRANDSLAMを経て、RIZINに参戦しましたが、あの頃は、58kgでバンタム級のマネル・ケイプと対戦したり、神龍誠選手とは59kgで対戦していましたね。 「そうですね。フライ級というカテゴリーが無かったですし……いまこうしてPANCRASEでフライ級のベルトに挑めることで、ベルトは強さの象徴、証明になりますし、ZSTのベルトを持っていたのも、もう9年前になります。あの頃から怪我や負けたり、辛いこともいっぱいありました。格闘技をやってきた証明・形としてベルトを獲りたいと思ってきました」 ──そして伊藤選手もPANCRASEに参戦した。昨年のクリスマスに上田将竜選手を2R リアネイキドチョーク(RNC)で、2023年6月には秋葉太樹選手を1R 同じくRNCで極めています。秋葉戦ではスクランブルでも一枚上手の動きに感じました。それでも「本調子ではなかった」と? 「2試合とも怪我していましたね。練習は全然、出来ていなかったんですが、試合のときは動けるようにはなっていた。試合当日までは来れたので、試合でどう悪化しようがそれはもういいので、試合に出られなくなることだけは嫌でした」 ──そして、2連勝。今回の試合に向けてすでに顔にアザがありますね。それは打撃練習によるものですか? 「いえ、これはグラップリングの傷です。激しいのでヒジや拳がぶつかってこうなって」──横浜グランドスラムではどんな選手と組んでいるのですか。 「駒杵(嵩大/FIGHT BASE都立大)選手も来てくれて。いま4連勝中ですよね。滅茶苦茶、組み強いです。ユータ&ロックさん、ウチの若い選手も強くなっています」 ──そんなグラップラーの猛者たちと、打撃ではグランドスラムのトレーナーに加え、出稽古もされているのですか。 「はい。以前からミットを持っているノッパデッソーン先生に、T's キックボクシングジムで見てもらっています」 ──さきほど調印式では、「このベルトを絶対に巻きたいという気持ちの強さがキーになる。PANCRASEのベルトを何が何でも獲りたいし、たとえこの試合で“もう格闘技は出来ません”という風になったとしても、絶対に最後にこのベルトは獲りたい」と、悲愴感さえ感じさせる決意を語りました。どんな試合になると考えていますか。 「ここ最近、うまく綺麗に勝ち過ぎているので、そういうのを観たいと思われるかもしれないですけど、自分はZSTの頃から、ピンチが訪れても逆転勝ちも多いので、たとえ血だらけになろうが、必ず最後にはベルトを巻いて、みんなで笑いたいです。12月24日は自分がフライ級で勝って、沙弥ちゃん(沙弥子)がアトム級トーナメントに出て、今回勝てば3月に決勝があって、いまミドル級で(内藤)由良がチャンピオンなので、2人とも勝てば、グランドスラムにPANCRASEのベルトが3つ揃うことになるので、そうしたら、すごいですよね」 ──ところで、今回のベルトは「暫定」です。正規王者が『ROAD TO UFC』に参戦中のためですが、鶴屋怜選手のPANCRASEでの活躍をどのように見ていましたか。 「何か……自分と似たような感じじゃないですか。だから噛み合うだろうなとは思いました。ただ、自分は打撃が強い選手とやることが多かったので、あそこまで組みの強い選手とやることはあまり無かったので“どうなるかな”というのはあるし、でも自分の得意なところで負けたくない。いつか戦うときがあれば……と思っています。  海外とかも平良達郎選手たちの活躍を見ていて挑みたいと感じますし、でもベルトが無いとその先が無いんで、獲って死ぬくらいの気持ちで、獲って生きていたら、その後で考えたいです」 PANCRASE 30周年記念大会Vol.2 ゲスト解説は石渡伸太郎 『PANCRASE 340』(※対戦カードと見どころ)2023年12月24日(日)横浜武道館※当日券は13時15分より販売 《予定スケジュール》13:25- 開場13:45- 試合開始19:50- 全試合終了 【映像配信】12月24日(日)13:45~ ライブ終了までゲスト解説:石渡伸太郎(第2代バンタム級KOP)実況:西 達彦解説:大沢ケンジ U-NEXT/PANCRASE YouTubeチャンネルTIGET/PPV配信 ※English-language broadcasts only
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