最強の挑戦者と目されていた斗麗(左)からダウンを奪って初防衛に成功した新美 撮影/安村発
Krush.122
2021年2月27日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合)Krushフェザー級タイトルマッチ 3分3R延長1R
〇新美貴士(名古屋JKファクトリー/王者)
判定2-0 ※30-28、29-28、28-28
×斗麗(WIZARDキックボクシングジム/挑戦者)
※新美が初防衛に成功。
新美は2018年8月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、連勝したが斗麗に敗れた。その後は佐野天馬、高橋直輝に連勝も7月に岡嶋形徒に判定で敗れている。「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」では1回戦が不戦勝、準決勝で優勝候補と目されていた玖村修平を破り、決勝では森坂陸に延長戦の末に勝利して王座に就いた。戦績は11勝(4KO)3敗のサウスポー。
斗麗はオランダの名門Mike's Gymでも練習を重ね、2018年12月に16歳の若さでプロデビュー。5連勝で「第5代Krushフェザー級王座決定トーナメント」にエントリーされ、優勝候補と目されていたが、右手首キーンベック病(手首の月状骨がつぶれて扁平化する病気)で全治2カ月のため無念の欠場。12月19日の復帰戦では稲津航大を初回KOに降している。戦績は6勝(3KO)無敗。
1R、サウスポーの斗麗に新美は突進して左ローと右フックを放っていく。斗麗は前蹴りでその前進を止め、左フックを狙い撃ち。ジャブ、そして前蹴りで新美を止め、左のパンチを打ち込む斗麗。そして左カーフキックの2発目で新美がバランスを崩す。それでも前に出る新美は右ロー。
2R、新美のローと斗麗のカーフの蹴り合い。そしてパンチの打ち合いでも斗麗が左ストレートをヒットさせる。新美はなおも前へ出てしつこく左ロー。左カーフ、前蹴り、ジャブと攻撃を当てるのは斗麗だが、下がらされ続ける。斗麗は前蹴りで止めてストレートの3連打。
3R、斗麗は前蹴りで止めての左フック、右アッパー。新美も左ローで食い下がる。このローに足を上げ始める斗麗。ローを蹴られないように斗麗が細かくパンチを出しながら前へ出る。斗麗が飛びヒザ蹴りで宙に浮いたところで新美の左フックがヒット、斗麗は背中からマットに落ち、これがダウン判定に。
新美が左ストレート、左ロー、右アッパーで攻め込む。斗麗も前蹴り、左アッパー、左フック、左ストレート。新美の左ローに足を上げながらもパンチを繰り出す。最後まで打ち合った両者、勝敗は判定にもつれ込み、新美が判定2-0で勝利。初防衛を飾った。
新美はマイクを持つと「斗麗選手はこれからもっともっと強くなると思うので斗麗選手の応援もよろしくお願いします。2年前、おじいちゃんが2月に亡くなったので今日の勝利はおじいちゃんに捧げたいと思います。これからもっと強くなるので、僕はK-1のチャンピオンにもなるのでよろしくお願いします」と、“いい人”ぶりを発揮しつつK-1王者を目指すと語った。