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【UFC】ウスマンがバーンズをTKOで3度目防衛に成功、女子フライ級グラッソが新星バーバー下す、柔術世界王者ホドウフォが一本負け! グティエレスがスーパーマンパンチ&三角蹴り!=UFC258

2021/02/14 09:02
【UFC】ウスマンがバーンズをTKOで3度目防衛に成功、女子フライ級グラッソが新星バーバー下す、柔術世界王者ホドウフォが一本負け! グティエレスがスーパーマンパンチ&三角蹴り!=UFC258

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images

 2021年2月13日(日本時間14日)、米国ネバダ州ラスベガスのUFC APEXにて、『UFC258』が開催された。

UFC 258: Usman vs. Burns 

▼UFC世界ウェルター級選手権試合 5分5R
〇カマル・ウスマン(ナイジェリア)170lbs/77.11kg
[3R 0分34秒 TKO] ※右ジャブ→パウンド

×ギルバート・バーンズ(ブラジル)170lbs/77.11kg
※ウスマンが3度目の王座防衛に成功

 メインイベントは、王者カマル・ウスマン(ナイジェリア・33)がランキング2位ギルバート・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル・34)の挑戦を受ける、ウェルター級タイトル3度目の防衛戦。

 UFC史上初のアフリカ出身王者のウスマンは、NCAAディビジョン2で1度優勝し、オールアメリカンに3度選出されたレスラー。2012年にMMAプロデビューし17勝1敗。2戦目で一本負けを喫したものの、以降は16連勝。2015年にUFCに参戦し、オクタゴンで12勝をマークしている。

 2019年3月にタイロン・ウッドリーを判定で下し、ウェルター級王座を獲得すると、同年12月にコルビー・コヴィントンを5R 右ストレートでパウンドアウト。2020年7月にはホルヘ・マスヴィダルも判定で下し、2度の防衛に成功している。

 対するバーンズは、12歳から始めた柔術で、2011年のムンジアル黒帯レーヴィ級決勝でクロン・グレイシーを破り優勝。2012年プロMMAデビューし、7連勝でUFCと契約。2014年からUFCに参戦し、12勝3敗。2018年7月のダン・フッカー戦の1R KO負けを機に、2019年8月のアレクセイ・クンチェンコ戦でライト級からウェルター級に転向。グンナー・ネルソン、デミアン・マイア、タイロン・ウッドリーも下すなど、6連勝中(ウェルター級4連勝)だ。

 ウスマンとバーンズは、サンフォードMMAでの練習仲間(ブラックジリアンズ、コンバット・クラブ、ハードノックス365、サンフォードMMAでともに練習)だったが、現在はウスマンがジムを変えて、タイトルマッチに向けて別々に練習している。

 1R、開始前に顔を近づけフェイスオフを交わした両者。ともにオーソドックス構えから。先に勢いよく右を振って行ったバーンズ。さらに右ミドルも。続くバーンスの右フックにダウンしたウスマン! さらにバーンズは右ハイも、かろうじてブロックして倒すウスマン。

 シッティングガードのままのバーンズ。立ったまま足を蹴り、ボディストレートはウスマン。バーンズは下から足を回してヒザ蹴りを狙う。

 立ち上がり際を右を狙うウスマン。ボディストレートを入れると、バーンズは立ち上がり、右ヒザ! ウスマンも13cm差がある長いリーチを活かし左ジャブを巧みに突く。

互いに右のカーフキックを放ち、ウスマンの左に右のクロスを当てるバーンズ。左ハイもブロックするウスマンに、テイクダウン狙いも見せるバーンズ。左ジャブのウスマンにバーンズは右を当てる!

 2R、右で飛び込むバーンズ。左ジャブを返すウスマン。右インローを当てるバーンズ。さらに右アウトサイドローも。ウスマンはサウスポー構えに変えるがオーソドックス構えに戻す。左ミドルはバーンズ。ウスマンはサウスポー構えから左を振るが、そこにカウンターはバーンズ。

 ウスマンもバーンズの入りに右を当てると左! さらに右フック! 左ジャブと連打をヒットされる。

 金網背にするバーンズ。右を当てるウスマン。サークリングするバーンズを追うウスマンは左ハイ、右ジャブ。スイッチから詰めるが、バーンズの右にカウンターの左ジャブ! ダウン気味に背中をつけるバーンズ。深追いはしない。圧力をかけるウスマン。ホーンに両者は顔を近づける。

 3R、オーソドックス構えから入るウスマンは、バーンズの右ローをかわすとサウスポーにスイッチして右ジャブ一発でバーンズを倒すと、中腰からパウンド! バーンズは何とかシングルレッグに入ろうとするが、剥がしたウスマンは、パウンド連打! ハーブ・ディーンレフェリーが間に入った。

 咆哮するウスマンだが、バーンズが立ち上がるのを正座して待ち、涙。

 3度目の王座防衛に成功したウスマンは勝者コールを受けると、顔を腫らせたバーンズと長い時間ハグをかわし、互いのセコンド勢ともハグをかわした。

 ウスマンはUFCデビュー以来13連勝をマークし、ウェルター級ではGSPの12連勝を越えて最多連勝記録に。全階級での連勝記録でも、アンデウソンに次ぐ2位タイとなった。(※試合後インタビューは後ほど掲載)

 試合後、ウスマンは公式インタビューで、「昔の場所を離れて、今の彼らは次のヤツをプッシュしているし、それは当然のことだけど、今回の試合に向けてはいろんなことがあっただけに気分はいいよ。ギルバートは必死にやってきたし、本当にタフなやつで、すべてがふさわしい。ちょっとやられたようにも感じるし、それは彼らが俺にチャレンジしてきているってことだから、俺はとにかく試合に臨んで、自分が今世界で一番なんだってことを見せるだけ。ギルバートのことを気にしてきたし、とても気にかけているから、今回はかなりタフだったけど、オクタゴンに上がればもうそれは友達でもなんでもない。彼だって俺を殺してやろうと思っていたし、痛めつけてやろうと思っていたはず。俺がそう思っていたのと同じようにね。そういうものだから」と、元同門対決を振り返った。

 続けて、「どんな試合でも俺が最高で、世界のトップ。俺たちのスパーリングとかなり似ていてちょっと面白かったよ。ギルバートのカウンターが良いのは知っているし、とてもパワフルで打撃の力がものすごいけど、スルッとやってきた。あれだけ近くに来るなんて思っていなくて、フッと入ってきたから少し困惑したし、立て直す必要があったけど、チャンピオンがやるべきこと、試合に臨んで仕事を完了する方法を見い出す、それをやった。戦略は己を信じること。自分の力は分かっているから。さっきも言ったように、オクタゴンに入ればやりたいことをやる。俺にとっては意味が大きい。ちょっと落ち着いたら“ワオ、俺はやったんだ”と思った。少しだけ休みを取るつもりだけど、そうしたら次の相手が誰かを考えないとね。なんせ、全員が(このベルトを)狙っているから」と、3度目の王座防衛に成功した王者は語った。

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