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【RIZIN】斎藤裕が朝倉未来に判定勝ちでフェザー級王者に。扇久保が瀧澤に完勝。住村、竿本が競り勝ち。萩原が鮮烈KO勝利

2020/11/21 14:11

▼第9試合 バンタム級(61.0kg)5分3R ※ヒジあり
○扇久保博正(パラエストラ松戸)
[判定3-0]

×瀧澤謙太(フリー)


 国内外で強豪が揃うバンタム級で、8月横浜での前戦で朝倉海に敗れた扇久保にとってはサバイバルマッチ、9月さいたまで金太郎との接戦を制した瀧澤にとっては四天王の1人が用意されたステップアップのためのチャレンジマッチとなる。

 修斗世界フライ級王者の扇久保は、07年プロデビュー。11年に修斗環太平洋フェザー級王者になると、12年世界王座獲得に成功。13年に堀口恭司に敗れ王座陥落。14年のVTJフライ級トーナメント優勝後、16年4月には修斗世界フライ級タイトルマッチで王者・菅原雅顕から一本勝ちで、史上2人目の修斗世界王座の2階級制覇を達成した。


 16年12月にはUFCの登竜門的リアリティ番組「TUFシーズン24」で決勝進出もUFCとの契約はならず。18年7月のRIZIN.11で堀口と再戦を実現させるも判定負けでリベンジならなかった。

 1年振りのRIZIN参戦となった19年7月のRIZIN.17では、元DEEP王者の元谷友貴と死闘の末、判定勝ち。19年大晦日のRIZIN.20では元PANCRASE王者・石渡伸太郎との激闘を制し、第2代RIZINバンタム級チャンピオンとなったマネル・ケイプへの挑戦権を獲得。


 しかし20年3月にケイプがUFCとの契約を発表。王座戦は白紙に。8月のRIZIN.23で空位となったRIZINバンタム級のベルトを賭け、朝倉海と対戦し、1RにTKO負けでバンタム級のベルトを逃した。今回はバンタム級四天王の一人として、新鋭からの突き上げを跳ね返せるか。

 瀧澤は、PANCRASEバンタム級では金太郎より上位の2位にランク。空手家である父親の影響で、フルコンタクト空手を習い始め、小学校6年間は新極真の木元道場で練習。小3年で全国3位の実績を残す。中学でハンドボール部で活躍後、リバーサルジム横浜グランドスラムに入会。高校でレスリング部に所属し、高校卒業後はリバーサルジム東京スタンドアウトに移籍。


 2014年5月のプロデビュー戦での敗戦後、4連勝を飾る。19年3月には王者シウバへの挑戦権を得るも1Rにリアネイキドチョークで一本負け。金太郎同様にベルトを逃している。しかし、2019年11月のPANCRASE310では、修斗世界フライ級2位の石井逸人を跳びヒザ蹴りでTKO。2020年9月のRIZINさいたま大会では、金太郎と死闘の末、判定勝ちした。10勝のうち8つがKO勝利の、蹴り技を軸とした打撃力で、朝倉海を頂点とする群雄割拠のRIZINバンタム級戦線で勝ち上がることができるか。

 1R、身長差16cm。ともにオーソドックス構え。先に左ミドルを入れた扇久保。瀧澤は右の後ろ蹴りで牽制。ステップで詰める扇久保は左の蹴りをブロック上に当てる。さらに右の後ろ廻し蹴りは瀧澤。さばく扇久保。


 じりじり詰める瀧澤は左アッパーから右ストレートもさばく扇久保。慎重な瀧澤は右の後ろ蹴り。さらに左ミドルを当てる。

 瀧澤の左のストレートをアゴを引いて受ける扇久保。さらに左右からの蹴りのラッシュをさばき押し返し、瀧澤の蹴りの打ち終わりに右ローを返す。さらに右ローに後ろ廻し蹴りは瀧澤。さばく扇久保も右の後ろ廻し蹴りを見せる。探り合いの1R。


 2R、右から歩いて左ハイに繋ぐ扇久保。瀧澤も腰を引いてテイクダウンを警戒する。二段蹴りを狙う瀧澤。さばく扇久保はオーソからの左の蹴りがブロック上に届く。瀧澤は左の蹴りは単発。右ローを当てる扇久保!

 後ろ蹴りで牽制する瀧澤に、右アッパーから組んで行く扇久保はボディロックからテイクダウンを狙うが、そのリフトされる際で瀧澤はロープに下から腕をひっかけて防御。扇久保はテイクダウンならず。

 右フックをガード上に当てる扇久保、さらに左ハイもヒット! 瀧澤は左アッパーから入るが扇久保はさばく。さらに扇久保は右のバックフィスト、左ミドルと積極的に迫る。


 3R、ロープ際の攻防に瀧澤に注意。左フックのフェイントから左ハイを当てる扇久保! 腰を落としてダウンした瀧澤にすぐに詰めてノーアームギロチンを狙う扇久保。ガードになる瀧澤は脇を差して立ち上がりに行くが、そこでスタンドバックについた扇久保がリフトしてテイクダウン! その際ですぐにバックへ。両足をフックしてリアネイキドチョークを狙う。正対の際で上を取らせない扇久保。


 瀧澤は下からニンジャチョークを狙うが、すぐに頭を抜く扇久保は、インサイドガードから片足を抜きに。腰を切りフルガードに戻す瀧澤。扇久保は腰を殺してついていき、パスガード狙い。しかしそこに立ち上がりを狙う瀧澤。バックにつく扇久保に正対した瀧澤だが、その際でも打撃で優勢は扇久保。


 瀧澤の蹴りがロープ下段に引っ掛かり、そこに扇久保は右フック! 足を戻すのを待った扇久保と瀧澤は互いに飛びヒザ蹴り! さらに扇久保が詰めて後ろ廻し蹴りを放ったところでゴング。


 判定は3-0で扇久保が勝利。リング上で「一本取りたかったけど勝てて良かったです。8月に(朝倉海に)負けてほんとうにどん底だったんですけど、道場のみんな、鶴屋(浩)さん、彼女にもほんとうに感謝しています」と語ると、最後に「(榊原)社長、来年、バンタム級GPを開いてください」と要望した。

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