K-1K-1
K-1
レポート

【K-1】武尊がKO勝ちで涙「格闘技でもっとたくさんの人にパワーを」、Sウェルター級Tは木村が全試合1R KOで優勝! カリミアンが王座防衛、武居は対ムエタイ辛勝、瑠輝也が不可思との激闘制す、レオナが村越に完封勝利、久保がピケオーに競り勝ちV3=K'FESTA.3

2020/03/22 13:03

▼第7試合 K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチ 3分3R・延長1R
○久保優太(サラバニアファミリー/王者)
[判定3-0] ※30-29×3

×ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym/Krushスーパー・ウェルター級王者/挑戦者)
※久保が3度目の防衛に成功。


K-1 WORLD GPウェルター級タイトルマッチとして、王者・久保優太(K-1ジム五反田チームキングス)と挑戦者ジョーダン・ピケオー(オランダ/Mike's Gym)が対戦。

久保は2019年3月の『K'FESTA.2』で城戸康裕を相手に防衛戦を行い、延長Rの末に判定2-1で2度目の防衛に成功。その試合で負った怪我の回復が長引き、1年ぶりの試合となる。挑戦者のピケオーはKrushスーパー・ウェルター級王者で、2015年5月に初来日して以来、日本人トップ選手をことごとく降し、日本人相手には無敗を誇る。「ピケオーは日本人無敗で来ていると思いますが、僕しか勝てる選手はいないと思うので日本人最後の砦として頑張ろうと思います」と意気込む。


対するピケオーは、2015年5月に初来日し、当時国内トップの実力者だった佐藤嘉洋をKOして注目を集めた。同年7月の『K-1 WORLD GP -70kg初代王座決定トーナメント』では決勝でマラット・グレゴリアンに敗れるも、1回戦と準決勝はKO勝ちして準優勝。その後は現在までチンギス・アラゾフに敗れたのみで、日菜太、木村“フィリップ”ミノル、野杁正明といった国内強豪たちを軒並み撃破し、日本人相手に無敗を誇る。2016年4月に奪取したKrushスーパー・ウェルター級王座は5度の防衛に成功。戦績は45勝(20KO)7敗1分。


久保の入場時にSARAが歌い、K-1から引退宣言した芦澤竜誠もラップで合流。SARAは「久保ちゃん、頑張ってー!」とマイクでエールを送るが、久保は集中した表情。


1R、サウスポー構えの久保、オーソドックス構えのピケオー。久保の左ミドルにすぐに右ローを打ち返すピケオー。久保は左ミドルをヒットさせる。しかし詰めるピケオーは連打からヒザ蹴りで牽制。久保は下がりながらも対応を見せる。左ミドルのダブルは久保! ピケオーの入りを巧みにそぐ。左フックから右、左ボディから右で入るのはピケオー。しかし久保もさばいてインロー。ピケオーの右ハイキックの強打は久保がブロック。


2R、左の奥足ローを狙う久保。ピケオーの右のミドルをかわして左ミドルを返す。前手をつきあい、右を上下に突くピケオーだが、久保は左ロー! さらに左ミドル。左右ボディ打ちを効かせ、離れ際に左の三日月蹴りを当てる! ピケオーの右のダブルをしっかりかわす久保だが、ピケオーの右ハイも力強い。ブロックする久保。終了間際のピケオーの右のハイを1度目はブロック。2度目はスウェイでかわす。


3R、圧力をかけるピケオー。左ミドルを当てる久保はカウンターも狙う。右ハイ&ロー、前蹴りのピケオー。さらにボディストレートから右を突くが、久保はその脇を潜る。右ボディで飛び込むピケオーにクリンチする久保。離れるピケオーは右ボディストレート。久保は圧力に下がりながらもクリンチ。右ストレートをかすめるとスウェイでかわし、クリンチ。右の蹴りを上下に突き、二段蹴りで詰めるピケオー。久保は決定打を許さないが、防戦一方に。ゴングに両者が手を挙げる。

判定は3者30-29でピケオーを完封した久保が見事、3度目の防衛に成功した。

●ピケオーのコメント
「とてもガッカリしています。自分のやりたいことが出来ずフラストレーションが溜まる試合でした。久保選手はいい選手だと思います。1Rは自分が勝っていたと思っていて、2Rに久保のいい蹴りが入ってペースが狂った。3Rは元通りになったけれど久保はクリンチが多く延長Rに行くと思っていたので、判定で負けたのが最低の結果でした。反省点はもっとプレッシャーを与えるべきでした。自分が前へ行くと久保はつかんでくるので、彼は距離の詰め方が上手でした。でも延長へ行けばもっといい試合が出来たと思います。結果、そうならなかったということです。自分としては今後もウェルターでもスーパー・ウェルターでもどちらでもやります。とにかく試合がしたい。もしチャンスがもらえるなら久保とのリマッチはぜひしたい。今回は久保の作戦勝ち。パンチで詰めると久保は距離を詰めて距離を殺してしまう試合運びだった。自分は今までの作戦と違う感じでいきましたが、もっとパンチを積極的に打って行く試合をすべきでした。ファンにベルトを巻く姿を見せたかったけれど、ぜひチャンスがあればまた素晴らしい試合をお届けしたいと思います」

▼第6試合 スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R・延長1R
○山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/第4代Krushスーパー・ライト級王者、第3代Krushライト級王者)
[2R 2分59秒 KO]

×寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)


スーパー・ライト級のスーパーファイトで山崎秀晃(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と寺島輝(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)が対戦。

山崎は伝統派空手からキックボクシングに転向し、2009年12月にKrushデビュー。強打と多彩な蹴り技で白星を重ね、Krushでライト級とスーパー・ライト級で2階級制覇を達成。その後はK-1で活躍していたが今年1月に古巣のKrushへ4年2カ月ぶりに参戦し、堀井翼をKO。現在3連勝、2連続KO勝ち中。


寺島は極真空手・伝統派空手出身で2019年4月のプロデビューから4勝3KO無敗のホープ。前回は11月のKrushでクォン・ギソプを破り、初の国際戦に勝利している。多彩な蹴り技と攻撃力を持ったスーパーライト級の新鋭だ。


意外にも山崎は『K'FESTA』には今回が初参戦。山崎と同じく伝統派空手をバックボーンに持つ寺島を相手に「自分としては伝統派をK-1スタイルに変えてやっている自負があるし、伝統派でも僕はかなり厳しい道場・学校でやって来た自負があるので、そこでは負けない自信はあります。向こうは極真で接近戦もやっていますが、僕も接近戦は好きなのでどうなるのか試合が楽しみです」と、伝統派空手からK-1に転向して成功した第一人者としての誇りを見せる。

1R、いつもと異なりサウスポー構えで入る寺島は左ミドル。山崎は右のインローを返す。サウスポー構えから右の跳び込みを見せる寺島。かわす山崎はコーナーに詰めて右跳びヒザで寺島の腰を落とさせるが、ノーダウンのコール。かけ蹴りも見せる山崎。左インローを当てる寺島に圧力をかけて右を振るが、コーナーに詰まる寺島は脇を潜る。右の三日月蹴りを狙う寺島。さらに左右フックもガード固める山崎は左フックをガード上に叩き込む。


2R、サウスポー構えの寺島は左ローも下がりながら。圧力をかける山崎の右のタイミングが合ってくる。さらに左フックから入る山崎。寺島はオーソドックス構えに変え凌ぐも後退。近距離で圧力をかける山崎に右ショートアッパーも山崎は左ボディ、さらにレバー打ちを効かせ、右ストレート! コーナーで背を向けて倒れた寺島の向き直りに山崎は右フック! 圧勝で3連続KO勝利を決めた。

試合後、山崎はリング上で「もうすぐにでも行ける気持ちはあるんで、この後タイトルマッチありますけど、それより山崎の試合が見たいと言われるよう頑張りますので、もう少し山崎秀晃を応援してください」と笑顔で王座戦線に向けてアピールした。

●山崎のコメント
「自分がやりたいことが出せて作戦通りの試合でした。伝統派空手を使いつつサウスポーで来ると思っていたので、読み通りで試合を運べましたね。カチ当たってみてもフィジカルの部分でも戦いやすかった。僕はKRESTとかで自分のフィジカルトレーニングを積んできたので自分のトレーニングには自信を持っています。彼のフィジカルについてどうこう言える立場ではないので、結果パワー勝ちしたということです。ここまで来るのに、対戦してくれた相手のみんなに、ここで負けたらその人たちに失礼。これまでの一戦一戦が自分のスキルでありでパワーになったと思っています。山崎秀晃を作ってくれました。ここでは負けていられないプライドがあります。(K-1タイトルへの挑戦は)今以外にない。僕はいつでも準備しています。体も最高潮に来ているので、関係者・ファン・プレスの皆さん、決めてください(笑)。K-1ファイターをやっている以上は頂点を目指してやっています。それに向けて全力で精進していきます。山崎の試合は面白いと言われる試合をこれからも見せていきます」

▼第5試合 スーパーファイト -61kg契約 3分3R・延長1R
×SATORU成合(K-1ジム総本部チームペガサス)
[判定0-3] ※25-30×2, 25-29

○友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)


当初、SATORU成合は川原誠也(パンクラスイズム横浜)との対戦が決まっていたが、川原が練習中に負傷したため2月のKrushでKO勝ちした友尊(TEAM K/BLUE DOG GYM)と対戦することになった。

SATORUはまだキャリア5戦ながらも、戦績は3勝(3KO)2敗でK-1 JAPAN GROUPでの3勝はいずれもKO勝ち。前回12月は元Krush王者の島野浩太朗に敗れはしたものの、場内熱狂の打ち合いを展開。テレビ解説を務めていた武尊が思わず立ち上がったまま解説を続けていたという注目のファイターだ。


29歳で上京し、総本部所属としてデビューしたのは2018年11月のKHAOSだった。そこからK-1 JAPAN GROUPで4戦とプロキャリアは少ないが「地下格闘技みたいな、地元の喧嘩祭りな試合も入れるとアマチュアで20戦ぐらいはやってます。本当に色んな修羅場をくぐって来ました(笑)」とリング外?も含めて実戦経験は積んできたという。7月26日に地元・福岡でのK-1初開催も決定しているため、故郷に凱旋するためにも絶対に負けられない一戦になる。


友尊はキックボクシングで2011年7月にNJKFスーパーフェザー級王者になった後、プロボクシングに転向。7勝(4KO)6敗1分の戦績を残し、2017年8月のKrushでキックボクシング界に復帰した。Krushには2017年8月から参戦し、3連続KO負けを喫したが、その後は3勝(2KO)1敗。2019年5月には第6代Krushスーパー・フェザー級王者の郷州征宜を判定に破り、前戦は2月大会で久保一馬をKOしている。戦績は14勝(9KO)6敗。1カ月に満たない間隔での連戦になるが「この間の2週間しっかり休めたので問題ない」とコンディションも順調の様子。

2019年年末からイ人トレーナー=パヤックレックからも指導を受けている。パはヤックレック元ラジャダムナンスタジアム2階級王者で日本のリングでもムエタイ史上4人目の外国人王者となった武田幸三に勝利している名トレーナーだ。「やっぱり一番はメンタル。タイの人の言い方をすればチャイスー(闘う心、折れない心)を大事にして練習できた」という。

互いに30代で初のK-1スーパーファイト出場。今後のキャリアを考えても運命を左右しそうな決戦だ。


1R、廻し蹴り、2段蹴りで前に詰めるオーソドックス構えのSATORU。サウスポー構えの友尊はそれを凌ぎつつ右フックの飛び込み。SATORUはバックフィスト、出入りも、そこにカウンターの右フックは友尊! 左ストレートのダブルをバックステップでかわすSATORUだが、左足を上げて動きが止まったところに友尊はワンツーの左でダウン奪取! SATORUもすぐに立つ。

2R、バックフィストは友尊。SATORUも左の後ろ蹴り。さらに前に入るがそこに得意の右フックは友尊! ダウンから立ち上がるSATORUは前へ。蹴りを狙うがその足を上げ際に友尊は右フックをヒット! 圧力をかける回数が減って来たSATORU。蹴りで詰めにいくが、そこに右フックで再びダウンを奪う友尊。

3R、ワンツーで詰めるSATORU。その打ち終わりを狙う友尊。SATORUは右ローで前足を削りに行く。さらにバックフィストも見切る友尊。SATORUの右の蹴りに右フックを狙う。自ら左ハイも打つ友尊。SATORUのパンチにはロープを背にしながらも頭を振り避けてゴング。

判定は3-0(30-25×2, 29-25)大差をつけて友尊が勝利。2020年2月久保一馬戦のKO勝利に続く連勝をマークした。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント