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レポート

【K-1】武尊がKO勝ちで涙「格闘技でもっとたくさんの人にパワーを」、Sウェルター級Tは木村が全試合1R KOで優勝! カリミアンが王座防衛、武居は対ムエタイ辛勝、瑠輝也が不可思との激闘制す、レオナが村越に完封勝利、久保がピケオーに競り勝ちV3=K'FESTA.3

2020/03/22 13:03

▼第4試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・一回戦(4)3分3R・延長1R
○和島大海(月心会チーム侍)
[3R 0分40秒 KO] ※左ローキック

×アワターン・トー.モースィー(タイ/トー.モースィージム)
※和島が準決勝へ進出。ニコラス・ラーセン(デンマーク)は来日不可能で欠場に。


和島は第1回K-1アマチュア全日本大会優勝など、アマチュア大会で数々の実績を残して2016年7月にKrush初参戦。サウスポーから繰り出す破壊力十分のパンチと蹴りでKO勝利の山を築き、戦績は10勝(9KO)3敗。2018年9月にはジョーダン・ピケオーの持つKrushスーパー・ウェルター級王座に挑戦した実績を持つ。

2019年は3月『K'FESTA.2』木村“フィリップ”ミノル戦のKO負け(前年18年のジョーダン・ピケオー戦を合わせると初の連敗)から始まり、11月、地元大阪で初開催となったKrushでの再起と、うねるような試練の1年となった。


今回初めてワンデイトーナメントの試合に臨む和島だが、「城戸(康裕)選手とずっとやりたいと思ってましたし、日本人のトップだと思ってるんですけど、そろそろ世代交代したいと思ってるので、城戸選手に勝ち上がってもらって僕が倒したいと思います」と城戸康裕への世代交代を宣言。続いて昨年3月にKO負けを喫した木村の名前を挙げ「木村選手にリベンジしたいと思っているので、木村選手に決勝まで勝ち上がってほしい」とリベンジを誓っている。

対するは、トーナメントに出場が決まっていたニコラス・ラーセン(デンマーク)が新型コロナウイルスの影響等で来日不可能となり、同大会の欠場が決定。変わってアワターンが緊急参戦することになった。

アワターンはムエタイの中量級トップファイターでWPMF世界スーパー・ウェルター級王座、WPMF世界ミドル級王座、TOP KING世界 -70kg王座と三つのタイトルを獲得。強靭な肉体を誇り、全身で相手に突っ込むような突貫ファイトを信条としている。

2019年には「TOP KINGのトーナメントで1日2回KOして優勝しました」と、ムエタイの国際戦イベントである『TOP KING』のトーナメントで連続KOして優勝したことを明かしている。


1R、攻撃型の“ムエマッド”というアワターンはオーソドックス構え。和島はサウスポー構え。和島の左ミドルから先に詰める。ロープ際を回りかわすアワターンも左ミドルで応戦。左手を前に出して防御もそこに和島は右アッパーで飛び込む。しかし連打には軸足払いのアワターン。和島の圧力に左右ミドルで距離を取り、右ロー。和島も左ローを効かせていく。アワターンはコーナーを背に詰まると右足を挙げてチェックするようになる。


2R、左の奥足ローを効かす和島! さらに左ロー。アワターンの右ストレートは単発で和島がかわすと、アワターンのローもしっかりチェック。圧力をかけて左ロー。右ジャブも当てるとアワターンは右ミドルを当て返す! しかしその右ミドルの打ち終わりに左を狙う和島。アワターンが前に出てきたところに狙いすました左ストレートでダウン奪取! 立ち上がりガードを固めるアワターンにロープに詰めて左右、アッパーもアワターンも凌ぐ。


3R、後が無いアワターンは前に詰めに。大きな右を振るが、体躯で勝る和島は左ロー! さらに奥足へ左ローを決め、アワターンはダウン。和島が3R 0分40秒、KO勝利で城戸康裕が待つ準決勝に駒を進めた。

▼第3試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(3) 3分3R・延長1R
○城戸康裕(谷山ジム/第2代Krushスーパー・ウェルター級王者)
[2R 1分54秒 KO] ※左ハイキック

×ミラン・ペイルス(スロバキア/FKR-PROウェルター級王者)
※城戸が準決勝へ進出。


今回が74戦目となる城戸は36歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰し、8月大会でアントニオ・ゴメスをKO、11月大会で神保克哉をKOと連勝を飾っている。

2017年の第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント以来のトーナメント出場に向け、「ダメージを負わずに倒すのが理想。欧米人は無理と思ったらすぐ諦める傾向がある。気持ちを折る」「魔裟斗さん以来、70kg(スーパー・ウェルター級)でK-1王者になる」と偉大な先輩と同じ肩書を持つことへの大きなモチベーションを語っている。


城戸と1回戦で対戦するペイルスは身長180cm、27歳、戦績は45勝(22KO)7敗1分。東欧の格闘技イベント『W5』で頭角を現し、現在はオランダを中心に活動するヨーロッパの『Enfusion』が主戦場。パンチ主体のファイトスタイルで、突進力を活かした回転の速いパンチの連打を得意とする荒々しいスタイルのファイターだ。


1R、サウスポー構えの城戸に対し、オーソドックス構えからジャブを伸ばして右ストレートで圧力をかけていくペイルス。前手を置き前蹴りを突く城戸だが、構わず詰めるペイルスは城戸の左をかわして前へ。城戸のローキックがローブローとなり中断。


再開。右フックで詰めるペイルス。城戸は前足をヒザに当ててストップピング。さらに後ろ足の左で奥足ロー! しかしペイルスも左ストレートを返す。城戸はこつこつとローを突く。


2R、城戸の奥足に前足を入れ替えるペイルス。詰めて左ヒザを突くが、押し返す城戸はワンツーから4連打で前へ。さらに左ミドルも。ペイルスの右ハイをスウェイでかわすが、ペイルスは頭を下げて左右! 受けた城戸はローのフェイントから左ハイ! 効かされたペイルスはガードを固め、右を強振するが、城戸は押し込んで離れ際に左ハイ! ペイルスは足を泳がせてダウン。2R 1分54秒、城戸がKO勝利で準決勝進出を決めた。

▼第2試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(2) 3分3R・延長1R
×神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)
[2R 0分49秒 KO]

○エダー・ロープス(ポルトガル/Jazzy Fight Club K.O Team/ISKA欧州スーパー・ウェルター級王者、WKA世界-72kg王者)
※ロープスが準決勝へ進出。


1回戦第2試合は神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)とISKA欧州スーパー・ウェルター級王者&WKA世界-72kg王者エダー・ロープス(ポルトガル)が対戦。

神保はロープスについて「勢いはあるけれど自分の得意なタイプ。体重さえ落ちれば問題なく倒せる。サウスポーも問題ない。中国でやった試合の相手にも似ているのでそのイメージで行けば全然イケる」と、かなりの自信を見せる。


11月大会では城戸康裕にKO負けを喫して世代交代に失敗。戦績を8勝(4KO)5敗1分としたことについては「あの試合では単純に考えすぎてしまった。相手の作戦に乗っちゃった感じですかね。若気の至りを忘れているので、それを思い出してトーナメントにぶつけたい」と、逆襲のポイントは“若気の至り”だといい、「今まで格闘家とは思えないくらい生活習慣が悪すぎて、それを見直してきました」と夜遊びを封印したと語る。「前に負けている選手がいるのでリベンジも兼ねて精一杯やります。ここで汚名返上したい」と、過去に敗れている城戸と和島に借りを返したいとした。


神保と1回戦で対戦するロープスは身長178cm、22歳、戦績は18勝(2KO)5敗。北西アフリカに位置する島国カーボベルデ共和国出身の黒人ファイターで、身体能力の高さとバネがあり、伸びのあるパンチと蹴りが武器。過去に豪州のレジェンドファイターであるジョン・ウェイン・パーに勝利したことがある。ダブルダウンで相手を失神KOさせた試合動画が話題となっており、その爆発力も脅威だ。


1R、ともにオーソドックス構え。左インローから突く神保。ロープスは左ローからハイの蹴り返し。左ボディは空を斬る。ワンツーから右ハイと対角線を突くロープス。そのハイに右ストレートを狙う神保は右の跳びヒザも。左右のローを突くロープス。神保もジャブ&ロー。右ミドルから歩いてて左の蹴りまで繋ぐロープスは、左ボディ&右フックと欧州系のコンビネーション。そこに神保はワンツーを中央で突く。

2R、ロープスの入りに右ストレートを合わせる神保。しかし、右ミドルを効かせたロープスはそのまま詰めて左フック、右ストレートでダウン奪取! 立ち上がるもふらつく神保。ロープスはさらに打ち下ろし気味の右フック、左右の連打を的確に当ててKO勝利。木村ミノルが待つ準決勝に駒を進めた。

●神保のコメント
「アツくなっちゃったすね。自分の悪い癖が出た。思った以上に相手はパンチができていて自分が思ったより合わせられた。ムエタイ選手の感じだったが、思ったよりパンチができていて、そこは警戒していなかった部分でもらってしまいました。正直もうなんも言えないです」

▼第1試合 K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント1回戦(1) 3分3R・延長1R
×海斗(ポゴナ・クラブジム)
[1R 2分10秒 KO]

○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス/Krushウェルター級王者)
※木村が準決勝へ進出。


今大会では第2代王者チンギス・アラゾフが返上したK-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王座の第3代王座決定トーナメントが行われる。その出場選手とトーナメント組み合わせが発表された。過去の対戦経験(城戸は木村と神保、木村は和島との対戦経験がある)を踏まえ、日本人選手が勝ち上がった場合、準決勝では初顔合わせになる枠組みとなった。

1回戦第1試合は海斗(ポゴナ・クラブジム)vs Krushウェルター級王者・木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/K-1ジム五反田チームキングス)。海斗は以前から木村との対戦を熱望しており、その希望が叶う形となった。


木村は「70kgに上げて初めての試合でトーナメント挑戦ですが、去年全大会でKOした一番調子がいい男なので、いいスタートを切りたい。相手の前回の試合を見てフィリップポーズ(KO勝ちした時に木村が両手を後ろで組むポーズ)しているのを見たし、モチベーションはマックスです。令和初のK-1王者になるのは光栄なのでそれを獲りにいきます」と意気込む。


海斗は「K-1のベルトはもちろん欲しいですが、僕の階級の(Krushの)ベルトをミノル選手が持っているので1回戦から決勝のつもりで死ぬ気で獲りに行きます」と、1回戦に全てを懸けるとした。

1R、オーソドックス構えの木村に、サウスポー構えの海斗は左ミドル。そこにキムラは右を狙う。左ボディで飛び込む木村。さらに右ストレートでロープに詰める。ロー、ボディと下を突き、海斗の左ミドルをキャッチし、右ストレートの連打でダウンを奪う木村! 海斗が立ち上がると、さらに一気に距離詰めてコーナー際で左フックを効かせ左右ラッシュ! 海斗をKOした。1R 2分10秒のKO勝利で準決勝進出を決めた。


●海斗のコメント
「情けない試合をしてすいませんとしか言えません。もっと蹴りで遠い距離で近づいてきたらヒザを打とうと思っていたがパンチをもらってしまいました。圧力はそんなになかったがパンチが速かった」

▼K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント・リザーブファイト 3分3R・延長1R
○藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
[判定3-0] ※30-28, 30-29, 30-27
×小鉄(K-1ジム琉球チーム琉神)


ともにオーソドックス構え。序盤から圧力をかけ徐々に得意の右フックをガードの隙間から突く藤村。2R、小鉄はワンツー&左右ローをこつこつと突いて行く。3R、手数は減るが右ストレート・右フックを当てる藤村。カウンターの右ストレートでは一瞬小鉄の動きが止まるが、沖縄にジムを開いた小鉄も応援を背に前進。判定3-0で藤村が勝利。トーナメント・リザーバーの権利を得た。

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