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【RIZIN】朝倉未来の首を狙うのは? フェザー級GP注目選手とRIZINスペシャルバージョン開催の可能性

2020/02/02 02:02
【RIZIN】朝倉未来の首を狙うのは? フェザー級GP注目選手とRIZINスペシャルバージョン開催の可能性

(C)RIZIN FF/Bellator/Road FC

2020年2月22日(土)静岡県・浜松アリーナにて「RIZIN.21」が開催される。同大会ではポスターのメインビジュアルにもなっている朝倉未来(トライフォース赤坂)がメインイベントに出場。MMA16勝6敗1分のメキシコのダニエル・サラスと68kg契約(ヒジ有り)で対戦する。

サラスは、2015年にUFCのリアリティーショーTUFのメキシコ版「The Ultimate Fighter Latin America Season 2」でライト級トーナメントに参加し、ホラシオ・グティエレスを相手に判定負け。TUFで決勝に進出したホラシオは2016年8月にはUFCフェザー級戦で石原夜叉坊(2018年からバンタム級に転向)に1R KO負けしており、「夜叉坊とはいつでもやってもいい」と語っている未来にとっては負けられない相手だ。

榊原信行CEOが語っている通り、2020年のRIZINは男子フェザー級(65.8 kg)と女子フライ級(56.7kg)のGPを開催予定。「男子は朝倉未来、女子は渡辺華奈の階級」(榊原CEO)と、年末のBellatorとの対抗戦で白星を挙げた2選手を柱にGPを展開していくことを語っている。

では、両階級にはどんな選手がいるのか。フェザー級近辺では、朝倉未来を筆頭に、同じ浜松大会で66.0kg契約でヴガール・ケラモフとカイル・アグォンが対戦する。

RIZIN初参戦時に28歳になるケラモフは、ライト級GP優勝のアゼルバイジャンの英雄トフィック・ムサエフと同門のファイター。MMA14勝3敗で2015年1月から19年11月の約4年にわたり、土付かずの10連勝をあげている。前戦は「Bellator234」でブラジルの22勝23敗のグスタヴォ・ウーリッツァーと対戦し、1R1分29秒、強い体幹からの投げで上になりパウンドでTKO勝ちしている。

ムサエフは本誌の取材でケラモフについて、「アゼルバイジャンの有望選手だ。練習仲間でとても強く、RIZINに出場することになったら面白い」と語っており、さらに「朝倉未来と互角に渡り合えるほどか?」との問いに「ヴガールが勝つだろう」と答えている。

また、PXC元バンタム級王者で山本美憂のコーチとしてもお馴染みのカイル・アグォンは、前戦2019年10月のPANCRASEで、かつて判定勝ちしているISAOとの再戦に臨みスプリット判定負け。フェザー級王座にあと一歩届かなかった。今回のRIZIN初参戦に向け、「この機会を与えてくれたRIZINに感謝しています。ここ数年、日本で試合をしていましたが、日本に来るたびに楽しい思いをしていましたのでRIZINも楽しみです。2月22日はエキサイティングな試合をしたいと思います」と第二のホームともいえる日本での激闘を約束。

ケラモフについては、「タフでしつこくて、前に出てくる選手だと思うので面白い試合になると思います。RIZINで継続的に参戦出来るように試合で証明します」と、強豪のケラモフを破ることでフェザー級GPに名乗りを挙げるつもりだ。

浜松大会出場の4選手のほかにも、フェザー級では強豪選手が日本を主戦場としている。RIZIN関係者はGPに「王者クラスに参戦してほしい」としており、ONEとの提携が「いったんフラットに」なったとされるPANCRASEの王者ISAO(NEVER QUIT)や、2016年5月から8連勝中のDEEP王者の弥益ドミネーター聡志(team SOS)、2009年5月から11年間無敗のGRACHAN二階級王者の阪本洋平(T-BLOOD)らの名前が挙がる。RIZIN参戦中の川尻達也と同門の阪本は怪我からの復帰戦が注目される。

元DEEPフェザー級王者の芦田崇宏(BRAVE)は2019年10月大会で長倉立尚に判定勝利後、年末のBellator JAPANでの平本蓮とのキックボクシングマッチでRIZIN出場を果たしており、本職のMMAでGP参戦をアピールしたいところだろう。また平本もMMA挑戦を表明しており、今秋の開催となれば名乗りを挙げる可能性もある。

ONEと提携中の修斗からはかつて世界ライト級王者の松本光史がRIZINに参戦しているが、現世界フェザー級王者の斎藤裕(パラエストラ小岩)は3月29日にオランダのデュアン・ヘルフォートを相手に防衛戦が決まっている。

王者以外にも、修斗、PANCRASE等で12連勝中の摩嶋一整(毛利道場)はホドルフォ・マルケス、元UFCの田村一聖にも一本勝ちしている強豪だ。UFCを目指している28歳の摩嶋は海外進出なるか。

古豪では、44歳ながらDEEPで2連勝、2試合ともフィニッシュしている小見川道大(NEO JUDO ACADEMY)も「今、MMAをやらないと損をする」と気を吐いている。MMA最終章に大きな挑戦にかけるか。

修斗で斎藤裕戦を含め5戦5勝、PANCRASEで現ONE参戦中の中原由貴、牛久絢太郎、元ACBの中島太一を下すなど4連勝=9連勝中のユータ&ロック(秋本道場jungle junction)、ZSTで活躍中で水垣偉弥と同門の関鉄矢も気になるところだ。

RIZNと提携するBelaltorでは、現在、奇しくもフェザー級GPを開催中で、2020年1月大会の準々決ではバンタムからフェザー級に階級を上げたダリオン・コールドウェルが14勝無敗のアダム・ボリッチに1R 一本勝ちでAJ・マッキーと準決勝で対戦。

残りの準々決勝では2020年3月13日の『Bellator 241』でフェザー級&ライト級の二階級同時王者であるパトリシオ・“ピットブル”・フレイレとペドロ・カルバーリョが対戦(※フェザー級王座戦を兼ねる)、ダニエル・ヴェイケルとエマニュエル・サンチェスが対戦することになっている。

しかし、すでに敗れた選手のなかにもRIZIN、あるいは朝倉未来と因縁浅からぬ強豪選手がいる。

堀口恭司がニューヨークMSGでコールドウェルからバンタム級のベルトを奪った日に、フェザー級でエドゥアルド・ダンタスをKOで下したファン・アルチュレタは、堀口&朝倉未来に再三、対戦要求をしており、GP1回戦では王者パトリシオに判定で敗れているアルチュレタにとっては、日本で挽回を果たしたいところだ(※写真は1月大会でコラレスに判定勝利したアルチュレタ)。

ほかにも上位陣にはデレック・カンポス、ヘンリー・コラレス、DREAMに参戦していたジョージ・カラカニヤン、そのカラカニヤンや朝倉未来と対戦したマカパに勝利しているパット・カラン、サム・シシリア、ティワン・クラックストン、日本のREALで実力者ぶりを発揮していたソウル・ロジャースらが名を連ねる。

そんなBellatorフェザー級戦線で、ライト級GPに参戦したパトリッキーのようにサプライズ参戦を期待したい選手がいる。

Bellatoで跳びヒザ蹴りで連勝をマークしていたアダム・ボリッチ、そのボリッチをテイクダウンで苦しめた超新星アーロン・ピコ、かつてパトリシオを下し王座に就いているダニエル・ストラウスといった選手だ。

なかでもアマチュアレスリングとボクシングで実績を残しているピコは、朝倉未来が対戦を希望している選手。コラレス、ボリッチと強豪相手に2連敗を喫したが、1月大会で復活のKO勝利を収めているため、RIZIN GPで優勝を勝ち取れば、北米にビッグカムバックの大きな手土産となる。

また、Bellator以外では、かつてRIZINに参戦していたクロン・グレイシーは現在UFCで1勝1敗とオクタゴンで戦っており、日本マット登場は困難なものの、ボンサイ柔術でソウザ兄弟との縁も深いクレベル・コイケは元KSW王者から2019年9月の「ONE JAPAN SERIES -Road to CENTURY-」で3年5カ月ぶりに日本凱旋、西浦“ウィッキー”聡生に一本勝ちしている。フェザー級戦時代の矢地祐介(KRAZY BEE) にも一本勝ちしているクレベルのその後のONEとの契約はいかに?

ROAD FCでは2018年11月に実力者チェ・ムギョムを判定で破ったイ・ジョンヨンが現在ベルトを巻いている。まだ24歳ながら、2019年9月の初王座戦では、日本でも活躍し7連勝中だったパク・ヘジンをわずか10秒でKOしており、韓国外での試合が待たれる強豪だ。

北米ではBellator以外にもUFCリリース組、東欧やアフリカの未知の強豪もリストアップされてくるだろう。そしてRIZINがスカウティングしている五輪クラスのアスリートは、GPにもからんでくるのか。女子フライ級GPの軸とされた渡辺華奈と、その対戦候補である中井りんも元は柔道家だ。杉山しずか、真珠オークレアらのほかにも柔道・レスリング界などからどんな選手がRIZINを目指すか。

榊原CEOは、2020年の大会スケジュールを「2月22日浜松、4月中旬・関東、5月、7月、9月、12月」としており、GP開催は通常なら9月、12月あたりとしながらも、オリンピック期間中の8月についても「ほか競技も日程が未定の部分もあり、会場次第ではオリンピックの大会期間中に“逆張り”して、GPをぶつけるというプランもある」と格闘技版オリンピック構想を「諦めていない。まだじたばたしたい」と明言。

「世界中からスポーツ観戦で日本に訪れる人がいるなかで、オリンピックで観戦できる競技は限られる。そういうなかで日本の武道も含めた“RIZINのスペシャルバージョン”をこのスペシャルイヤーであるオリンピックの期間中に開催出来れば。やるんだったら東京五輪が行われる関東圏でやらなければ意味がない」と語っている。

フェザー級GPと女子フライ級の両GP。オリンピックイヤーに第2のムサエフやマネル・ケイプ、ハム・ソヒはどの国から現れるか。新たなスターの誕生に期待だ。

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