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レポート

【Bellator JAPAN】ヒョードルが日本のファンに惜別のKO勝利で「愛を贈ります」。鮮烈KOのMVPは「また日本に呼んで」。K太郎が判定負け、渡辺華奈が殊勲のTKO勝利、クルックシャンクは一本負けで対抗戦はRIZINの1勝2敗に

2019/12/29 11:12

▼第13試合 RIZINストロー級(53kg)RIZIN MMAルール 5分3R ※ヒジ有り
×越智晴雄(CAVE)=52.90kg
[判定0-3]
○ジャレッド・ブルックス(米国)=52.90kg


 越智とブルックスは8月の『RIZIN.18』で対戦。開始から10秒、ファーストコンタクトでの偶発的なバッティングにより越智が右目上、額から出血。傷は深く、ドクターチェックの末、続行不可能となりノーコンテストとなった。今回はその決着戦。


 大学で空手を経験し、その後ボクシング部に入部すると同時に総合格闘技も始めた越智は、2017年9月にDEEPストロー級王者カンサトーをギロチンチョークで破り初戴冠。第二代同級王者となった。2018年4月に柴田“MONKEY”有哉も退けると、9月にRIZIN初参戦。砂辺光久に左フックからサッカーボールキックで衝撃的なKO勝利を収めている。越智は前戦でブルックスを“触った”感触を「組み手がメチァクチャ強かった。米国でイジーレスリングで練習をやれてよかった」と語っている。


 対するブルックスはレスリングがバックボーンでMMA14勝2敗。 2016年2月の「WSOF-GC 2」 で猿丸ジュンジを2R KOに下し、衝撃日本デビュー。その後も順調に勝ち星を重ね、同年10月にはPANCRASEにも参戦。潤鎮魂歌から右フックでダウン奪いパウンドアウトし、12戦無敗をマークし、2017年7月からUFCに参戦。本来のストロー級ではなくフライ級で戦い2勝2敗。2018年9月の前戦では、ロバート・サンチェスにスプリット判定で競り勝っている。ニックネームである“ザ・モンキーゴッド”はクモザルのような姿と、ヒンドゥー教でクモザルは「神様」を意味することから付けられた。


1R、ともにオーソドックス構え。いきなり中央に詰める両者。ダブルレッグから持ち上げ肩口に乗せて前方にテイクダウンするブルックス! すぐに上体を立てる越智。両足を束ねるブルックス。腰を殺して押し込むと越智の立ち上がり際にバックに回る。


立つ越智の背後に飛び乗るブルックス。ボディトライアングルで組むブルックス。背後からの右手を脇下でつかむ越智。ブルックスは左で背後から拳を振る。ブルックスを背負ったまま首を防御する越智。左腕のチョークのクラッチは「大丈夫」のセコンドの声に、背後のブルックスにパンチも入れる越智。ブルックスは背後から右腕をネルソンに狙う。越智は時間を見て前転に巻き込みで倒れて外そうとするが、ついていくブルックス。ゴング。


2R、詰める越智に回るブルックス。遠間から跳びヒザでシングルレッグ、再びダブルレッグに入るテイクダウン。首を抱えつつ、両足を掴まれ束ねられると越智の左足のヒザが伸ばされる。


越智の下の足をアンクルピックするブルックス。越智は立ち上がるとブルックスはダブルレッグに移行。金網背に受け身になる越智。1R同様にその立ち際に足をかけてバックを狙うブルックス。ボディトライアングルを狙うブルックスに片腕を入れて正対を狙う越智だが、そこに両脇を差した形のまま落ちずにボディトライアングルを組むブルックス。片ヒザを着く越智はブルックスを背負う。ブルックスは背後から右ヒジを側頭部に当てる。


3R、詰める越智。右ストレートで飛び込み、跳びヒザも狙う。さらに詰める越智はクリンチボクシングも。さらにワンツーへ。右に回って避けるブルックスはスーパーマンパンチも。しかしすぐに追う越智に右回りのブルックス。越智のワンツーの右はまだ遠い。なお追う越智に後ろ廻し蹴りを放つブルックス。かわす越智が前がかりになったところにブルックスはダブルレッグテイクダウン!

すぐに立ちに行く越智にバックスローはブルックス! 金網に押し込んでくるブルックスに越智はノーアームギロチンへ! しかし首を抜いたブルックス。越智は立ち上がりに行くとすぐにブルックスはシングルレッグへ。足を引き出してテイクダウン奪うと、ブルックスがギロチンで後方に回したところでゴング。3Rにわたりドミネートしたブルックスが判定勝利した。

▼第11試合 RIZIN キックルール 68.0kg契約 3分3R
○平本 蓮(K-RIVER・AXジム)=67.95kg
[1R 2分45秒 KO]
×芦田崇宏(BRAVE)=68.00


 K-1甲子園2014王者・平本が電撃参戦。元DEEPフェザー級王者・芦田とRIZIN Kickboxingルール68.0kg契約3分3Rで対戦する。

 平本は小学生でキックボクシングを始め、ジュニアキックで活躍。ジュニア時代に那須川天心と対戦して勝利したこともある。2014年には高校1年生でK-1甲子園優勝、2015年1月にK-1でプロデビュー。2017年2月にはK-1 WORLD GP 初代ライト級王座決定トーナメントに出場し、決勝でウェイ・ルイに敗れるも準優勝。2018年3月にはゲーオ・ウィラサクレックと対戦し、日本人初のKO勝ちを奪った。“新生K-1の申し子”と呼ばれるようになり、その将来が期待されたが、同年8月のKrushでエキシビションマッチを行った後はリングから姿を消していた。


 そして11月1日に自身のSNSにて「K-1ジムとの契約が満了しました。今日からフリーになったので新しく契約ができるようになったので、どこの団体でやっていくなどは本当にまだ決まっていませんが、逆に言うと今日から契約ができるので早いうちに試合を発表できると思います」と報告していた。


 芦田は2010年10月にDEEPでプロデビューし、ボクシングテクニックを武器にMMAで活躍。2017年9月にDJ.taikiに勝利し、12月には上迫博仁を破りDEEPフェザー級王座に就いた。同王座は初防衛戦で失ったが、今年10月のDEEPでは長倉立尚を破って試合後のマイクでRIZIN参戦をアピール。かつて師匠である宮田和幸も上がっていたRIZINにキックルールながらたどり着いた。


1R、サウスポー構えの芦田に、どっしりオーソドックスに構える平本は左フック、右テンカオのヒザを腹に突く。


左に頭を下げる芦田にさらに右ハイを決める平本! ガード上から効かされた芦田が後退。平本の左右の高速ラッシュで尻餅する芦田。立つ芦田を追う平本はさらにラッシュから右でダウンを奪う! 立つ芦田だが顔面から出血しドクターチェック。再開。圧力をかけてく平本に左ハイは芦田も、その打ち終わりに右ストレートを決める平本が再びダウンを奪う。


右ハイから右ヒザ、さらに打ち下ろしの右ストレートで芦田がダウン。3ノックダウンで平本が勝利を決め、ケージに上がってガッツポーズをした。


試合後、ケージのなかで平本は、「K-1から来ました平本蓮です。この試合を受けてくれた芦田選手、ありがとうございます。僕の土俵に上がって来てくれた勇気に拍手をお願いします」とキックルールに挑戦した芦田を称えると、続けて、「お父さん、お母さんありがとう。いろいろあってこのまま一生……試合できないんじゃないかと思ったときがあって、そんなときに支えてくれた周囲の皆さんに感謝します」と言葉に詰まりながら語った。最後は「これからRIZINの看板選手になりますのでよろしくお願いします!」と挨拶した平本。RIZINキック部門での海人戦、Bellatorキック勢との対戦、さらにMMA挑戦を目指す今後に注目だ。

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