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レポート

【修斗】岡田遼が安藤達也とドローで王座防衛、斎藤裕が高谷裕之をKO! 田丸が魚井フルスイングに、藤井伸樹が齋藤翼に判定勝ち

2019/09/22 17:09
【修斗】岡田遼が安藤達也とドローで王座防衛、斎藤裕が高谷裕之をKO! 田丸が魚井フルスイングに、藤井伸樹が齋藤翼に判定勝ち

9月22日(日)、後楽園ホールにて「SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 第7戦 Supported by ONE Championship」が行われた。

◆プロフェッショナル修斗公式戦
SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 第7戦 Supported by ONE Championship
2019年9月22日(日)東京/後楽園ホール
開場 17:30 開始 18:00 ※開場中にオープニングファイトを実施予定

▼メインイベント 第8試合 環太平洋バンタム級選手権試合 5分3R
△岡田 遼(61.2kg/王者・初防衛戦/パラエストラ千葉)
[判定1-1ドロー]※29-27,27-29,28-28
△安藤達也(61.2kg/挑戦者・同級2位/無所属)
片岡誠人 28-28(1R 10-9/2R 8-10/3R 10-9)
長瀬達郎 29-27(1R 10-9/2R 9-9/3R 10-9)
豊永 稔 27-29(1R 9-10/2R 8-10/3R 10-9)

メインは「環太平洋バンタム級チャンピオンシップ」。

前日計量では、事前のインタビューで岡田から「練習をしないからポテンシャル通りの結果を残せていない」「このベルトを巻く器じゃない」と酷評された安藤は、計量後のマイクで「練習してるとかしてないとか、いろいろ気にしているけど、俺はバッチリ作ってきたんで心身ともに。明日すべてが分かる」と、初の王座挑戦に向けコメント。対する王者も「このベルトが選んだほうが強い。それはどっちなのか明日見てください」と初防衛戦に自信を見せている。

1R、オーソドックス構えの岡田、サウスポー構えのの安藤。ワンツーで詰める安藤。バックステップでかわす岡田。詰めると右の前蹴りは岡田。さらに左右を突き右! さらに左ロー。安藤も左を伸ばすが、かわす岡田。詰める安藤は両脇を差すが動きが止まりブレーク。

右の三日月蹴りを腹に入れる岡田! じれる安藤は左で詰めるが、かわす岡田。安藤はダブルレッグもスプロールで切ると逆に岡田がバックを取る。その離れ際にヒジを打つ安藤! 防ぐ岡田は右の三日月蹴り!その連打に下がる安藤はダブルレッグ。ヒザ突きのダブルレッグに岡田はヒザも口頭注意に。

2R、詰める岡田は右ミドル。安藤も左ミドルを返す。しかし2発目はローブローに。再開、右で詰めて右三日月蹴りは岡田! さらに右ハイ! しかし安藤もすぐに回り込んでのダブルレッグテイクダウンからバックへ。リアネイキドチョーク狙い! 

腰をずらし正対して岡田は立つと、右ストレート! 下がる安藤。岡田が逆にダブルレッグテイクダウンも背中を見せた安藤に後頭部への反則のヒジ! 減点1が岡田に宣告される。

再開。左を伸ばす安藤だが身体が流れる。追う岡田に安藤はカウンターのテイクダウン狙うが切る岡田。追う岡田に下げた手で左ストレートを当てる安藤。安藤の突進をかわす岡田。安藤は右前蹴り! 2R終了間際、安藤は前進し岡田のバランスを崩していく。

3R、詰める安藤にカウンターのシングルレッグは岡田。差し上げる安藤に岡田は逆側に回して金網際でテイクダウンに成功! 背中を見せる安藤にバックに乗る岡田。立つ安藤は正対。しかしボディロックの岡田は休まず小外でテイクダウン! なおも立つ安藤。

岡田はヒジ打ちからシングルレッグでテイクダウン! バックへ。しかし安藤も立つと、またも岡田はひっこ抜くようにダブルレッグテイクダウン! ついに背中をついた安藤。岡田はリアネイキドチョーク狙い。足もかけるが残り1分。安藤は首を防御。残り10秒の拍子木に岡田はパウンドに切り替え。

ホーンに両者拳を突き上げるが……判定は[判定1-1(29-27,27-29,28-28)ドローで岡田が防衛。両者はハグしてケージを降りた。

岡田はケージのなかで「パラエストラ千葉所属、鶴屋浩の弟子、環太平洋バンタム級王者の岡田遼です。安藤達也、挑戦してきてくれてありがとう。ずっと君の格闘センスに嫉妬してました。ちゃんと勝って防衛したかったけど、彼は強いけど、彼にこのベルトはまだ早い。なぜか、彼より俺の方が修斗を愛しているから! 次は世界戦でお会いしましょう」と挨拶した。

同じバンタム級では、田丸匠が魚井フルスイングにスプリット判定勝ち、ONE出場中の世界王者・佐藤将光が1DAYトーナメント開催をアピールするなど、注目の階級となっている修斗バンタム級で、今後、岡田はどんな存在感を示すか。世界ランキング1位として「他の6人と同じ扱いにするな」とトーナメントには否定的な岡田は、佐藤が持つ王座挑戦か、佐藤がベルト返上したうえでの決定戦開催を望んでいる。

▼セミファイナル 第7試合 フェザー級 5分3R
○斎藤 裕(65.8kg/同級世界王者/パラエストラ小岩
[1R 1分17秒 KO]
×高谷裕之(65.8kg/EXFIGHTFARM) ※元DREAMフェザー級チャンピオン

7月22日の後楽園ホールのリング上から12年振りの修斗参戦を宣言した高谷裕之(EXFIGHTFARM)。当初は宇野薫、リオン武という修斗を、 ひいては日本MMAを代表するレジェンドを立て続けに破ったデュアン・ヴァン・ヘルフォートとの対戦が浮上していたが、前回のリオン武戦での怪我の為、実現不可能となってしまった。

高谷の対戦相手は誰になるのか? と暗礁に乗り上げた形となったが、そこで世界フェザー級王者の斎藤裕(パラエストラ小岩)が自ら名乗りを上げた。

2019年5月のプロ修斗30周年記念大会では初参戦となったオランダのアギー・サルダリと対戦した斎藤。ローキックを軸に下半身から揺さぶり崩していく戦法でアギーのヒザを破壊するも、フィジカル面で勝るアギーのプレッシャーを跳ね返す事が出来ず痛い黒星を喫した。

しかし、今回、高谷との対戦を決意した裏にはやはり修斗王者としての斎藤の決意とプライドが見える。本来なら10月13日のONE Championship日本大会で行われるPANCRASE(※現フェザー級王者はISAO)との対抗戦に出場していてもおかしくはない。対抗戦に出場出来ないならば修斗のリングで更に熱い戦いをするだけだ、という意思の現れだろう。

寡黙な王者というイメージの斎藤だが今回の高谷戦には並々ならぬ決意を感じずにはいられない。

一方の高谷は2003年にプロ修斗でデビューしてから16年。常に強い相手を求め、その歩みを止める事はなかったが、いよいよそのキャリアの終焉を迎える日が近づいている。

今回の参戦も「若い選手達に何かを伝えたい」との思いが強く、自身の今と、修斗の今を感じ、そして己が歩んだ道を伝え残して行く場所として修斗のリングを選んだ。

「名乗りを上げた」という世界王者・斎藤裕とのいきなりの対戦に、高谷は何を伝承するのか。1989年に後楽園ホールでプロフェッショナル修斗が旗揚げされて30年。かつてステファン・パーリングを左ハイでKOした、あの後楽園に戻って来る高谷にとっての修斗伝承とは? 高谷は「現役生活はそんなに長くないと思うので、残りの試合は一生分のフル真っ向勝負でスッコスコに暴れてやりますよw」と真っ向勝負を予告している。

その高谷を相手にこの8年間の軌跡をぶつける斎藤は、「高谷選手に対して最高のコンディション、最高のモチベーションで試合に挑みます。9/22は激闘で勝って全てを持っていく」と意気込みを語っている。

1R、ともにオーソドックス構え。詰めるのは高谷。斎藤は左ミドル。右ロー。しかしパンチの距離に入って右を突く高谷。

しかし斎藤は右の打ち下ろしをガードの上からヒットさせると、高谷がグラつく。すぐに斎藤はラッシュ! 首相撲からヒザを突くと、高谷をパワフルに右で突き放しコンパクトに左右のラッシュ! 崩れ落ちた高谷。レファリーが間に入った。

試合後、斎藤はケージのなかでマイクを握り、「会場の応援に背中を押されました。最高の声援です。まだまだ上を目指してやっていきます!」と力強く語った。

◆斎藤
「明日は最高の高谷選手に対して最高の自分で挑みたいと思います。で、自分が勝ちます」

◆高谷
「久しぶりの修斗なんで完璧に仕上げてきました。明日はKOするのでよろしくお願いします」

齋藤、高谷、両選手計量後インタビュー

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