▼第8試合 フェザー級 5分3R
×田村一聖(65.55kg/KRAZY BEE/5位/第6代フェザー級K.O.P./12勝9敗)
[3R 3分41秒 肩固め]
○摩嶋一整(65.95kg/毛利道場/現Rebel FCフェザー級王者/12勝(10SUB,1KO)1敗)
現ランキング5位で元UFC&元PANCRASEフェザー級王者の田村一聖(KRAZY BEE)と、現Rebel FCフェザー級王者の摩嶋一整(毛利道場)が対戦
11連勝中、山口県出身の摩嶋は柔道がバックボーン。インターハイ出場経験も持つ摩嶋は毛利道場入門後、DEMOLITION、山口フリーファイト一心杯、グラジエイター等でキャリアを積み、2014年のVTJ大阪大会でジャックナイフツネを相手にスプリット判定で唯一の敗北を喫するが、その後は負けなし。2014年にはアマチュア修斗全日本選手権大会に出場、準決勝で松嶋こよみに敗れたものの3位入賞を果たしている。
その後、2015年にプロ修斗新人王決定トーナメント・ライト級で優勝、2016年9月「闘裸男19」で田中半蔵に判定勝ち。2016年12月にはBORDERで現環太平洋王者TOMAにリアネイキドチョーク(RNC)で一本勝ち(※摩嶋は2.2kg体重超過)も収めている。
2017年の修斗で星野勇二を2R右フックでKOに降すと海外にも挑戦。Kunlun Fight豪州大会でルーク・ジョーンズにRNCで一本勝ち、2018年4月に上海で行われたRebel FC 7では、ACBでも白星を挙げている強豪ホドルフォ・マルケスを相手にRNCで一本勝ちをマークしている。直近では地元・山口で開催された闘裸男22で体重超過ながら天草ストロンガー四郎にリアネイキドチョークでタップを奪うなど、3連続チョークでの一本勝ちを収めている。
堀江にKO勝ちした田村一聖vs.田中半蔵に勝利した摩嶋一整。一本勝ち率8割越え、UFC参戦を目指す摩嶋にとっては、ONEのパートナーシップが発表されたPANCRASEで、実力者との試合で結果を残しメジャー行きを狙うのか。
対する田村は一期倶楽部での空手の距離と強打、強い組み力をMMAで融合させ、2015年のPANCRASE参戦から5勝2敗。黒星は2017年3月に現PFLファイターのナザレノ・マレガリエに、2018年9月に中島太一相手に喫した2戦のみ。堀江圭功、鈴木琢仁といった上り調子の若手の大きな壁として立ちはだかっており、13勝1敗の摩嶋一整も止めるか。
1R、サウスポー構えから先にシングルレッグは摩嶋。ケージまで押し込み、左で差してテイクダウン! はーフガードから金網背に立つ田村にバックうかがう摩嶋はボディロック。
左肩を金網につける田村だが、摩嶋ははがしてバックに! しかし足は巻けず。再び立ち上がろうとするが、またも摩嶋はバック奪取! ついに足を差し入れるが、ズラす田村は前に落として正対! しかし摩嶋は大内刈でテイクダウンを奪う。3者摩嶋10-9。
2R、ダブルレッグテイクダウンで金網際で今度は早々にバックを奪った摩嶋。背後からチョークをパームトゥパームで狙うが2度極めさせない田村が腰をずらし正対! 「意地でも上を取ろう」の声に上に。頭をアゴ下につけて左足を抜いてハーフに。しかし摩嶋も手をついて金網背に立つと体を入れ替え、左で差して小外を組み合わせテイクダウン! 中腰から右ヒジを落とす。ジャッジ3者とも摩嶋10-9。
3R、摩嶋の入りに右ヒザは田村。しかし距離を作らない摩嶋はダブルレッグテイクダウン! ハーフから背中をつかせ左で枕に巻き、右で脇差しパスガード狙い。サイドを奪うとニーオンからマウントへ。
ヒジを落とすと背中をつかされた田村は抱き着いてから半身に。しかしその肩が上がったところを脇を潜った摩嶋は肩固めへ! がっちり極まり田村がタップした。
強豪の田村から一本勝ちし、12連勝をマークした摩嶋はデカゴのなかで目標を聞かれ「流れでやっているので、とりあえず決められた試合を頑張ります」と淡々と答えた。
▼第7試合 ウェルター級 3分3R
○近藤有己(76.4kg/パンクラスイズム横浜/59勝35敗9分)
[判定3-0]※30-27,29-28×2
×郷野聡寛(77.1kg/GRABAKA/36勝23敗8分)
近藤と郷野は3度目の対戦。2001年12月1日に横浜文化体育館で行われた初戦は、近藤が郷野に3R TKO勝利。2戦目は2006年12月31日に、PRIDEさいたまスーパーアリーナ大会で行われ、郷野がスプリット判定で近藤に勝利している。
2018年は郷野は2月に脇本恭平にスプリット判定勝利後、4月のRebel FC 7でブラジルのアドリアーノ・バルビイにスプリット判定負け。近藤は7月ONEでヘンゾ・グレイシーに一本負けからの再起戦となる。近藤と郷野はこれまで1勝1敗。同時代を格闘技とともに生きた両者の、長い長い戦いの最終戦の結末は?
1R、3度目の対戦はケージ。同時代を過ごした梅木レフェリーが裁く。サウスポー構えの近藤にオーソドックス構えの郷野。ガード高く詰める近藤は左ロー。郷野はケージづたいにサークリングしながら右ロー。追う近藤は左三日月蹴りも当てる。ガード低く右を狙う郷野。近藤の打ち終わりに右フック! 近藤は右の前蹴りも突く。
2R、左ローから入る近藤。左前手で前進を制しようとする郷野は右で差して組むが、近藤は離れる。郷野の左フックの飛び込みをかわす近藤。右フック、さらに左三日月蹴りで郷野を詰める。右ミドルを返す郷野だが、近藤の詰めにクリーンヒットならず。
3R、左の蹴りを上下に打ち分ける近藤。インローはローブローに。再開。右ローも前足に突く近藤。さらにインローに前足のバランス崩す郷野。郷野の右の飛び込みに左の蹴りを合わせる近藤。しかし郷野も右から左さらに右で前へ。ブロッキングする近藤は押し返す。2度目のローブロー後、近い距離から左ミドルをクリーンヒットする近藤! 試合は判定へ。
判定は3-0で距離を支配し、左の打撃を当てた近藤が勝利。右目尻から出血した近藤は深く頭を下げてデカゴンを後にした。