UFC世界フライ級新王者のジョシュア・ヴァン(ミャンマー)が1月第1週に『Bedtime MMA』のインタビューに応え、次戦について前王者アレシャンドレ・ パントージャとのダイレクトリマッチを希望。また、2位マネル・ケイプと、3位・平良達郎との対戦も「2人とも結果を出した。ファンとUFC次第」とパントージャの回復次第では受ける用意があることを明かした。
ミャンマーの山岳地帯チン州ハカの出身。2001年10月生まれの24歳で、敬虔なクリスチャンだが、母国の情勢悪化のため、10歳の時にマレーシア難民キャンプへ移住し、2013年には米国テキサス州ヒューストンへ移り住んだ。アジア人が少ない保守的な土地柄でいじめに遭い抵抗したが、叔母から『それなら皆に認められる場所で国のために戦いなさい。マニー・パッキャオのように国や民族を代表して』と言われてキックと柔術を始め、2020年にアマチュアMMAデビュー。21年にプロデビューし、22年にダニエル・ピネダ率いる4オンス・ファイトクラブでトレーニングするようになった。
22年12月にFURY FCでフライ級王座につくと、23年6月にUFCデビュー。プロファイターが集う環境に変えてわずか3年で、UFC世界フライ級王者パントージャに挑戦。蹴り足を掴んで崩した際にパントージャが左ヒジ負傷でTKO勝ち、アジア人男子初のUFC世界王者となった。
しかし、いまだ祖母が残る母国に凱旋帰国は叶わない。2021年2月、国軍がクーデターを起こして政権を掌握し、武力衝突が全国に拡大、内戦状態にあるからだ。
「みんな自国に帰ってパレードをしたりするだろ? 内戦で俺はそうすることが出来ない。でも、アメリカのインディアナ州に住んでいる10万~20万人くらいのミャンマー人(ビルマ人)コミュニティが、俺のためにパレードをしてくれたんだ。彼らが祝ってくれたのは本当に恵まれていると感じたよ。自分のルーツのみんなが支えてくれているのを見るのは最高だった」と、米国で掴んだ栄光を語る。
インディアナ・チン・コミュニティ(CCI)が、全米チン・バプテスト教会(CBCUSA)および北米チン青年組織と協力して、祝賀イベントは行われた。
「次の防衛戦が終わる頃には、状況が良くなって故郷に帰り、ミャンマーの人々に恩返しができることを願っている」──ヴァンは王者として、民衆の力となることを願っている。
年に最低3回、できれば4回は戦いたい。最も活動的なチャンピオンになりたいんだ
──UFC王者になってからの生活は?
「生活は最高だよ。でも、正直すべて今まで通りだ。何も変わっちゃいない。同じ生活、同じ仲間に囲まれている。すべてをそのままに保つようにしているんだ」
──より「有名人」になった感覚は?
「そうだな……より有名になったとは言わないかな。まだそんなに出歩いたりしてないから。でも、移動は間違いなく増えたし、忙しくもなった。でもさっき言った通り、周りの仲間を同じに保っていれば、移動が増えるとかそういうこと以外、何も変わらないんだ」
──24歳、史上2番目に若いUFCチャンピオンっていうのはどんな気分ですか。
「最高だよ。ただ、ジョン・ジョーンズの記録(23歳8カ月=最年少王座獲得記録)を抜けたらもっと良かったんだけどな。 あの(過去の)負けが足を引っ張ったというか……でも、すべては理由があって起こることさ」
──パントージャ戦の勝利後のセレブレーションに対しては、少し批判的な意見もあったけど、気になった?
「俺を叩いてる連中に聞きたいね。『お前らがタイトルを獲ったら、祝わないのか?』って。俺はただ、自分の夢を実現したんだ。あの瞬間、その場に夢中だっただけさ。だから外野が何を言おうが知ったこっちゃない。次の試合までには、みんな俺を大好きになってるよ。ファンなんてそんなもんだ。ある日は愛して、次の日は憎む。しっかり稼いで家族を養えている限り、人生は上等だよ」
──2月21日に、あなたの地元ヒューストンで大会がありますが、どうやら試合は組まれないようですね。次はいつ頃戻ってこれそうでしょうか。パントージャの怪我はそこまで深刻ではないようですし、彼を待つのか? それともすぐにでもマネル・ケイプや平良達郎とやるのか?
「俺が望んでいる目標は、パントージャとの再戦だ。もし彼がしっかり回復して万全ならな。でももし無理なら、あのマネル・ケイプのクソ野郎でもいいぜ。いつでもやってやる」
──ケイプのことは本当に嫌いなんですね。もし飛行機に乗っていて、隣の席に座らなきゃいけないとしたら、チャールズ・ジョンソンとマネル・ケイプ、どちらが最悪ですか。
「ハハハ。いや、二人とも大好きだよ。そんな風に怖がらせるようなことはしないさ。ケージの中に閉じ込められたら別の話だけど、公の場で会うなら何でもない、普通さ」
──次の挑戦者として、平良達郎とマネル・ケイプ、どちらがふさわしいと思いますか。
「それは俺が決めることじゃない。二人とも結果を出した。マネルはロイヴァルをKOしたし、平良はこの階級で最高の選手の一人であるモレノを倒した。だからファンとUFC次第だ。それに、以前のチャンピオンが戻ってくるなんて噂もあるしな。どうなるか見てみよう」
──選択肢はたくさんありますね。パントージャとの試合前、あなたは彼を「フライ級のGOAT」と言っていた。でも「デメトリアス・ジョンソン(DJ)はどうした?」って反論する声も多かった。今でもパントージャがGOATだと思いますか?
「いや、今は俺がGOATだ(笑)。冗談だよ。でも、俺にとってはまだパントージャがGOATだ。というのも、俺はデメトリアス・ジョンソンの試合をあまり見たことがないんだ。ONEでブラジル人(アドリアーノ・モラエス)をKOしてるハイライトは見たけど、それくらいだ。だから俺の中ではパントージャが一番なんだ」
──格闘技を始めた頃、憧れていた選手は?
「俺をMMAに引き込んだのは、コナー(マクレガー)だ。彼がフロイド・メイウェザーと戦った時、『このクレイジーな白人は誰だ? めちゃくちゃなこと言ってるな』って興味を持った。そこからUFCやMMAを知ったんだ。で、トレーニングを始めてからはピョートル・ヤンを見るようになった。彼のファイトスタイルが大好きでね。俺もボクシングをベースにしてるからスタイルが似てるし、彼のことはかなり研究している。主にその二人だ」
──さらに強力な蹴りが加わるわけですね。いつか階級を上げてそのピョートル・ヤンとも戦ってみたい?
「今はまず自分のベルトを防衛し続けたい。ベルトを獲った途端にみんなすぐ階級を上げたがるだろ? 俺はまず自分の階級を掃除(クリーン)したいんだ。その後で、将来的に上げるかどうかを決めるよ」
──あなたは若くてすごく活動的だ。年に4回くらい戦ってる。今後2、3年で11回や12回の王座防衛記録に届くと思いますか。
「年に最低3回、できれば4回は戦いたい。1年間にできるタイトルマッチの限界がそれくらいだろ? 最も活動的なチャンピオンになりたいんだ」







