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【PANCRASE】タジキスタンのサルドロフが平田を肩から落としてパウンド、カーライルが村山の払い腰切り返してTKO、岡田が石田にリベンジ、平が新鋭・畑を組み伏せる、グレコ全日本準優勝・松井がチェルバエフを完封、張が斎藤に判定勝ち、宮城、嶺がTKO勝ち

2025/09/23 17:09

グレコ全日本選手権準優勝・松井涼がONE FF1勝1敗のチェルバエフを完封し、4連勝

▼バンタム級 5分3R
〇松井 涼(EXFIGHT×FIGHTFARM)4勝 61.45kg
[判定3-0] ※29-27×3

×アンドレイ・チェルバエフ(Team Tiger Muaythai/ロシア)4勝3敗 61.2kg

 松井は、専修大学レスリング部出身、2017年天皇杯全日本選手権グレコ63キロ級準優勝。プロデビューから3連勝中で、24年8月に佐々木健吾に判定勝ち後、25年3月の横浜大会では、千種純平を驚異的なフィジカルとレスリング力で圧倒し、判定勝ちした。

 6月にはPOUNDOUTに参戦し、武田勇輝を2R 肩固めに極めている。その松井が、プロ4戦目にして早くも国際戦に挑む。

 対するは、ONEで1勝1敗の戦績を持つロシアのチェルバエフ。名門・タイガームエタイから送り込まれる実力者であり、ボクサーとしての一面も持つ強豪。タイでのSpartacus MMA、Fairtex Fightでの3連勝を経て、23年5月のONE Friday Fights 18でインドのマンサン・レインに判定勝ち。同年8月のONE Friday Fights 29でモンゴルのチャヤン・オールジャクに2R TKO負け。その後、バリ開催のHW Sport Nightでボクシングで1勝1敗となっている。

 デジタルアーティストという異色の顔も持つ多才な松井が、この刺客をどう迎え撃つのか。バンタム級戦線に新たな旋風を巻き起こす可能性を秘めた両者による一戦。

松井「明日は楽しみです。見に来てください。よろしくお願いします」

チェルバエフ「皆さん、こんにちは。大きな試合で、私が何ができるか見せる」

 1R、ダブルレッグ1発でテイクダウンの松井。ハーフから亀になって立とうとするチェルバエフ。サイドバックから後方に崩してパウンド連打!

 左で片ヒザ立ちのチェルバエフに片足を束ねて右の細かいパウンド。正対して下になるチェルバエフの腰を左で抱いて、右のパウンド。そのまま抑え込んでパウンドでゴング。3者10-9で松井支持。

 2R、チェルバエフのパンチに合わせてシングルレッグテイクダウンの松井。片ヒザ立ちのチェルバエフに松井が反則のヒザを頭部に打ち、中断。再開。

 頭部へのダメージ回復時間ながら、正座し腕を伸ばしストレッチしながら回復を待つチェルバエフ。松井にイエローカード。減点1。

 再開。中央を獲り細かいステップの松井は左ジャブ。さらに走り込んでダブルレッグテイクダウン。ハーフからニーシールドのチェルバエフに、松井は足をさばき肩固め、内側を向くチェルバエフは腹にパンチ。肩固めを解いた松井はハーフからトップをキープし、右で腰を抱いて左でパウンド。左ヒジ連打。減点1があり、3者9-9。

 3R、インカーフのチェルバエフ。右ローに合わせて松井はダブルレッグテイクダウン! 右で腰を抱き、左でケージに頭を押し込み左ヒジ。

 サイドから左ヒジを押し込み、チェルバエフのケージウォークをさせずにしっかり抑え込みながらパウンド。マウントにハーフに戻すチェルバエフのだが、右ヒジを被弾。ホーン。

 判定3-0(29-27×3)で松井が危なげなくテイクダウンからパウンドで判定勝ちした。

◆松井涼「足を取ったらテイクダウンやり切る。相手に打つ隙を作らせない」(試合前)

松井(会見コメント)「チェルバエフとの試合がすごい楽しみです。“ついに来たな、待ってました”という感じです。(国際戦は)もっと先になるのかなと思ってたら意外と早く来て、しかもすごく強そうというか、打撃を武器にフィジカルも強いですし、すごく良い選手が来たなと。僕のレスリング力とテイクダウン能力と相手の打撃、どっちが強いか、面白い試合になるんじゃないかなと思ってます。僕自身、楽しみです。

(ランク外の選手との対戦相手だが)僕は、ランキングがどうとかはあんまり思わなかったです。ただただ、チャンスがもらえたなという風に思っていて、勝てばしっかりランキングに食い込めるものだと思っているので、今回の試合はシンプルにチャンスがもらえたなんじゃないかと考えています。僕は世界で戦っていくことしか考えていないので、そのための一戦だと思っています。今どれだけ実力が通用するのか、どんな展開で勝っていけるのかというのを見るいい機会なんじゃないかなと。なので、ビビってもいないし、もちろん勝つつもりですし。その中で、僕の強みのレスリングがどれだけ生きてくるのかなっていうのを測る機会なんじゃないかって考えています。

(3戦3勝で)一戦一戦、やれることが増えてるというのは自分の中で感じていて、1戦目でできなかったことが2戦目で使えるようになってたり、同じように2戦目で使えるようになっていたり……着実というか、ちゃんと練習して来たことが試合の中で出てる、出せるようになっていると感じています。

 今回の試合も『やるべきことをやり続けること』。もちろん相手の流れに乗っちゃダメだし、自分の流れを常に作って、やるべきこと、練習して来たことだけを考えて5分3Rやり続ける。その中に極めだったりKOだったりっていうのがついてくるものだと思ってるんで、ただただ淡々とやり続ける、それだけを意識しています。

(勝負のキーは)僕のレスリングの技術だったりテイクダウンの能力だったりが、どれだけ相手のフィジカルに通用するのか。最初にうまくいっても後半でうまくいかなくなっちゃったりとかしたらダメですし。とにかく最後までやり切る、本当にこれに尽きると思います。足を取ったらテイクダウンやり切るっていう。相手は打撃なので、パンチを打たせない、打つ隙を作らせない。動き続ける。もうそれだけだと思ってます」

◆チェルバエフ「早い段階でフィニッシュしたい」

チェルバエフ「ここまで4勝2敗っていうのはプロのMMAファイターになってからの戦績で、自分はプロになったのがちょっと遅くて27歳でした。でも、それまではアマチュアでずっと戦っていたので、そこでの経験がたくさんあるので、特にこのプロ戦績に関しては気にはしていません。

(ボクサーとしての戦績もあるが)ボクシングで戦うことも多いですけれども、子供の頃からパンクラチオンや散打などの様々な格闘技をやってきていますし、今も技術がいろんな面で向上していると思います。なので、新しいファイティングスタイルを常に開拓している感じです。

(松井のレスリングについて)今までに様々なスタイルの相手と戦ってきているし、松井のスタイルを見ても、自分の方がどの局面でも上だと思っているので、しっかりオールラウンドで戦っていけたらいいのかなと思っています。

(タイガームエタイにはコロナ禍の)2021年頃に、どこかでファイトキャンプができればいいなと思ってタイに移住した。その後、タイガームエタイの方から『ぜひジムに所属して、ジムの代表として選手になりませんか』ということだったので所属をしました。

 21年あたりにタイに移住して、今もう3年ぐらいタイガームエンタイで練習しています。(山口怜臣は)とてもよくしてくれています。すごくいいやつだなと思っています。一緒にスパーリングをしたりもしています。彼ともスパーリングするし、もちろんほかのタイガームエタイのピョートル・ヤンなどのレベルの高い選手ともスパーもしています。

 タイガームエータイで練習を始めてから、非常に速いスピードで技術が向上したと思います。それは様々なスタイルの選手と練習ができたから。そしていろんな技術をミックスさせて、MMAの形を作っていけていける。自分はストライカーとして、打撃を軸として戦っていきたいというのがあって。特に観客の方が喜んでくれるようなスタイルで戦っていけるように、自己を持っていたいと思っています。

(どう松井をフィニッシュしたい?)早い段階でフィニッシュするというのが自分の目標です。

 皆さんこんにちは。日本に来れて非常に嬉しいです。日本、東京という場所が非常に美しくて素晴らしいと思います。9月23日は皆さんを絶対楽しませるので、試合を見に来てください。よろしくお願いします」

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