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2025年3月23日(日)東京・ニューピアホールにて夜大会『DEEP JEWELS 48』(U-NEXT配信)が開催された(※昼大会『DEEP TOKYO IMPACT』リポート)。
▼DEEP JEWELS 49kg以下 5分3R
×浜崎朱加(AACC)48.85kg
[1R 2分28秒 リアネイキドチョーク]
〇須田萌里(SCORPION GYM)48.40kg
柔道ベースの浜崎は、初代・第3代RIZIN女子スーパーアトム級王者。元Invicta FC世界アトム級王者。元JEWELSストロー級王者。DEEP参戦は、2014年12月の『DEEP DREAM IMPACT 2014 〜大晦日SPECIAL〜』でV.V Meiに判定勝ちして以来、10年3カ月ぶり。JEWELSには2014年8月のスギロック戦のTKO勝ち以来となる。
浜崎は、2018年大みそかの『RIZIN.14』の初代RIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦で、浅倉カンナを腕十字に極めてRIZIN王座を獲得したが、2019年大みそかにハム・ソヒにスプリット判定負けで王座陥落。2021年3月にハム・ソヒが返上した王座を巡り、浅倉と再戦。スプリット判定で王座についた。
2022年4月の『RIZIN.35』で伊澤星花の挑戦を受け、判定負けで王座陥落。2022年7月『RIZIN.37』でジェシカ・アギラーに判定勝ちで再起を飾るも、2022年9月の『RIZIN.38』でパク・シウの右ミドルで左腕を骨折。判定負け。
2024年11月の『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』で、約2年2カ月ぶり復帰。シン・ユリを2R 得意のキムラロックに極めて再起を遂げている。42歳。
20歳の須田は、MMA12勝6敗。元MMAファイターの父の影響で小学校5年生の時にブラジリアン柔術を始める。2018年全日本キッズ柔術選手権で優勝すると、2024年の第24回全日本ブラジリアン柔術選手権女子アダルト紫帯ライトフェザー級優勝など数々の大会でメダルを獲得。
2020年からMMAも並行して練習し、20年10月のJEWELSでプロデビュー。同じく柔術家の村上彩、佐々木萌に負けを喫したが、その後は坂本美香、永尾音羽、青野ひかるらから勝利を収め5連勝。
22年5月のJEWELSで大島沙緒里の持つアトム級のベルトに挑んたが、AACCの大島に一本を獲られ王座戴冠まらず。22年7月にはRIZIN初参戦でにっせーから腕十字で一本を奪い、RIZIN初勝利を収めた。その後、村上彩との再戦でリベンジ、AACCの本野美樹には判定負けも、桐生祐子に一本勝ち。2023年5月にパク・ジョンウンに初回TKO負け後、ケイト・ロータスに判定勝ち、彩綺に一本勝ちで連勝。
2024年は1月に韓国で悪夢のグローブ掴みがあった『BLACK COMBAT 10』でパク・シユンに判定負けも、9月のDEEP OSAKAで韓国イ・イェジに1R 腕十字で一本勝ち。さらに12月の前戦では上瀬あかりに2R 腕十字で一本勝ち。現在2連勝中だ。
ともにグラップリングがベースになるが、近年はスタンドでペースを握ることで組みに持ち込んでおり、浜崎はボクシングの強化、須田は蹴りが立ち技で活きている。立って組んで投げればポジションは浜崎。しかし須田にはガードからの仕掛けもある。地力でも経験でも勝る浜崎に対し、柔術ベースの須田はいかに浜崎の形を作らせずに戦うか。スタンドから組みの際がキーとなるケージでの極め技師同士の一戦だ。
48.40kgで計量した須田は「試合決まってからこの1カ月間、すごく楽しみにしていて、この日がすごく待ち遠しかったです。明日はいつもお世話になってる方に勝って恩返しができるよう頑張りたいと思います。明日は全力で倒しに行きます。応援よろしくお願いします」とコメント。
48.85kgの浜崎は、「JEWELSには、10年ぶりの参戦ということで、ここでメインをやらせてもらうからには、しっかり一本できるようで仕留めて勝ちたいと思います」と意気込みを語っている。
浜崎朱加「若い須田選手を全力で迎え撃ちたい」
「怪我から2年2カ月ぶりの復帰戦だったRIZINでの試合はなんかずっとふわふわしてていて、その前の試合中の感覚とは違って、やっぱり試合がこんなに途絶えたのは初めてだったので、感覚としてはあまり良くない。いい内容ではなかったので。試合間隔が空いたことで、試合勘が鈍ってたのかなって感じました。
試合のスイッチは入っていたんですが、重心が浮くというより、夢みたいで変な感じだったんです。ずっとふわふわしてました。それでも最後に形になれば、(手首を)掴めるチャンスがあれば、っていう感じで思ってたので極められたのは良かったです。
前回、そのRIZINでの試合でちょっと試合勘が鈍っていたのを感じたんで、ちょっと佐伯代表にお願いして出してもらえないかと。佐伯さんも快く、RIZINさんも快く送り出してくれたのでありがたいと思っています。
(対戦相手の須田の試合は)セコンドできた時は見るんですけど、その時は出てなかったんで、多分あんまり見たことなかったんです。新たに見返して柔術、というか、寝技に関してはやっぱり幼い頃から試合に出てやられてたんで形に入るのも上手い。
私、結構柔術家って苦手なタイプなんで、また一つ、ここをしっかり勝って越えれば、自分のまた自信につながるかなっていうのがあります。
(須田は)腕十字、本当に得意ですよね。でも、十字もそうですが、これまで私は一本負けしたことはないので。これまで柔道時代の貯金でやってたところがあって、自分の得意分野ばかりで戦ってきてたんで、MMAではまだ知らないことが多いから。まだまだ吸収できるなっていうのは、本当もう最近になってまた感じております。この試合を機に、あまり間隔を開けずに、バンバン試合がしたいです。
須田選手は、すごく若い選手で、全力で潰しに来ると思うんですけど、それに負けずにしっかり私も頑張りたいと。全力で迎え撃ちたいなと思います」
須田「寝技で圧倒できるような試合をしたい」
「(今回の浜崎戦が決まって)すごい有名な選手と試合できてすごい嬉しかったです。気後れすることもなく、本当にずっとやりたかった相手なんで、試合ができて嬉しいです。
練習はもともとコツコツずっとやってたんで変わらずに、さらに練習量を増やして、もう気持ちも一番かけてやってきましたね。
(リストをコントロールしてくる浜崎の組み手に対しては)お父さん(元MMAファイターで柔術黒帯の智行氏)とも対策を練ってきました。
ここまで2試合連続一本勝ちの腕十字も、今まで通り腕十字は得意なんで。普通にいつも通りのことをやっただけです。
すごい大きなチャンスを急にいただいたんで、自分がこれから上に上がっていくためには、その壁、チャンスを掴み取らないといけないなってすごい思ってますね。
フルラウンド全部やりきるだけの練習もしてきました。関西では、週1回プロの女子ファイターが練習で集まっていてストライカーから、グラップラーまで打撃あり、寝技ありとさまざまなタイプが集まっています。
もちろん打撃もしっかり練習していますが、今回は自分の得意な寝技を活かして。寝技で圧倒できるような試合をしたいと思っています」
1R、サウスポーの浜崎に須田はオーソ。パンチを出していく浜崎。須田の前蹴りをキャッチしてテイクダウン。
下の須田は潜り足関節狙いのトランジッションから背中見せて立った浜崎を追って、払い腰を狙う浜崎に密着してボディロックテイクダウン。トップから足を越えてバック奪い、リアネイキドチョークで浜崎を失神させた。
浜崎をリアネイキドチョークで極めた須田は「毎日試合まで楽しくて待ち遠しかったです。浜崎さんがいたからここまで出来ました。『超DEEP JEWELS』になれましたかね」と語った。
試合後、須田は「応援ありがとうございました。ほんとうに試合が決まってから1カ月間、毎日、しんどい練習をしてきたんですけど、ほんとうにそれが楽しくて楽しくて早く試合がしたくて、この日が待ち遠しかったです。浜崎選手、対戦していただき、ありがとうございました。浜崎選手がいたからここまで一生懸命、頑張って今日まで来れました。最初、あきぴさんが言っていたように『超JEWELS』になりましたかね?(笑)こんな素晴らしい大会でメインをやらせていただき、ありがとうございました」と語った。