2025年3月29日(日本時間30日)メキシコ・メキシコシティのArena CDMXにて『UFC Fight Night: Moreno vs. Erceg』(U-NEXT配信/UFC Fight Pass配信)が開催された。
【写真】9月13日(日本時間14日)UFC史上初めてメキシコの独立記念日をメキシコで祝う一大イベント『UFC320:ノーチェUFC』がメキシコアレナ・グアダラハラで開催されることも発表。
メインイベントでは、フライ級2位のブランドン・モレノ(メキシコ・22勝8敗2分)と、フライ級8位のスティーブ・エルセグ(豪州・12勝3敗)が対戦。
▼フライ級 5分5R〇ブランドン・モレノ(メキシコ)23勝8敗(UFC11勝5敗)[判定3-0] ※49-46×3×スティーブ・エルセグ(豪州)12勝4敗(UFC3勝3敗)
2024年2月以来のメキシコ大会のメインは2024年大会と同じく地元のブランドン・モレノが務める。対戦相手は王者パントージャに挑戦経験を持つ豪州のスティーブ・エルセグとなった。
元王者モレノは2024年のメキシコ大会のメインでブランドン・ロイバルにスプリット判定負け。休養後、2024年11月に復帰し、アミル・アルバジを判定で圧倒して勝利。
エルセグは、2024年5月のブラジル大会でタイトルマッチに抜擢され、パントージャ相手に5Rフルの熱戦の末に判定負け。2024年8月にUFC305豪州大会でカイ・カラフランスに1R KO負けを喫した。
王者が誕生し、UFC PIが新設されるなど、MMAが大きく成長しているメキシコで、ホームのモレノと対戦するエルセグ。本誌のインタビューでは、2戦前のパントージャ、前戦のカラフランスとの戦いを通じて、王者の強さ、自身の課題を語り、モレノ戦のポイントを間合いだと語った。そして同じパントージャと戦った朝倉海を高く評価している。
1R、ともにオーソドックス構え。左オーバーハンドを見せるモレノは左ロングフックをガード上に叩く。上体を立てる懐深いエルセグに対し、前傾姿勢のモレノは左の攻撃を上下に突いて、中央を取る。
右オーバーハンドでガード上からエルセグのバランスを崩すモレノ! さらに左ボディストレートから右と対角線攻撃。エルセグは左ジャブから。モレノは左ボディから右オーバーハンドと左右に散らす。エルセグは近づいて左アッパー。ワンツーの右を届かせる。
左ミドルのモレノ。左ロングフック、右オーバーハンドも。初回はモレノのラウンド。
2R、左ボディストレートのモレノ。エルセグはオーソから左ハイをガード上に突く。モレノは右オーバーハンドで押し戻して中央を取ると、左フック。ここはステップバックでかわしたエルセグが右テンカオ! ブロッキングのモレノは左インロー。左フック。
ステップインしてのワンツーの右を当てたエルセグ! しかしモレノもすぐに左から右を返す。左ジャブのエルセグは、モレノの左フックが見えて来たか。右ストレートを強振するがモレノはかわす。
ヒザを触るフェイントのモレノに、右アッパーを狙うエルセグ。モレノは左ロングフック! スウェイバックのエルセグは打ち返しに。ホーン。互いに当てた拮抗したラウンドに。
3R、右をジャブ的に伸ばすモレノは左フック。かわしたエルセグにモレノは右ボディストレート。間合いをキープするエルセグに、左ハイをガード上に当てるモレノは左インローも。しかいsエルセグも左ジャブのトリプルをガード上に突く。
左ジャブを連打し、右に回るエルセグ。モレノの飛び込みをかわして左を突くエルセグ。さらに右ヒザ。ガード固めブロッキングのモレノに左前蹴り。モレノは左インロー。ワンツーで詰めるエルセグにガードのモレノが詰めると、エルセグは左右サークリングから右ヒザを突いてホーン。エルセグのラウンドか。
4R、先に左ジャブで牽制するエルセグ。モレノはボディストレート。さらに大きな左右のフックもブロッキングのエルセグ。ボディ打ちから顔面を狙うモレノを、予告通りステップバックではなく角度をつけてかわすエルセグ。
モレノの右オーバーハンドからの左をかわすと、左前蹴り。詰めるのはモレノ。ジャブから右で押し戻すエルセグだが、互いに慎重に。左右で詰めるモレノにかわしてカウンターを狙うエルセグも届かない。右ハイをガード上に当てるエルセグ。左前蹴りは空振り。
左フックで詰めるモレノをかわすエルセグの左の蹴りに左フックを狙いモレノ。詰めるとシングルレッグに。差し上げるエルセグに脇を潜りボディロックすると、エルセグは前転してガード。そこにモレノが右パウンドを打ち込みホーン。拮抗したラウンドもモレノか。
5R、右を放つエルセグに右オーバーハンドをガード上に当てるモレノ。エルセグは左ハイから右ジャブ。中央を取るモレノに右のカウンターを狙うエルセグはジャブ。その打ち終わりにモレノが左インローを当てる。
左ボディ打ちのモレノ。エルセグも右から左。左ハイをガード上に。モレノも左ジャブのダブルから右オーバーハンド! 顔をずらしているエルセグだが被弾の印象。エルセグは左の相打ちから前に。
モレノの左の上下のフェイントに、左ハイを打ったエルセグ。その蹴り足を掴んでテイクダウンしたモレノは、エルセグの足を担いでサイドを奪い、ホーン。モレノのラウンドに。
判定は3-0(49-46×3)でモレノが勝利した。
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▼ライト級 5分3R〇マヌエル・トーレス(メキシコ)16勝3敗(UFC4勝1敗)[1R 1分45秒 TKO]×ドリュー・ドーバー(米国)27勝15敗(UFC13勝11敗)
地元のトーレスはUFC3勝1敗の30歳。3連続1Rフィニッシュ・3連続パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞も、4戦目となる2024年9月のノーチェUFCでイグナシオ・バーモンデスにKO負けした。
ドーバーはUFC13勝10敗1NCの36歳。直近の7勝をKO勝ちで、2024年7月の前戦では、4連続KO勝ち中のジェアン・シウバに3R カットでTKO負け。ともに再起戦となる。
1R、サウスポー構えのドーバー。オーソのトーレスは右ストレート、右前蹴り、右ハイ。ブロッキングのドーバーだが、トーレスのワンツーの右にダウン! 足もとにしがみつくが、鉄槌連打に動けず。レフェリーが間に入った。すぐに、ドーバーは立ち上がり、ファィティングポーズも時遅し。試合後、トーレスはダナ代表に5万ドルボーナスを希望した。
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▼フライ級 5分3R〇エドガー・チャイレス(メキシコ)12勝6敗(UFC2勝2敗1NC)[1R 2分30秒 リアネイキドチョーク]×CJ・ベルガラ(米国)12勝7敗(UFC3勝5敗)
フライ級戦。チャイレスは2023年7月に平良達郎に判定負け。ベルガラは2022年10月に平良に腕十字で一本負け。
チャイレスは、2024年9月の前戦ノーチェUFCで、鶴屋怜に判定勝ちしたジョシュア・ヴァンに判定負け。ベルガラは、2024年10月の前戦で元RIZINのラマザン・テミロフに1RKO負けで連敗中。
1R、ともに右カーフ。チャイレスは右アッパーから左ジャブ。ベルガラは右カーフ。チャイレスは左ジャブをこつこつ突いて、得意の右を狙う。
左ジャブから軌道を変えて左前手のフック! ダウンしたベルガラの立ち上がりにさらに右を当ててダウンを奪うと、立ち際にバックを奪い、右足をかけてリアネイキドチョーク。最後はネッククランク気味に極めた。
試合後、チャイレスは号泣「何よりもまず、神に感謝します。数年ほど前は手術を受けるお金もなく、何もできなかった。祖父が手術代を払うためにトラックを売ってくれ。それが僕がここにいる理由なんだ。それでね。去年はここにいた。今年はいなかった。でも今夜は天国の1列目で僕を見てくれていると思う。クッキーが大好きなんだ。それと今夜も引き続きタコスを食べるんだ」と語った。
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▼バンタム級 5分3R〇ラウル・ロザス・ジュニア(メキシコ)11勝1敗(UFC5勝1敗)※UFC4連勝[判定3-0] ※29-28×3×ヴィンス・モラレス(米国)16勝10敗(UFC3勝8敗)
メキシコのロサスJr.はUFCロースター中、最年少の20歳でUFC4勝1敗。モラレスは、2023年の大晦日にRIZINに参戦し、元谷友貴に判定勝ち。2024年9月に再契約してから2連敗中。
1R、グローブタッチ無し。ロサスJrはサウスポー構え。オーソのモラレスに遠間からシングルレッグも切るモラレス。なおも左でケージに詰めてダブルレッグからクラッチして、ケージ中央まで運んでテイクダウン!
ハーフから足を効かせるモラレスにサイドに出るロサスJrだが、モラレスは得意のギロチンスイープ狙いでハーフに戻す。
背中を見せて立とうとしたモラレスのバックにつくロサスJrだが、右足をかけさせないモラレス。左足をかけるロサスJrに、シングルレッグでレッスルアップするモラレスがトップに。がぶりからペルヴィアンネックタイを仕掛けてホーン。
2R、先に中央を取る、モラレスに押し戻すロサスJrは左オーバーハンド、右カーフ。ブロッキングのモラレスは左ジャブ、ロサスJrは右カーフも、右にはモラレスが右をかぶせる。
長い手で前足をつかんでしまうロサスJrは、シングルレッグからケージに詰めてモラレスに背中を着かせる。ケージ背に立とうとするところに左足をかけたロサスJrはシングルバックに。前に落とそうとするモラレスにバックキープのロサスJrは右手でリアネイキドチョーク狙いも防ぐモラレスは、中腰まで立ち、背中でシングルバックのロサスJrを揺り落とそうとするが、ロサスJrがバックキープでコントロールし、初回に続き取った。
3R、中央に走るモラレスが圧力。ジャブから右ストレート。ケージでサークリングするロサスJrに右ハイを突き、シングルレッグにアナコンダチョーク! 厳しい表情を見せたロサスJrだが、ずらしてトップに!
上四方からバック狙いのロサスJrに、モラレスは前転してのヒザ十字狙いも足を抜いたロサスJrが腰を抱いてバックに。前転するモラレスについていき、シングルバック。立つモラレスは正対からがぶり、アナコンダチョーク。ロサスJrは仰向けになり耐えてホーン。
判定は3-0(29-28×3)で1、2Rを取ったロサスJrが勝利、UFC4連勝をマークした。
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▼バンタム級 5分3R〇デビッド・マルティネス(メキシコ)12勝1敗(UFC1勝0敗)[1R 4分38秒 TKO]×サイモン・オリベイラ(ブラジル)18勝6敗(UFC0勝3敗
1R、サウスポー構えのオリヴェイラがオーソに戻すと右カーフのマルティネス。オリヴェイラは左ミドル、マルティネスは前足にカーフを打つ。
圧力をかけるオリヴェイラはバックフィストもかわしたマルティネスが組み。左で差して押し込み、右フックも離れる。右ローのオリヴェイラは得意の前蹴りからバックフィストの2連打もかわすマルティネスは右オーバーハンド、右ハイをガード上に。左ボデイから右フックを当てると、オリヴェイラの左ストレートをかわして右!
後退したオリヴェイラにマルティネスは左右からヒザ蹴りを当ててダウンを奪った。
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▼フライ級 5分3R〇ケビン・ボルハス(ペルー)10勝3敗(UFC1勝2敗)※体重超過[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ロナウド・ロドリゲス(メキシコ)17勝3敗(UFC2勝1敗)※ ロドリゲスが規定体重をオーバー。対戦相手のボルハスに報奨金の20%を支払う
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▼ミドル級 5分3R〇アテバ・アベガ・グーティエ(カメルーン)7勝1敗(UFC1勝0敗)[1R 3分32秒 TKO] ※左ヒザ×ホセ・アニエル・メディナ(ボリビア)11勝5敗(UFC0勝2敗)
ともにDWCS出身。22歳、UFCミドル級最年少ファイターのグーティエは、2024年9月のDWCSで内藤由良相手に2R TKO勝ち。206cmのリーチを活かし、5試合連続でKO勝ちしている。
1R、ともにオーソドックス構え。グーティエはシャープなワンツーで左ジャブをヒットし、オーソから左ハイをガード上に。さらにメディナの入りに左ヒザ。右オーバーハンドを打ち込む。笑みを浮かべたメディナだが被弾する。
左フックの飛び込みをヒットさせたグーティエは、続けて右を当ててメディナをケージに詰まらせるとワンツースリーフォーの連打から、顔面に届かせる左ヒザ!
メディナが崩れて、UFCデビュー戦のグーティエが6試合連続でKO勝ちを決めた。
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▼フェザー級 5分3R〇メルキザエル・コスタ(ブラジル)[判定3-0] ※29-28×3×クリスチャン・ロドリゲス(米国)
▼女子ストロー級 5分3R〇ルーピー・ゴディネス(メキシコ)[判定3-0] ※29-28×3×ジュリア・ポラストリ(米国)
▼ライト級 5分3R〇ハファ・ガルシア(メキシコ)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ヴィンス・ピチェウ(米国)
▼フェザー級 5分3R〇ジャマール・エマーズ(米国)[1R 4分06秒 TKO]×ガブリエル・ミランダ(ブラジル)
▼ライト級 5分3R〇マルケル・メデロス(米国)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×オースティン・ハバード(米国)