2025年3月29日(土)東京・両国国技館で開催された『RISE ELDORADO 2025』の第10試合Superfight!の-52kg契約3分3R延長1Rで、クマンドーイ・ペッティンディーアカデミー(タイ/ペッティンディーアカデミー)を2R2分38秒、左フックでKOした那須川龍心(TEAM TEPPEN)が試合後インタビューに答えた。
「ここ最近の戦績は出来すぎているなと自分でも思います」と、自分でもこの快進撃は信じられないとする那須川。
クマンドーイについては「物凄くでっかいものだと思っていたので、やりながら“こんなもんか”と思えたのが良かったですし、天心に昨日の夜に電話で『相手のことを大きく見すぎず、けれどナメすぎず』って言われて。そこがしっかりと出来たので良かったですね。
最初に回転蹴りを打ってきた時に“おおおっ”て感じでしたけれど、ペースを握ろうとしてるんだなっていうのがあったので。でも、そういうのもやってくるのは分かっていたので、そんな驚きはしなかったすね」と、全てが想定内だったとする。
「2パターン以上考えてましたけれど、向こうがちゃんとキックボクシングをしてくれるパターンとムエタイに徹するパターンっていうのはいろいろ考えていて。そこでどっちをやろうとしているのかなって、中途半端な感じで相手がやってくれたので、そこに付け入る隙がありましたよね」と、クマンドーイがどっちつかずだったところに隙があったという。
自分から打ち合いを仕掛けたことには「なんか不思議と怖くなかったんですよ。見えてはいたので、そこに合わせようって考えでした。打ってこい、と。そこを避けて外したり、そこに同時に合わせたりって感じでしたね。今までは遠い距離でやっていたんですけれど、ずっと前から近距離も出来るようにと思って近距離の練習もしていたので、それが自然に出たって感じですね」と、パンチがほとんど見えて自信を持って迎え撃てたとする。
1度目のダウンを奪った右フックは「相手がフックよりも真っ直ぐ打ってくれたので、そこで頭を1個ずらして被せて打つっていうのは意識してて。それをアップの時に会長に言われたんですよ。これも入るからやってみ、みたいな。これもいいぞ、みたいな。で、それを思い出してやってみたら本当に入っちゃったじゃんっていう感じです」と、父である那須川弘幸会長に言われたもの。
「1回目のダウンを取った時に、盛り上がり方的に俺の勝ちを信じてる人はそんなにいないんだろうなって。とりあえず頑張ってくれとか、勝っても判定だろうなっていう予想じゃないですか。そこをいい意味で裏切れたんで、やったっしょっていう感じですよね」と、場内の反応から自分が勝つとはあまり思われていなかったことを感じ取った、と苦笑も。
「2回目は、本当は多分ダウンではないと思うんですけれど。最初のダメージが効いていて足がおぼつかなくて倒れたって感じで。ラストのKO のヤツは多分今まで打ってた蓄積が溜まって効いて倒れたって感じだと思いますね」と、クマンドーイはかなりダメージを負っていたのではないかとした。
試合後に感情を爆発させていたことを聞かれると「爆発しちゃいましたね。今回、試合をやるまでの過程で自分の中で納得できたスパーリングだったり、練習は凄くいい環境で追い込めたんですけれど、そういうのがあんまり出来てなくて。動きはいいけれど、何か足りないっていう感じだったんですよ。そこもあって凄い不安で、負けたらどうしようっていろいろ考えていて。そうしたら試合前の煽りVで『試合前に負けること考えるバカがいるかよ』って自分が言ってたので、自分に喝を入れられたっていうか。ああそうだ、これを忘れちゃいけないって凄い良かったですね。自分にビンタされましたね。自分にガッデムされました(笑)」と、自分の言葉で不安が打ち消されたと笑う。
実は試合前に泣いていた、という裏話も。「なんか練習もだし、不安が出ちゃいましたね。だから自分にビンタされたっていう感覚で、そこで覚悟が決まったので良かったですけれど」と不安で泣いてしまったと明かし、試合後も泣いていたと指摘されると「いや、試合後はもうしょうがないです。あれは誰でも泣いちゃいます。しょうがないです。達成感もだし、どうだ見たかみたいなって感じでした」と一気に解放されて泣いてしまったと語った。