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【ONE】青木真也、マイキー・ムスメシの「アオキロック」に一本負けで「ONE最後の試合を考えなくちゃいけない」、タン・リーがフェザー級暫定王者に。タワンチャイとディベラが判定勝ち、中国リーポンがナシューヒンをTKOで「青木と戦いたい」、手塚裕之が一本勝ちで秋山成勲を指名

2023/10/07 09:10

▼ONE無差別級 サブミッション・グラップリング 10分1R
〇マイキー・ムスメシ(米国)
[1R 3分05秒 ストレートフットロック]

×青木真也(日本)

「無差別級サブミッショングラップリング」(10分1R)で、青木真也とマイキー・ムスメシが対戦。

 日本での会見があった9月28日に、スイカを食べて食中毒で体調を崩した「ムスメシが欠場」の一報が入り、青木が出国を遅らせたものの、状況は2転3転し、試合は実施へ。しかし、前日計量&ハイドレーションテストでムスメシが3度目にパスするなど体調に不安が残る。

 青木のONEでの試合は2022年11月のサイード・イザガクマエフ戦以来、11カ月ぶり。グラップリングルールでは、2022年5月の ケイド・ルオトロ戦以来、1年半ぶりの試合となる。

 BJJ世界選手権で4連覇を誇るマイキー・ムスメシは、2022年10月にクレベル・ソウザに判定勝ちでONE世界王座を獲得。2023年1月にガントゥルム・バヤンドゥレンに判定勝ちで王座初防衛。5月にオサマ・マルワーイをリアネイキドチョークで極めて2度目の防衛。8月の前戦でジャレット・ブルックスに腕十字で一本勝ちし、3度目の防衛に成功した。

 試合前に青木コーナーに挨拶するムスメシ。表情は崩さない青木。ムスメシはコールに右手を挙げてハートマーク。青木に握手を求め、欠場騒動を謝罪する。

 1R、右足を上げて青木に持たせて下になるムスメシ。ヒザをついて座る青木にKガードからニーシールド、足を手繰りに行こうとするムスメシ。

 剥がす青木に、右足を手繰ることに成功したムスメシは、左脇に抱えてヒールフックへ。股の間に手を入て防ぐ青木。ムスメシはリバ―スデラヒーバでうつ伏せになり、ストレートフットロック=アオキロックに切り替えて、自身の二の腕で腕を組んで、ヒールフック気味に絞ってタップを奪った。

 アナトリー・マリキンと並び5回目の5万ドルボーナスを獲得し、累計25万ドルのボーナスとなったムスメシは、「先週41度の発熱をして、アメリカからきて、ここにたどりつけると思ってなかった。『出来ないです』ってONEにメッセージも送った。死にそうだと思ってたけどここに来れてとても感謝してる。だって、僕たちは、たったひとつの人生しかないから。自分は自分の大好きなことをしている人生を生きたい。自分を追い込んで挑戦すること。

 やっぱり、自分の人生において、快適ではない状態に身を置くこと、居心地の悪さというのは好きだし、障害がある状態も好きだ。自分のことを本当に疑った。この試合に勝てるかどうかっていうのが分からなかったから。この1週間ほとんど練習できなかった。午前中に1時間トレーニングしようとしてみたけど気分が悪くて。でも自分に言い聞かせた、自分がどう感じるかは関係なくて、みんなに言いたいのは、とにかく戦いたかったってこと。

 どう感じるかは関係なくて、そういう感情を無視して、自分を追い込むことで、人は成長できる。だから、ここに自分を試すためにやってきた、というのもあるし、ここに来るって言ったからには来るんだっていうこと。病気だったなんて関係ない。ここに来ると宣言したからには何がなんでも来るんだ。間違いない。戦っている時は自由だ。ただやるだけだ」と一気に語った。

 そして、フィニッシュについて、「自分が極めたポジションはアオキロックと呼ばれるもの。ヒールフックの改良型です。このポジションは青木から教わったものと言える。彼が考案したサブミッションだから。だから何かと言うと、彼は柔術のマスターであり、下の世代の競技者に影響を与えている人だということ。みんな彼の作ったポジションを実践している、シンヤはこの世界でその名を刻まれて然るべき人だ。僕は彼に、彼のムーブをした。それは師匠と弟子のようなもの。僕はシンヤの大ファンだったけれど、今はその彼が作ったポジションを自分が取る。すごいことだ。彼がここで競技をやってること自体が賞賛すべきことで、つまり40代になってもまだ競技を続けて、自分自身に挑戦を続けている、それこそチャンピオンだと思う」と青木に敬意を示した。

 続けて、今後を問われ、「自分の次の挑戦と言えば、とにかく元気になること。先週医者に言われたとおりに。土曜に『2週間はトレーニングしちゃだめだ』と言われていて、心拍が110以上にならないようにと。それから自分はここで試合をしてしまったのだから、休まないと。1週間かそこらは休まないといけないと思ってる。とにかく本当に気分が悪くて。それから、いまムエタイのトレーニングをしてる、とっても楽しい。だから練習を続けて、もっと上手くなったら、いつかMMAをここルンピニーでやりたい、それが夢。でも、とにかく、いつも、毎月でも、自分はチャレンジし続けている。自分はONEの所属選手のなかでも一番活発な選手の1人だと思う。コンスタントに自分を追い込んでる。だから次の自分のチャレンジを考えてワクワクしてる。

(5万ドルのボーナスを告げられ)ワオ、ありがとう。自分を信じてくれてありがとう、自分を大事にしてくれて。もう1度言うけど、死にかけてた。だからここに来られたことは本当に光栄で、ここにいたいって思わせてくれる。本当に好きだから。僕の試合を見てくれてたみんなも、ありがとう。僕は柔術でやり遂げたいんだ、みんなを楽しませるような試合を見せることを。つまりみんなのトイレ休憩タイムになんかしたくない。だから、みんなが楽しんでくれているといいな。みんな大好きだ。ありがとう、柔術を楽しんでくれて」と語った。

 また、試合後、バックステージでのABEMAの中継でムスメシ戦の感想を問われた青木は、「いや、船木誠勝の方が強かった。今後? 今後? このリングで厳しくなってきていることは分かっていますから、近い将来に、ONEで最後の試合をすることは考えなくちゃいけない。その相手を誰にするかも自分のなかでは決まっている。選手を辞めることはないので。ONEのトップで戦えなくなることはあると思います」と、ONEでのラストマッチが近いことを語っている(→試合後のマイキー・ムスメシ会見はこちら)。

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