MMA
インタビュー

【ONE】試合消滅危機のなか、マイキー・ムスメシと無差別級サブミッショングラップリングで対戦する青木真也「見た人の何かになるものをお互い作れたら」

2023/10/06 16:10
 2023年10月7日(土)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される『ONE FIGHT NIGHT 15: LE VS FREYMANOV』(ABEMA配信)にて、「無差別級サブミッショングラップリング」で、マイキー・ムスメシ(米国)と戦う青木真也。  日本での会見があった9月28日にONEから体調を崩した「ムスメシが欠場」の一報が入り、出国を遅らせたものの、状況は2転3転し、試合は実施へ。10月3日にバンコク入りした青木が、現地から試合前公式インタビューに答えた(※インタビューは10月4日)。 試合が無くなったところから、やっぱり試合があるってなって。感情が揺れ動かなかったわけではない ──10月3日にバンコク入りしましたが、今の心境やコンディションはいかがですか。 「昨日着いてから、30分走って、動いて確認しました。それまで飛行機の移動での疲れがあるかなと感じていたんですが、汗かいたらだいぶ調子が戻ってきた。今朝起きたら、コンディション変わらずで。あとは時差が日本とマイナス2時間で、試合の時間を考えると起きる時間が自然と2時間早くなると考えると、試合時間が朝っていうことも含めて良い状態だなと思います」 ──バンコクでの試合は……。 「2018年のエブ・ティン戦(2018年10月、リングで行われた試合でテイクダウンから肩固めで一本勝ち)以来ですね」 ──今回、対戦相手のマイキー・ムスメシの体調不良もあり、直前にバタバタとありました。その点も含めて今の心境は? 「実は2転3転して、試合が無くなったところから、やっぱり試合があるってなって。感情が揺れ動かなかったわけではない。モチベーションで言えば、やればやるようになっているので、あまり関係ないんですけど、この一連で感じた感情自体には蓋をせず、試合が終わったらその感情とも向き合いたい」 ──今回、リングでのグラップリングマッチとなりましたが、その点はどのように思っていますか。 「これは、ONE的には耳が痛い言葉だと思うんですけど。やっぱり、組むものはサークルケージでやるものなんですよ。ケージの方が外に出ないし、角(コーナー)も無いし。今回はリングということで、やりやすい方はケージですけど、それはそれで仕方ないよねという感じですよね」 ──マイキーに対する印象は? 「優れた競技者、だと思います」 引き込んで寝技ができるマイキー向けのルール  現地入りする前の公式インタビューで青木は、「僕のグラップリングのスタイルはMMAに特化したスタイルなので、今のグラップリングのスタイルとは一線を画したものだと思う。MMAとサブミッション・グラップリングの違いは、MMAは打撃があるので殴られてしまうという点。なので、(MMAでは)殴られないようなポジションを取るけれども、グラップリングは打撃が無いので、MMAには無いようなポジションがある」と、ピュアグラップリングとMMAのグラップリングとの違いを指摘。  また、2022年5月に青木がケージグラップリングで戦ったケイド・ルオトロと異なり、スタンドのレスリングをしないムスメシと、10分間をサブミッション・グラップリングで戦うことについて、「(ムスメシの)長所は柔らかくて下から多彩に攻められる点。ONEのルールはマイキーに適したルールだと思っている。いきなり寝て引き込んで下から攻めてもあまりマイナスが付かない。その意味では引き込んでしっかりと寝技ができる、というマイキー向けのルール」とした。  その上で青木は、「今回の試合では、心理戦や小手先の対策はあまりない。ちゃんとリング上でパンツ一枚で今の青木真也をぶつけるだけ。小細工してやろう、とかいう意志はない。今回の試合は、グラップリングのなかではお互いにわりと“ファイトをする”試合になると思う」と、引き込むムスメシにアタックする可能性を語っている。 納得いかないこともある。その中でも目の前に来た仕事を一生懸命やる ──体重差でいうと青木選手にアドバンテージがあると言われがちですが。 「プレッシャーを感じるのは僕ですよね。(体重が重いことで)“有利だよね”って突きつけられるというプレッシャーを感じるのは僕。ただお互いに納得してやるので、どっちが有利とか不利とかはあまり気にしないです」 ──普段のライト級での試合も大幅な減量はなく、今回も「無差別級」ですから、計量については心配ないですよね。 「僕さっき測った体重で76kg弱だったので。朝ごはん食べてそれだから。多分、ONEの尿比重ありの計量システムを一番守って、一番体現しているのは俺」 ──青木選手がこの試合を通して伝えたいことは? 「30代後半、40歳とかになってくると、仕事自体が自分タイミングで来なかったり、納得していない仕事が来たりする。それは若くてもそうかもしれないけど。納得いかないこともある。だけど、その中でも目の前に来た仕事を一生懸命やるっていうことですね」 ──先週の『ONE Fight Night 14』に関する質問ですが、同世代のエドゥアルド・フォラヤンの戦いをみて思ったことはありますか。 「やっぱり不思議なんだけど、コミュニケーション取って、フィリピンに行って一緒に過ごした時間とかもあるから、良かったねってホッとした感情とは別に、怪我がなくて良かったねという感情が出てきちゃっている。またちょっと違った感情ですよね。当然刺激にはなった上で。怪我しなくて良かったねっていうのが一番だったかな」 ──マイキー・ムスメシに対して何か言葉はありますか。 「起こったことすべてひっくるめて、リング上でもそこに向かうまでも、すべてが人に見せるものですから。見た人が何か感じてもらえて、見た人の何かになるようなものをお互い作れたら良いですね。という気持ちです」
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