グラップリング
インタビュー

【ONE】食中毒のマイキー・ムスメシが青木真也との「無差別級戦」計量を3度目でパス、尿比重の水分量不足で=10月7日(土)タイ

2023/10/06 18:10
 2023年10月7日(土)にタイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される『ONE Fight Night 15: Le vs. Freymanov』(ABEMA配信)にて、「無差別級サブミッショングラップリング」で、青木真也と対戦するマイキー・ムスメシ(米国)が、前日計量で2度の失敗。3度目の計量でハイドレーションテストをパスした。  青木真也は初回計量で167.75ポンド(76.09kg)・ハイドレーションテストを1.0040でパス。 「無差別級」ゆえ、青木より体重が軽いムスメシは、余裕でクリアと思いきや、ONE独自の尿比重(尿中の水分と水分以外の物質の割合を算出した割合)チェックで2度、基準値に満たなかった。  過度な「水抜き」を禁止するためのONE独自のシステムだが、ムスメシは初回が1.0259で失敗。2回目も1.0255でクリアできず。計量リミット残り28分ほどで、さらに水を飲んで全選手中、最後の3回目にトライ。154ポンド(69.85kg)、尿比重1.0128でパスした。  実は、9月28日にいったんONEから「ムスメシ欠場」の報が届き、対戦相手の青木はその日のタイ行きを取りやめ、出国を遅らせるなかで、状況は2転3転し、試合は実施となっていた。  ムスメシいわく、体調不良はバンコクで食べたスイカによる重篤な食中毒とのことだが、病院から退院したものの、この日のハイドレーションテストの数値を見る限り、脱水症状が続いている可能性がある。  ともあれ、計量をパスした両者の前日での体重差は6.24kg。フェイスオフではいつもより身体を大きくしたムスメシと、青木がともに眼鏡をかけてフェイスオフに臨み、青木はムスメシの掴みを確かめるかのようにがっちりと右手で握手をかわしている。  試合前の公式インタビューで、ムスメシは、「シンヤは“ナチュラル”だから本当にリスペクトしている。シンヤは後退しない。彼のゲーム全体はひたすら前へ前へで、プレッシャーをかけて畳みかけようとする。僕は彼のそういうところを尊敬している。アンチ柔術をすることなく、僕を極めに来るだろう。その方が僕にとっても楽しいからね」と、下を選択する可能性があるムスメシはその圧力を歓迎する。 「ケイド・ルオトロは170ポンド(約77.1kg)のチャンピオンで、シンヤと対戦したが極めることができなかった。自分の場合は、体重を増やして、ケイドが一本を取れなかった男と戦うことになるわけだ。シンヤはフィニッシュするのが難しい相手だから、面白い試合になると思う」 「柔よく剛を制す」を柔術で体現するという。 「試合では、柔術の真髄を見てもらえると思う。それこそ、この試合を通じて自分が見せたいことだ。それも、自分より大きな相手との試合でね。自分より大きな相手を倒すことが、柔術の象徴だから。自分ができる最も技術的な極め技を武器とし、自分より大きな男をフィニッシュするのに必要なパワーを出すために、身体を最大限に使う。これは、パズルのようなものでもあり、科学的な実験のようなものでもあるんだ。僕のサブミッションのやり方は、シンヤのような自分より大きな男を仕留めるのに十分だろうか?」  BJJ世界選手権で4連覇を誇るマイキー・ムスメシは、2022年10月にクレベル・ソウザに判定勝ちでONE世界王座を獲得。2023年1月にガントゥルム・バヤンドゥレンに判定勝ちで王座初防衛。5月にオサマ・マルワーイをリアネイキドチョークで極めて2度目の防衛。8月の前戦でジャレット・ブルックスに腕十字で一本勝ちし、3度目の防衛に成功した。 「ノーギに転向して以来、一本を取るための技術的な能力を伸ばすことに懸命に取り組んできた。2021年に初めてノーギの大会に出場したから、2年くらいノーギのトレーニングをしていることになる。道衣着用の柔術とは全然違うんだ。フィニッシュするためには、完璧な極めのメカニズムを身につけていないといけないから。青木真也という僕より大きな相手に、自分の極めのメカニズムと、それがどのくらい技術的に的確かという点が試される」  果たして、緊急入院から退院したムスメシは、青木真也を相手にどんなグラップリングを見せるか。
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