▼第11試合 秀樹 Final Match ライト級(-63kg)3分3R延長1R
×チャンヒョン・リー(韓国/RAON/第5代RISEスーパーフェザー級王者)
判定3-0 ※30-27×3
〇秀樹(新宿レフティージム/同級2位、K-1 REVOLUTION FINAL -65kg級世界王者)
長くライト級トップランカーとして活躍した秀樹が引退試合を行うこととなった。秀樹はフィジカルの強さを活かしたパワフルな打撃でRISEライト級のトップクラスに君臨。2019年2月には白鳥大珠と第5代ライト級王座決定戦を争っている(白鳥がTKO勝ち)。また、『KNOCK OUT』のスーパーライト級トーナメントでは準優勝を果たした。2020年1月、原口健飛とRISEライト級王座決定戦を争ったが、1R2分23秒、KO負けを喫して悲願だった王座獲得ならず。2021年1月には直樹とRISEライト級王座決定戦を争うも判定3-0で敗れている。そこから2連勝を飾ったが2022年4月、白鳥との再戦に臨み延長戦の末に惜敗。戦績は21勝(11KO)6敗。
最後の相手に選ばれたのは現スーパーフェザー級王者で、ライト級でも戦う“韓国の鉄拳”リー。強打を武器に数々の日本人ファイターを撃破してきた。2017年にRISEスーパーフェザー級王座を戴冠。2022年7月、約2年半ぶりに来日して暫定王者の一馬と王座統一戦を行い、ダウンを奪われるも逆転KOで初防衛に成功。10月には中村寛から2度のダウンを奪ってTKO勝ち。今年1月には常陸飛雄馬との延長戦にわたる激闘で勝利し、2度目の防衛に成功した。7月には初のオープンフィンガーグローブマッチで山口侑馬と対戦し、衝撃の一撃KO勝ちを飾っている。戦績は30勝(16KO)12敗1分。
両者は2018年2月に対戦し、この時は秀樹が判定勝ちを収めている。約5年半ぶりの再戦で秀樹はリーを返り討ちにし、有終の美を飾ることが出来るか。秀樹は妻で元WPMF世界フライ級王者いつかの歌の熱唱の後に入場した。
1R、細かいジャブで距離を測る秀樹に、詰めてワンツーのリー。すると秀樹のバックブローが当たりリーの動きが止まる。さらに秀樹がハイキック。しかしリーはそれでも詰めてボディから左フックのコンビネーション。秀樹はジャブでリーの手足を止めると入ってきたところへ左フックも当てる。後半は左ミドルも当てて秀樹が前へ出る。
2R、インローからジャブを突いて前へ来るリー。秀樹はリーの打ち終わりにフックを当てる。秀樹の左ハイがリーの首元へ当たるが、リーは構わず詰めてくる。秀樹は下がりながらの左フックも当て、詰めてくるリーと常に一定の距離を保つ。右ストレートで強引に前で出てくるリーに秀樹はハイキックからバックハンドブローも当てる。
3R、左のミドルを当てる秀樹は飛び込んでのテンカオも見せる。さらに左右のストレートでリーの顔を跳ね上げる。リーはボディからストレートを当てるが秀樹もバックブローを当てる。秀樹は左ミドルで距離を取り、近づくと完全に密着してパンチを防ぐ。さらに左ハイキックも当て攻め続ける秀樹。リーもパンチを振るが最後まで秀樹がペースを握ったままゴング。
判定は3-0で秀樹。文句なしの判定で現王者チャンヒョン・リーのリベンジを退け、キャリア最終戦で有終の美を飾った。
試合後マイクを持った秀樹は「最後、何とかRISEの上位ランカーの意地を見せられてホッとしております。仲間の力で今日勝ちました。追い込み期間中は本当に孤独との戦いで苦しい日々を過ごして今日に臨みました。それを仲間たちの力で勝利することができました。みなさんも環境を理由に一歩止まってしまうこともあるかもしれませんが、今できることは何かベストを考えて、やり尽くして乗り越えて行ってもらいたいなと思います」と語り、家族、チームメイトと共に大きな拍手に包まれながら最後のリングを降りた。