MMA
インタビュー

【UFC】川崎での合宿生活からUFC入り、前タイトルコンテンダー・シャオナンに挑む、元SEI☆ZAのタバサ・リッチ「打撃でも戦える。寝技では彼女より上」=11月23日(土)マカオ

2024/11/22 16:11
 2024年11月23日(土)、2019年上海大会以来、5年ぶりの中国開催となる『UFC Fight Night: Yan vs. Figueiredo』(マカオ ギャラクシー・アリーナ/U-NEXT配信)の前日計量が22日、同地にて行われ、メインとコメイン、『ROAD TO UFC 2024』決勝出場選手らが計量をパスした。  コメインの女子ストロー級戦では、日本のSEI☆ZAで活躍し、現在UFC2連勝中のタバサ・リッチ(ブラジル・10位)が、前戦で王者ジャン・ウェイリーに挑戦したヤン・シャオナン(中国・2位)と対戦する5分3Rが行われる。  大会を配信するU-NEXTの動画では、計量前日コメントとしてタバサが意気込みを語っている。 ▼女子ストロー級 5分3Rヤン・シャオナン(中国)18勝4敗(UFC8勝3敗)2位タバサ・リッチ(ブラジル)11勝2敗(UFC6勝2敗)10位 (C)Zuffa LLC/UFC  タバサは、UFC6勝2敗。かつて日本で合宿し、女子格闘技『SEI☆ZA』のメンバーとして、同じく現UFCのユリア・ストリアレンコらと活躍していた。  柔道・柔術をバックボーンに日本では小見川道大に師事。SEI☆ZA解散後は、LFAで3連勝し、UFC入りを決めた。オクタゴンデビュー戦では、フライ級で現2位のマノン・フィオロに完敗したが、以降は適正階級であるストロー級で戦い、6勝1敗。  2023年11月のルーピー・ゴディネス戦ではテイクダウンを切られ判定負けしたものの、2024年5月に元ランカーのティーシャ・ペニントンに判定勝ち。8月の前戦では、アンジェラ・ヒルと立ち合いでも譲らず、ノンストップの15分間を制し、判定勝ちで2連勝となっている。29歳。 (C)U-NEXT  対するシャオナンは、UFC8勝3敗。6戦連続の判定勝ち後、カーラ・エスパルザ、マリナ・ロドリゲスを相手に連敗を喫するも、マッケンジー・ダーンとの接戦を制し、ジェシカ・アンドラージに1R TKO勝ちで2連勝。2024年4月の前戦で同じ中国のジャン・ウェイリーに先に右で2度のダウンを奪うも、ウェイリーのテイクダウンからのパウンドに判定負け。王座獲得に失敗していた。今回、7カ月ぶりの再起戦となる。35歳。 この前タイトルコンテンダーに挑む“ベイビーシャーク”タバサは、どんな心境で、5分3Rの大一番に臨むのか。 [nextpage] シャオナンはタップをせず落ちるまで耐える戦士のスピリットを持つ。戦えることにワクワクしている (C)Zuffa LLC/UFC ──1位ヤン・シャオナンとのマカオでの試合までもうすぐです。 「とても大事な、大一番です。(10位の)自分がランク上を飛び越えて、この場所に立っている──つまり次にタイトル挑戦できる立ち位置にいる。だからこの機会をとても嬉しく思います。自分はいるべくしてここにいます。やっぱりシャオナンのホーム(中国)だからプレッシャーもあるけど、試合はそういうもの、対戦相手のホームで戦うこともある。でもそれで私も頑張らなきゃと、前向きな気持ちになれるから全てを出し切りたい。こういう状況は名を上げるチャンスだから」 (C)U-NEXT ──相手は右の強打で王者ウェイリーからからダウンも奪っています。 「この試合に向けては相手の動画をたくさん見て、いいゲームプランを立てられました。ここ数年、たくさん試合を積んでいて、年に3試合とかだから常にトレーニングキャンプを積んできた状況で、今回も対策練習もしてきました。彼女はスタンドの打撃が上手くてパンチは強くて重い。見ていると、グラップリング技術も向上していると思います。ただそれが私にとっては得意な部分だから、そこに好機があると思ってる。グラウンドの時間になれば、ね。同時に打撃もたくさん練習してきました。彼女が右で沢山の人をKOしてきたのを見たし、そこは私はしっかり対策してきた。私のパンチもパワーがある。だから見応えのある試合になるでしょうね」 ──打撃練習はどこで? 「素晴らしいチームでやってきて、長い間ボクシングコーチについてもらって、ムエタイコーチもいて、そのコーチたちが作戦に貢献してくれて。あとボーイフレンド(カラム・ウォルシュ)とも練習していて、プロボクサーなんだけど、だからプロのもとでボクシングや打撃全般の技術を磨いてこれました。もちろん組めたら組みたい、テイクダウンしたいけど、試合の流れ次第です。試合では何が起きてもおかしくないから」 (C)U-NEXT ──タバサ選手には組めば、柔道ベースの強い投げもあります。シャオナン選手の組み技・寝技をどうとらえていますか。 「柔道は自分にとってとても大切。私は日本で、小見川(道大)さんのもとで講道館柔道の黒帯を授かり、日本でたくさん学びました。それに父も柔道家だから、やっぱり試合に向けては柔道のドリルをしっかりやるんです。肝心なときに助けになるものだから。  シャオナン選手のグラウンド技術は、向上しているんじゃないでしょうか。他の人もみんな、いまのMMAでは全てが出来ないとダメだから。ただ現段階では、私の寝技の技術が彼女より上だと思っています、それは当然長いことやってきたから。ジャン・ウェイリー戦を見ると落としたラウンドは柔術、グラップリングの展開になっているところ。だからそのうえでシャオナン選手はとても強いと思います。とてもタフでウォリアーのような感じですよね、彼女はタップをせず一本取られる状況だと落ちるまで耐える。そういう戦士のスピリットがある、だからリスペクトしてる。私としては、ああいうプロとして規律正しい対戦相手と戦えることが光栄だからワクワクしてます!」 ──土曜日はどんな試合になるでしょう? 「とても緊張感のある試合になるでしょうね。立ち上がりはやっぱり打ち合って、お互い前に出ていくでしょう。自分としてはベストを尽くして試合のたびに成長していることを見せたいし、アンジェラ・ヒル戦では拳でやりあえることも見せられた。だから色々な展開を楽しめるはず」 ──この試合を越えての展望は? 「もちろんこの試合に勝てたらタイトルに挑みたい。2位に勝ったうえで下位の選手とやる選択肢はない。ベルトに挑む機会を掴みたい。(この試合に辿り着くまでを振り返ったうえでの今の心境は)すごくいい感じですね。落ち着いていて自信もあって。常に練習で向上しているのを感じるし、心も身体も100%、自分のやっていることをとても真剣に受け止めてる。過程も楽しいけれど、やっぱり好きでやっているからどんどん上手くなっていると思う」 (C)GONG KAKUTOGI ──いつかまた日本でも戦う姿が見られるでしょうか。 「日本は大好き。人生経験として一番最高だったと思う、出身のブラジルを除いたら一番。日本で英語も学んだし、リトアニアのユリア(・ストリアレンコ)と一緒に川崎で暮らしていて、他にもネパールから来た2人と素晴らしい日々でした。お互いに英語も話せないみんなで支えあって、私たちみんな人生が変わったと思う。それで、私を輪に加えてくれて、格闘技を学ぶ手助けをしてくれた日本の方々に感謝しています。あとは、日本食がとても恋しい(笑)。日本に行きたいです。UFCが日本やブラジルで開催されたら絶対出たい! タイトルマッチが日本になれば最高ですね。ずっと応援してくれてる、みなさんありがとうございます。ぜひ土曜はいいエネルギーを私に向けて送ってください!」
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント