キックボクシング
レポート

【GLORY】海人の王座奪取ならず、王者ベスタティが50-45×5の完勝。キックにもアゼルバイジャン旋風、ヘビー級トーナメント優勝はラジャブザデ。カッファがハイスピードバトルを制す

2023/08/20 03:08

▼第8試合 GLORY世界ライト級(-70kg)タイトルマッチ 3分5R
〇ティジャニ・ベスタティ(オランダ/王者)=69.8kg
[判定5-0] ※50-45×5
×海人(TEAM F.O.D/シュートボクシング世界スーパーウェルター級王者/挑戦者)=69.5kg
※ベスタティが4度目の防衛に成功。


 シュートボクシング(以下SB)の絶対的エースの海人は2014年2月にデビュー。2017年11月にトーナメントを制してSB日本スーパーライト級王座を獲得し、2018年11月にはS-cup2018 -65kg世界トーナメント優勝。その活躍はSB内だけに留まらず、2016年以降はRISE、RIZIN、KNOCK OUTで全勝。


 2022年6月の『THE MATCH 2022』ではK-1 WORLD GPウェルター級王者・野杁正明を延長R判定3-0で破った。12月にはGLORY世界ライト級1位ストーヤン・コプリヴレンスキーに判定2-1で勝利。2023年3月にはイ・ソンヒョンに判定勝ちでRISEミドル級王座を奪取し、6月にサモ・ペティとの再戦を制してSB世界スーパーウェルター級王座を獲得した。現在18連勝中。戦績は52勝(22KO)6敗1無効試合。


 王者ベスタティは2016年からGLORYに参戦し、 ストヤン・コプリヴレンスキー、シッティチャイ・シッソンピーノン、マラット・グリゴリアンには敗れるも高い勝率で、2021年9月には王座決定戦でエルビス・ガシを破りGLORYライト級王座に就いた。同王座は2022年5月にジョシュ・ジャンシーをKO、同年10月にコプリヴレンスキーにリベンジを果たして2度の防衛に成功。2023年3月には同時二階級制覇を狙ったGLORY世界フェザー級王者ペットパノムルンの挑戦もKOで退け、3度目の防衛に成功している。


 1R、ベスタティはジャブと前蹴りで距離をとり、海人は左ローから右カーフ。ベスタティも右カーフを返す。ベスタティの左ミドルに海人は右ローを返す。前足の蹴りを多用するベスタティは左ミドルから右ストレートを放つ。そして長いジャブから伸びる右ヒザ。海人はガードを固めて右ローを蹴る。手数が多いのはベスタティ、海人は右カーフをしっかり蹴っていく。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。


 2Rもベスタティはジャブを伸ばしつつ左へ回っていく。海人が前へ出るとバックステップで距離をとるベスタティは右フックで迎え撃つ。ジャブ、前蹴りと長い距離を保つベスタティは左ミドルを多用。海人は踏み込んでの右ロー、右カーフを蹴るが単発に終わる。ベスタティは蹴り数も多く、長いジャブで距離を制しての右アッパー。海人の左フックは空を切る。オープンスコアはまたしても10-9×5でベスタティ。


 3Rもジャブを突いていくベスタティ。軸足払いで海人をコカす。フットワークを使うベスタティは左へ回っていきながら、ジャブ、右ローで海人を大きく崩す。ロープを背負う海人だが右ストレートで前へ出る。海人の右カーフには右アッパーのベスタティ。海人はスイッチを混ぜながら右ストレートを打つが届かない。ベスタティは左の前蹴りを連打していく。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。海人は苦しい展開に。


 4Rもベスタティは左の前蹴りを多用し、左ミドルとジャブ。海人はじりじりと距離を詰めるが、ベスタティの距離を潰すことが出来ない。海人の左ローにベスタティは右ストレート。ベスタティが左右フックから左ボディとパンチを回転させる。海人の右フックは空振りに。距離を完全に支配されている海人は左ハイを蹴るが、局面を打開できない。ラウンドが終わるとベスタティは両手を上げる。オープンスコアは10-9×5でベスタティ。


 5R、海人は右ローから右ハイ、さらに右ローと攻撃を仕掛けていく。しかし、ベスタティのワンツーをもらってしまう。右ストレート、右アッパー、サイドに回っての左フックとベスタティが攻める。海人が返そうとするとバックステップでかわす。何とか距離を詰めようとする海人だがベスタティはジャブ、ステップ、回り込みでそれを許さない。海人の右カーフがヒットもベスタティは距離をとる。海人は左ボディ、右カーフもベスタティはジャブ、さらに右ストレート、左ミドル。海人は右ボディストレートを打ち返すも試合終了。ベスタティは勝利を確信して両腕を上げてアピールする。



【写真】リングサイドで無念の表情の伊藤隆RISE代表と緒形健一シュートボクシング協会代表

 5人のジャッジは全員が50-45。ベスタティが完勝で4度目の防衛に成功した。「とてもテクニカルな試合だったよ。難しい試合だった。次は誰でもいい」とベスタティは振り返った。

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