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2023年10月14日(日本時間15日)に米国ラスベガスのUFC APEXにて開催予定の『UFCファイトナイト』に平良達郎(Theパラエストラ沖縄)が出場し、UFCフライ級15位のダビッド・ドボジャーク(※追記・カード発表後、ドボジャークがランキング落ち)と対戦することを、平良のマネージメント会社イリディウム・スポーツ・エージェンシーが3日、発表した。
平良は本誌に「ドボジャーク選手との試合が決定しました。ランカーと試合ができることに感謝したいです。しっかり超えて上に行きます!」とコメントした。
UFC Fight Night
10月14日(日本時間15日)米国ラスベガス・UFC APEX
▼フライ級 5分3R
ダビッド・ドボジャーク(チェコ)※15位
平良達郎(Theパラエストラ沖縄)
平良は、MMA14戦14勝の無敗でUFC4連勝中の23歳。2018年8月に修斗でプロデビューし、2021年7月に福田龍彌を1R 三角絞めで下し修斗世界フライ級王者になると、2022年5月にUFCデビュー。
オクタゴン初戦でカルロス・カンデラリオに判定勝ちすると、10月の2戦目ではC.J.ベルガラに2R腕十字で一本勝ち。2023年2月にはヘスス・アギラーに1R 腕ひしぎ三角固めで勝利。
2023年6月に対戦予定だったクレイドソン・ホドリゲスが体重超過したため、試合を行わず、2週間後の7月8日の『UFC 290』でエドガー・チャイレスと対戦。判定勝ちでUFC4連勝をマークしている。
今回、平良が対戦する念願のランカーは、現フライ級15位のダビッド・ドボジャーク。オーソドックス構えでMMA20勝6敗、UFC3勝3敗の31歳。
10代からチェスのプレイヤーとして活躍し、格闘技のバックボーンがないまま、17歳でMMAを始めた。KSWで活躍するパトリック・ニクル率いるオールスポーツアカデミーに所属し、米国やタイでも出稽古。平良とはラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで練習をともにしたこともある。
2010年にMMAデビューし、チェコのXFN、Oktagon等で13連勝後、2020年にUFCと契約。ブルーノ・シウバ、ジョーダン・エスピノーサに判定勝ち後、フアンカミロ・ロンデロスにリアネイキドチョークで一本勝ちで、UFCデビュー3連勝をマークも、現UFCフライ級6位のマテウス・ニコラウ、9位のマネル・ケイプに判定負け。2023年6月の『UFC 289』では、14位のスティーブ・エルセグに判定負けし、3連敗を喫している。
ランキング最下位の15位ながら、初戦で現在UFC3連勝中のブルーノ・シウバに序盤に右前蹴りを効かされながらも、2Rにディープハーフからのバックテイクでトップ奪取。3Rにもバックを許しながらも正対し、首相撲ヒザを突き上げ、ガス欠したシウバに競り勝っている。
また、マネル・ケイプとの試合では、初回に金網背にボディ打ちからの左右を効かされダウンを喫するも、ケイプのバックヒジの打ち終わりにバックを奪取、3Rにも蹴りの打ち終わりに組んでおり、最後まで動き続けるタフさを見せた。
ベースはレスリングでも柔術でもキックでもなくMMAというオールラウンダーのドボジャークは、上位陣のニコラウを相手に判定負けも、序盤から圧力をかけて下がらせ、右の後ろ廻し蹴りも披露。2Rに左フックでダウンを奪われるもフィニッシュはさせず。3Rも終始圧力をかけ、ニコラウのシングルレッグ、足関節を切ってトップを奪い、上のままホーンを聞いている。
これまで6敗のうち一本負けはなく、唯一のTKO負けは2012年のGCFでのカットによるもの。試合終盤まで諦めない粘り強さと高いディフェンス能力を持つ。
Fim de primeiro round para David Dvorak e Stephen Erceg! #UFC289
— UFC Brasil (@UFCBrasil) June 10, 2023
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身長170cm、リーチ178cmの平良に対し、身長は165cmもリーチは173cmあるドボジャークは、長いリーチを活かした、絶え間ない打撃の圧力と、テイクダウンディフェンス、そしてバックテイクをどの試合でも見せている。平良とはバックポジションの奪い合いになるが、平良としては、タフなドボジャークの圧力をさばいて、テイクダウン後もしっかり押さえ込んで極めたい難敵だ。
果たして、2014年5月に水垣偉弥がフランシスコ・リベラ戦の判定勝ちで記録したUFC5連勝に、平良は8年5カ月ぶりに並ぶか。日本人として「UFCデビュー戦から負けなしの5連勝」は初となる。
UFCフライ級ランキング(※2023年9月7日 時点)
【写真】UFC世界フライ級の頂点は、堀口恭司の盟友パントージャ。堀口がBellatorで戴冠すれば、ATTに2本のベルトが揃うことに。
王者 アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)※ケイプ、ロイヴァル、ペレス、7月にモレノを下し、戴冠
1位 ブランドン・モレノ(メキシコ)※フィゲイレードと2勝1敗1分。7月にパントージャにスプリット判定負けで陥落
2位 デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)※モレノと1勝2敗1分。ケイプ戦をキャンセル、バンタム級転向?
3位 アミル・アルバジ(イラク)※UFC5連勝中。6月にカラフランスにスプリット判定勝ち
4位 ブランドン・ロイヴァル(米国)※モレノ、パントージャに敗れるも、ボントリン、シュネル、4月にニコウラにTKO勝ち
5位 カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)※UFC3連勝後、モレノにTKO負け、アルバジにスプリット判定負け。9月のケイプ戦をキャンセル
6位 マテウス・ニコラウ(ブラジル)※UFC4連勝後、4月にロイヴァルにTKO負け
7位 アレックス・ペレス(米国)※2022年7月にパントージャに一本負け、2023年3月のケイプ戦をキャンセル
8位 マット・シュネル(米国)※ス・ムダルジに一本勝ち後、ニコラウに2R TKO負け、2023年6月のドボジャーク戦はキャンセル
9位 ティム・エリオット(米国)※ニコラウに判定負け後、ウランベコフ、アルタミラノに判定勝ち。10月にモカエフと対戦
10位 マネル・ケイプ(アンゴラ)※ニコラウにスプリット判定負け後3連勝。9月にドス・サントスと対戦
11位 ムハンマド・モカエフ(英国)※UFC4連勝で10月にエリオットと対戦
12位 ス・ムダルジ(中国)※エンボーFC出身。UFC3連勝から2022年7月にシュネルと大激闘の一本負け
13位 タギル・ウランベコフ(ロシア)※2022年3月にエリオットに判定負け、11月にネイト・マネスに一本勝ち
14位 スティーブ・エルセグ(豪州)※6月にドボジャークに判定勝ち
15位 コディ・ダーデン(米国)※8月にジェイク・ハドリーに判定勝ち。
平良達郎がランキング入りを目指すフライ級では、上記のランキング以外では、15位にいたダビッド・ドボジャーク(チェコ)が、6月にエルセグに判定負け後、注目コディ・ダーデンの台頭でランク外に。そのドボジャークと日本の平良達郎が10月14日に対戦する。そのほか、平良が判定勝ちしたカーロス・カンデラリオに三角絞めで一本勝ちしたジェイク・ハドリー(英国)、そのハドリーに判定勝ちしているアラン・ナシメント(ブラジル)ら強豪が控えている。
木下憂朔、中村倫也に続き、風間敏臣も出場
◆UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie
2023年8月26日(土)シンガポール・インドアスタジアム
▼バンタム級 5分3R
風間敏臣(日本)10勝3敗(UFC0勝1敗)
ギャレット・アームフィールド(米国)キルクリフFC 8勝3敗(UFC0勝1敗)
2023年8月26日(土)にシンガポール・インドアスタジアムで開催される『UFC Fight Night: Holloway vs. Korean Zombie』にて、風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)のUFCデビュー戦が決まった。
FACバンタム級王者、ブラジリアン柔術紫帯でテコンドー黒帯というアームフィールドは、身長167cm、リーチ177.8cmの長さを活かしたオーソからの蹴りと、近距離での打ち合いではヒジも繰り出すアグレッシブファイター。
Shamrock FCでは相手の組みを差し上げてのバックテイク、トップからの組み技・寝技も見せており、柔術家ゆえに、風間のフィールドで戦う時間もありそうだ。
レスリングの展開ではデビッド・オナマにバックも許しており、米国修行を経た柔術ベースの風間のMMAの進化にも期待の一戦だ。