後半勝負にかけた紅絹が右ストレートを那須川にヒットさせる
RISE 133
2019年7月5日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント RISE QUEENアトム級(-46kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R
〇紅絹(NEXT LEVEL渋谷/元J-GIRLSミニフライ級王者)
判定3-0 ※49-48、49-48、50-48
●那須川梨々(TEAM TEPPEN/2017年KAMINARIMON全日本女子-45kg級優勝)
※紅絹が第3代王座に就く。
紅絹は2006年10月デビューのベテラン選手で、パンチを主体としたトリッキーなファイトスタイルで各団体にて活躍。2012年11月、J-GIRLSミニフライ級王者になったのを皮切りにタイトルマッチを多数経験。3月の1回戦ではNJKFミネルヴァ日本アトム級王者・百花を破り、ベテラン健在を示した。
梨々は那須川天心の妹で、兄同様ジュニアキックを経て高校生になった2018年6月にプロデビュー。いきなり元TRIBELATEピン級王者でNJKFミネルヴァ・アトム級2位の佐藤レイナを下したが、11月の2戦目で百花に初黒星を付けられた。しかし、1回戦では優勝候補と目されていた平岡琴を延長戦で振り切り、決勝進出を果たしている。
1R、サウスポーの紅絹はいつも通りにリングを大きく使って回り込む。那須川はそれを追いかける形で右ミドル、右ボディを打つ。終盤には三日月蹴りから後ろ廻し蹴り。那須川は笑みを浮かべた。
2Rは紅絹も前へ出てくる。那須川は右のハイ、ミドル、ローを蹴り分ける。紅絹もローと右フックを繰り出すが、那須川の蹴りに押される展開。終盤、紅絹が連打をヒットさせると那須川も負けじとワンツーで前へ出て紅絹を下がらせる。
3R、アグレッシブさを増す紅絹が左のパンチを当てて右の前蹴りで突き放す。この試合で初めて那須川が焦りの表情を見せる。那須川は前に出てくる紅絹へ左右ミドルを蹴り、右ストレートにつなげた。
4R、那須川は左右のミドルと左のオーバーハンド。紅絹は左ストレートを当てると左ボディを打っていくが、那須川も右を返す。お互いにパンチを狙い合い、距離が近くなってクリンチが多くなる。両者ともこれといったヒットはないが、前へ出るのは那須川。紅絹はつかんでのヒザ蹴りを連打してしまい警告を受けた。
5R、兄・天心に背中を叩かれてコーナーから出た那須川。いきなり打ち合いを挑んでいき、右ストレート、顔面前蹴りを当てる。紅絹も左ストレートで反撃。前へ出るのは那須川だが、紅絹のパンチのヒットが目立ち始める。紅絹のローにも那須川はバランスを崩して倒れ、最後は紅絹がパンチのヒットを奪って試合を終えた。
判定は3-0で紅絹の勝利。那須川は涙を流し、紅絹はその那須川を称えた。
ベルトを巻いた紅絹は「第3代RISE QUEENの紅絹です。那須川梨々は凄く強くて最初は手の内を読まれているようでした。でもセコンドにお前には根性しかないと言われて、これは根性で獲れたベルトだと思います。第2代王者・神村エリカのようなカッコいい戦い方は出来ませんが、神村エリカが巻いたベルトではなく、紅絹が巻いたベルトと言われるようにこれからもっと強い相手とやっていきたいです」と王者としての所信を表明した。