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【修斗】齋藤奨司が須藤拓真の足関節を凌ぎ打撃を入れて判定勝ち、田中半蔵がロイベに判定勝ち、齋藤翼がフェザー級で岡田達磨に一本勝ち、平良達郎がUFC4連勝に向け、修斗世界王座返上

2023/05/21 17:05
 2023年5月21日(日)昼の部の女子修斗公式戦「COLORS Produce by SHOOTO」に続き、17時30分時から東京・ニューピアホールにて『PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.3』が開催された。 『PROFESSIONAL SHOOTO 2023 Vol.3』速報 ▼メインイベント 第10試合 バンタム級 5分3R×須藤拓真(同級世界4位/X-TREME EBINA)61.1kg[判定0-3] ※28-29×3〇齋藤奨司(同級世界7位/FIGHT FARM)60.9kg また“黄金のバンタム”でヒリヒリとしたランキング戦が実現。“レッグハンター”須藤拓真と髙谷裕之直伝、“津田沼イズム継承者”齋藤奨司とのランキング戦が決定した。  須藤は2022年11月の修斗デビュー戦で数々の激闘を繰り広げてきた世界ランカー後藤丈治のヒザを得意のヒールフックで破壊。“レッグハンター”の異名通り一発で極めきる強さを見せつけた。キックボクシング戦の経験も持つファイターだ。  一方の齋藤は津田沼直系の鋭い打撃を主体とする超攻撃型ストライカー。ボクシングをベースに「格闘DREAMERS」でも活躍。  2021年6月のプロ修斗デビュー戦こそ判定負けも、以降、POUND STORMでの風間敏臣戦のKO勝ちを含め5勝1分。2023年1月の前戦では野尻定由の組みに右アッパーを合わせて1R KO勝ちを収めている。  寝技師とストライカー、まさに水と油。破壊か、KOか。やるか、やられるか。真逆と言っていいほどのファイトスタイルの両者だが、その振り切るほどの偏りが大きい二人だからこそスリリングな展開が予想される。この一戦に勝利した方が環太平洋王者・藤井伸樹と対戦することが濃厚となるだろう。 須藤「いつも通り。必殺技はある」 「減量は毎度大変ですけどなんとか終わりました。(齋藤はグラップラーを相手連勝しているが)そうみたいですね。とはいえ、練習は何か別に全く変わらず、いつも通り、ほぼほぼ柔術の練習くらいしかしてないです。毎回相手によって変える練習もしていないのでいつも通りということになります。対策もしていないですが、いつも突発的なことやってるのでどうなるか分からないですけど。 (どんな展開になる?)自分が打撃で壊されるか、足壊すか、どっちか。みんなが思っている通りの試合になると思います。(秘策も?)必殺技はあるので、見ていてください!」 齋藤「受けに回らず自分で試合を作る」 「減量はいつも通り順調でした。(今回のグラップラーvs.ストライカーのマッチアップについて)僕、グラップラーとやることが多いので、まあいつも通り。ちょっと特殊な選手ですけど、やることはひとつなので、KOします。 (足関節対策は?)足関節に特化した選手とはやっていないですけど、やることはひとつになるので、それを見てて分かるような試合になると思います。対策というより、受けに回らず自分で試合を作ります」  1R、ともにオーソドックス構え。左ローから入る指導に、左ボディストレートを突く齋藤。ダブルレッグから引き込んだ須藤は、中央に座る齋藤に左手で右足を手繰り、前方に齋藤を煽ってスイープ、足関節狙い。齋藤が中央に戻ると、三角絞めを狙う。そこで再度足を手繰り潜り足関節狙いも、ヒザは抜けている齋藤が足を抜く。須藤はシッティングガードからイマナリロールも狙うが、下の須藤に蹴りは齋藤。  2R、シングルレッグからバック狙いも後ろを向いて足を抜いて正対する齋藤に引き込む須藤。ラバーガード狙いからハーフにもぐり。齋藤は小手に巻いて凌ぐが後転しながら足を手繰った齋藤。そこでヒザは抜いている齋藤は、足を手繰ったまま須藤の頭に重いパウンド、ヒジをドスドスと鈍い音を立てて落とす。  それでもなお足を手繰りヒザ十字に足を伸ばそうとする須藤。ヒザは浅い。尻を蹴る齋藤に組み直す須藤はストレートフットロック、外ヒールへ。これは抜けると、齋藤はガードの正面に入り、手足を前に出さずステイ。ブレークに。右を振る齋藤に、須藤は胴廻し回転蹴りの要領で近づくが遠い。  3R、齋藤の左をかわして思い切って右を打ちこんでシングルレッグテイクダウンは須藤! そのまま左足を掴んで後転し、左足を極めに。右足で須藤の腹を蹴り抜こうとする齋藤に、シングルレッグからケージに押し込む須藤。その頭に鉄槌を落とす齋藤。  須藤は左足を持ち上げて自身の右ヒザの上に乗せて後転しながらサドルロックへ! 両足を組ませない齋藤だが、外ヒールフックに齋藤は表情を歪ませながらもヒザ、足首を抜いて立ち上がり! 追う須藤に背中を見せながらも走って距離を取り、スタンドへ。  右オーバーハンドの須藤に、右ローを当てる齋藤。最後は須藤が首相撲ヒザに切り替えたところでホーン。  齋藤の2Rのパウンドを含む打撃でのダメージ、足関節を仕掛け続けた須藤の3Rのニアフィニッシュの極まり具合をどうとらえるか。判定は3者29-28で齋藤を支持。MMA戦績を6勝2敗1分けとした齋藤は、「もっと上を目指します」と語り、高谷裕之、田村彰敏らと熱いハグをかわした。 [nextpage] ▼セミファイナル 第9試合 フェザー級 5分3R〇田中半蔵(日本/同級世界5位/FUN`S)65.7kg[判定3-0] ※29-28×3×ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト(ブラジル/同級世界8位/EVOLUCAO THAI)65.4kg 初来日となった今年の開幕戦で衝撃を与えたロイベ・デ・オリベイラ・ネイトが再び来襲。2023年1月には“遠州の用心棒”の異名を取るハードパンチャー加藤ケンジを鋭く重い打撃でTKOに葬り去っている。今回からベストウェイトであるフェザー級に階級を上げタイトル獲りへ本格始動となる。  対する田中半蔵は、2022年5月の福岡大会で約5年振りの修斗参戦。結城大樹に判定勝利し、ランカーに返り咲きとなった。倒れずに相手を制圧する王道スタイルで41歳となった今でもその強さを示すベテランがいよいよタイトル戦に向け、久々の関東圏登場で過酷な国際戦に挑む。  3月の後楽園ホール大会で行われた世界フェザー級チャンピオンシップでは、王者・SASUKEが指名挑戦者・飯田健夫をバックエルボー一撃で仕留める衝撃的な決着で幕を閉じている。防衛を果たしたSASUKEは再び「ROAD TO UFC」への挑戦が決まり、フェザー級新章が始動。王者SASUKEが不在の中、修斗フェザー級に新風を吹き込むのは、ベテランか、侵略者か。  1R、サウスポー構えの田中は左ロー。オーソのロイベの左の蹴り終わりにダブルレッグテイクダウン。フルガードのロイベに田中はインサイドで細かくパウンド。ロイベは蹴り上げから立とうとするが、その足を掴みすぐについて行き立たせない田中。ロイベは下から田中の脳天にヒジを突く。  2R、力まず左ミドルを当てる田中。さらに左の前蹴り。ロイベは大きな左を打ち返すが、そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンは田中! 横に寝かせて細かく削る。下のロイベはケージで腰を切って腕十字へ。両手をロックしている田中はヒジを抜くとロイベも立ち上がり。田中をミドルを突く。  3R、ロイベの入りにアッパーは田中。田中の入りに右ヒザを当てるロイベ。詰めるロイベに田中は前手の右フック、左の蹴り。詰めるロイベは跳びヒザで入るが田中も右回りでかわす。  判定は3-0(29-28×3)でテイクダウンを軸に主導権を握った田中が勝利した。 [nextpage] ▼第8試合 フェザー級 5分2R〇齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場・FIGHT FARM)65.6kg[2R 1分43秒 チョーク]×岡田達磨(SAI-GYM)65.5kg  1R、ともにサウスポー構え。岡田は左ローからダブルレッグへ。差し上げようとする齋藤に両脇差した岡田は尻下でクラッチしてテイクダウンも、すぐに金網使い立つ齋藤。岡田はボディロックで中央に引き出してテイクダウンし、立ち際にバック乗るが、前に落とした齋藤が左を振って前に。  2R、右ハイをガード上に打つ岡田。ブロックした齋藤は左オーバーハンドで前に。距離が無いなか右ミドルを打った岡田の左足を持ち上げた齋藤がテイクダウン。そのままマウントを奪い、チョークを極めた。  2連敗から2021年10月以来の白星を掴んだ齋藤は、「やっと勝てました。ぶっちゃけ苦しかったです。頑張って良かったです。ありがとうございました」と涙を見せながら挨拶した。 [nextpage] ▼第7試合 フェザー級 5分2R〇児山佳宏(元同級環太平洋王者/パラエストラ松戸)65.7kg[判定3-0] ※20-18×2, 19-18×YOKOSAI(SAI-GYM)65.4kg  1R、YOKOSAIの左の打ち終わりに児山は左ストレートを突いて詰めてダブルレッグテイクダウン! オーバーフックするYOKOSAIが足を解くと腕を抜いた児山がパウンド狙い。すぐにYOKOSAIはクローズドガードに。頭をケージに詰まらせる児山はそのままガードの中でホーン。  2R、遠間で打撃を見せる両者。児山の組みを切ろうとするYOKOSAIだが、金網に詰めて児山はテイクダウン。YOKOSAIは三角絞めにとらえようとするがすぐに首を抜いた児山が両足をさばきサイドを奪ってホーン。  判定3-0(20-18×2, 19-18)で児山が40代対決を制した。 [nextpage] 平良達郎が修斗世界フライ級王座を返上 第6試合後、第8代修斗世界フライ級王者・平良達郎(Theパラエストラ沖縄)がケージイン。UFC参戦中で防衛戦がままならないため、修斗世界フライ級王座の返上を発表。6月24日(日本時間25日)のUFCでのクレジソン・ホドリゲス(ブラジル)戦に向け、「勢いのある相手、今まで以上にハイペースで攻めて、圧倒したいと思います」と、オクタゴン4連勝へ意気込みを語った。 [nextpage] ▼第6試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2023 フェザー級 5分2R△浜松ヤマト(勝ち点3/T・GRIP TOKYO)65.7kg[ドロー]△上原 平(勝ち点1/リバーサルジム横浜グランドスラム)65.6kg  1R、浜松のダブルレッグに詰まりながらも金網際で勝村ゆずりのニンジャチョークを何度も狙う上原。  2Rも先に詰めてケージレスリングを仕掛ける浜松を切り、打撃で詰めて縦ヒジ、ハンマーフィストを突く上原だが、ヒザ蹴りが浜松の金的に。中断、再開。浜松は粘り強くテイクダウントライ。切る上原だが左目尻から出血。判定はドロー。 [nextpage] ▼第5試合 epsomsalt seacrystals Presents インフィニティリーグ2023 フェザー級 5分2R〇竹原魁晟(パラエストラ松戸)65.8kg[判定3-0] ※20-18×3×磯部鉄心(パラエストラ松戸)65.8kg 磯部の足関節を凌いだ竹原がテイクダウンで上回り判定勝ち。 [nextpage] ▼第4試合 バンタム級 5分2R△よしずみ(リバーサルジム東京スタンドアウト)61.2[判定0-0] ※19-19×3△松下祐介(パラエストラTB)60.9kg バック奪いに行くよしずみにキムラ狙う松下、ともに目まぐるしいスクランブル合戦は甲乙つかず。ドロー。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級 5分2R×新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)61.1kg[1R 1分13秒 KO] ※左フック→ラッシュ〇永井奏多(TRIBE TOKYO MMA)60.8kg 詰める永井に首相撲ヒザは新井。しかし組んで来る新井に永井は右ストレートを当てて、金網に詰めて左右でKO。 [nextpage] ▼第2試合 フライ級 5分2R〇大竹 陽(HAGANE GYM)56.6kg[2R 0分50秒 KO] ※×古賀優平(TRIBE TOKYO MMA)56.4kg ※修斗初参戦  1R、古賀のダブルレッグテイクダウンに金網背に尻で座り、頭下がる古賀の頭部にヒジを突く大竹。古賀の腰を抱いて細かいパウンド。大高は立ち上がる。  2R、左ローを効かせ、左ヒザでダウンを奪う大竹が古賀をケージに押し込んで左右ラッシュ。古賀はダブルレッグテイクダウン狙う。その頭にヒジを突く大竹は、スタンドから金網詰めて左ヒザを効かせて左右フックでKO。  試合後、大竹は「ランカー、とは言わないんで10位くらいの選手、いつでも待ってます」とマイク。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級 5分2R〇國頭 武(BURST)65.7kg[肩固め]×青井 太一(心技館)65.6kg  1R、開始早々ダブルレッグテイクダウンの國頭は青井の立ち際にバックテイク。胴に4の字ロックを組み、背後からパウンド。青井の正対際にパウンド。  2R、右フックを当てながら組む國頭がシングルレッグからボディロックして後方に投げてテイクダウン。金網際に這う青井にマウント、肩固めを極めた。  試合後、國頭は「適正バンタムから階級上げてやりましたが、また東京に呼んでもらえて上とやれるように頑張ります」と語った。
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