ムエタイ
レポート

【ONE FF】ギンサンレックがスリヤンレックとの大激闘を制す、吉成士門が強豪デッドゥアンレックを圧倒して完封勝利、奥脇竜哉がダウン奪い2連勝、エイワスポーツジムの一番手・品川朝陽が敗れる。インはタワンチャイ復帰戦、クラップダム、サムエーらムエタイスーパースターが総登場=速報中

2025/12/19 21:12
ONE Friday Fights 1372025年12月19日(金)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTにてLIVE配信中 ▼第12試合 ONEフェザー級(-70.3kg)キックボクシング 3分3Rタワンチャイ・PK・センチャイ(タイ/ONEフェザー級ムエタイ世界王者)リウ・メンヤン(中国) [nextpage] ▼第11試合 ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ 3分3Rクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)PTT(タイ/Team Mehdi Zatout) [nextpage] ▼第10試合 ONEストロー級(-52.2kg)ムエタイ 3分3Rサムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ/Evolve MMA)ジャオスアヤイ・モー・クルンテープトンブリー(タイ/Sor Dechapan) [nextpage] ▼第9試合 ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ 3分3Rスーブラック・トー・プラン49(タイ)パコーン・PK・センチャイ(タイ) [nextpage] ▼第8試合 ONEフェザー級(-70.3kg)ムエタイ 3分3Rジョー・ナタウット(タイ/Thai Top Team)モハメド・シアサラニ(イラン/Team Mehdi Zatout) [nextpage] ▼第7試合 ONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ 3分3RヨッドIQ・オー・ピモンシー(タイ/P.K. Saenchai Muay Thai Gym)アレクセイ・バリカ(ロシア/Tiger Muay Thai) [nextpage] ▼第6試合 ONEストロー級(-56.7kg)キックボクシング 3分3Rジャン・ペイメン(中国/Shengli Fight Club)トンプーン・PK・センチャイ(タイ/PK Saenchai Muay Thai Gym) [nextpage] ▼第5試合 ONEフライ級(-61.2kg)ムエタイ 3分3R〇ギンサンレック・ウォー・カムチャムナン(タイ/Tor Laksong Gym)判定3-0×スリヤンレック・ポー・イェンイン(タイ/Tor Sangtiennoi)  1R、前に出るスリヤンレックにサウスポーのギンサンレックが左インローで先制。ギンサンレックは前に飛び込む動きを見せる。左インローでスリヤンレックの出鼻をくじき、左ミドルも蹴るギンサンレック。スリヤンレックは左右フックも空振り。スリヤンレックが右ストレートで前へ出るが、ギンサンレックの左ヒジをもらって後退。左フック、左ハイで畳み込むギンサンレックにスリヤンレックは左右フックを振り回す。  2R、ギンサンレックの左ミドルにスリヤンレックも右ミドルを蹴り返すと、ギンサンレックはバックハンドブロー。左縦ヒジのギンサンレックを右インローで転倒させるスリヤンレック。このラウンドはギンサンレックの方が前に出ていくが、右インローで転倒させられる。至近距離では縦ヒジを繰り出すギンサンレックに、スリヤンレックは左右フックを振り回す。  ギンサンレックの前蹴りに後退するスリヤンレックへギンサンレックが左ヒジの連打。さらに左ボディストレート、左ミドルを連打してスリヤンレックの身体をくの字にさせ、ヒジ、ヒザを見舞う。スリヤンレックはダウン寸前。  3R、パンチで前に出るスリヤンレックにギンサンレックは左ボディストレート。前に出てくるスリヤンレックにギンサンレックが右ヒジでダウンを奪う。組んで背中を見せたスリヤンレックの後頭部にギンサンレックがヒジを見舞ってしまい、一時中断。  再開後、左右フックで猛然と前へ出るスリヤンレックをヒジで迎え撃つギンサンレック。さらに前蹴りでボディを攻める。しかし、スリヤンレックの右フックでギンサンレックがロープを背負う。左右フックを振り回して倒しに行くスリヤンレックに、ギンサンレックは右ヒジを狙うが防戦一方になる場面も。スリヤンレックが圧倒的に攻めるが、ギンサンレックも耐えた。  判定は3-0でギンサンレックが勝利。大激闘にスタジアムは大歓声に包まれた。両者に35万バーツのボーナスが贈られた。 [nextpage] ▼第4試合 ONEフライ級(-61.2kg)ムエタイ 3分3R×デッドゥアンレック・ワンコンオームMBK(タイ)判定0-3〇吉成士門(エイワスポーツジム)  士門・エイワスポーツジムこと吉成士門は、これまでにタイ国プロムエタイ協会スーパーフェザー級&ライト級王者、WPMFインターナショナル スーパーバンタム級王者、WMCインターコンチネンタル バンタム級王者、WMC日本フライ級王者に輝いている21歳。2025年10月にはヌンプーシンを1RでKOし、WBCムエタイ世界ライト級(-61.23kg)王座に就いた。  ONEには2024年12月の『ONE Friday Fights 92』で初参戦を果たし、リッティデットから見事TKO勝ち。2025年3月のONE日本大会では、ムエタイのトップスター選手であるヨードレックペットに完勝して世界に実力を知らしめた。8月もペットンローにTKO勝ちの圧勝劇を見せONEで3戦全勝、12連勝を飾っていたが、11月21日の『ONE Friday Fights 134』でタギール・カリロフを圧倒しながらも、士門が伸ばした手の指がカリロフの目に入り、カリロフが試合続行不可能となって無効試合となった。吉成名高の従兄弟。  その士門の次戦が早くも決定。約1カ月のスパンでONE FFに登場する。しかも対戦相手はデッドゥアンレックという強敵に。  デッドゥアンレックは2023年2月に『ONE Friday Fights』に初参戦すると、内藤大樹を破るなど9月までに4連勝も11月にナックロップ・フェアテックスにTKO負けで初黒星。2024年4月の内藤との再戦では体重超過で試合をして判定勝ち。その後はナックロップ、アサドゥーラ・イマンガザリエフ、アスラムジョン・オルチコフに3連敗を喫したが、現在は再び2連勝中。  体重超過しての試合も含めてだが、内藤大樹に2連勝しているデッドゥアンレックとの対戦は、士門の実力が試される。  1R、士門の右カーフにバランスを崩すデッドゥアンレック。右ストレートを出すデッドゥアンレックだが、士門はさらに左インカーフを蹴る。デッドゥアンレックの蹴りはキャッチして左ミドルハイ。左ミドルとワンツー、右カーフでデッドゥアンレックを近づけさせない士門。  2R、デッドゥアンレックの右ミドルをキャッチし、放すと同時に左ボディを打つ士門。圧をかけて前へ出る士門が右ストレート、左アッパー、蹴り足キャッチからの右ボディストレート。士門の右カーフに一瞬ガクッとなるデッドゥアンレック。首相撲でもいい形で組んでヒザを突き刺す。  デッドゥアンレックの右ストレートにはバックハンドブローを合わせる士門。右ストレートから前へ出る士門に、デッドゥアンレックは右ミドルを蹴るがやはりキャッチされる。士門の左フックと右フックが連続ヒット。防戦一方となるデッドゥアンレックには左ミドルを連打して士門が圧倒。  3R、士門はワンツーから前へ出てヒザ、さらに右カーフで畳みかける。デッドゥアンレックもワンツーを打つが、士門が首相撲でデッドゥアンレックの首を折って抑え込む。デッドゥアンレックが右ストレートから左フックも士門は空振りさせ、士門が首相撲から押しヒザの連打。  ヒジも打つ士門は上を攻めると見せて右ボディストレート、さらに右カーフ、左ボディ。全局面で圧倒する士門にデッドゥアンレックは右ストレートで逆転を狙うが、士門には当たらない。左三日月から左右のヒジ、さらに首相撲と士門が完封した。  士門が判定勝ちでONEで無傷の4勝目を飾った。 [nextpage] ▼第3試合 ONEアトム級(-52.2kg)ムエタイ 3分3R〇ドゥアンダーオノイ(タイ/Looksaikongdin Boxing Camp)KO 2R 0分36秒 ※右ストレート×リーガン・ゴーウィング(カナダ) [nextpage] ▼第2試合 ONEアトム級(-52.2kg)ムエタイ 3分3R×ペット・スアンルアンロッドヨーク(タイ)判定0-3〇奥脇竜哉(エイワスポーツジム)  竜哉・エイワスポーツジムこと奥脇竜哉は日本人として8人目のラジャダムナンスタジアムのタイトルを獲得するなど、同門の吉成名高に負けじとムエタイで輝かしい実績を積んでいる。昨年9月のWBCムエタイ世界フライ級王者決定戦でシヴァラット・ウォー リンティダを1RボディブローでKOしベルトを獲得。初参戦となった8月22日の『ONE』ではヌラペットに2RKOで勝利し、インパクトを残した。10月には元ラジャダムナン王者ウェウワーオを圧倒してWBC王座の初防衛に成功している。  今回はONEアトム級(-52.2kg)ムエタイ3分3Rで、ペットと対戦。ペットはまだ19歳で身長168cm。2024年2月の『ONE Friday Fights』初参戦ではTKOで敗れたが、その後はタイ人選手を相手に4連勝4KO(全て2RでのKO)と破竹の快進撃を続けている。竜哉とは激しい一戦となりそうだ。  1R、竜哉が右ローを強く蹴って先制、ペットは左ミドルを蹴って来る。ペットの蹴りをバックステップ、スウェーでかわす竜哉が右ローを返す。右ローがかなり命中し、転倒するなど効いている様子のペット。ワンツーのペットに左ボディを打つ竜哉。  2R、さらに右ローを強打する竜哉にペットは首相撲からのヒザ蹴りに持ち込む。ブレイク後、すぐに組み付くペットが竜哉をコカす。首相撲持ち込むペットに奥脇は右を当てるが、首相撲で押し倒される。右ストレートで入るペットに右を打つ竜哉。もう一度入ってきたところへ右ストレートを合わせ、ダウンを奪う。  竜哉は左ボディ、左アッパー。前へ出て組んで来ようとするペットに左ハイを繰り出す。ペットも逆転を狙ってヒジを打つ。今度はペットを押し倒す竜哉。右ロー、左フック、ローへの右ストレートのカウンターと竜哉がヒットを奪った。  3R、前に出てくるペットに竜哉は左右フックと右ローを蹴って左へ回り込む。右ストレートを思い切り打って来るペット、竜哉は左ボディ。前へ出て首相撲、そしてヒジと逆転を狙って攻めてくるペット。竜哉は右ローを蹴って離れ、ペットが詰めてくると竜哉は組んでストップしてしまう。ペットが首相撲からヒザを蹴ると突き飛ばす竜哉。下がりながらも右ハイ、右ストレートを狙う竜哉にペットは右を狙う。  竜哉がカウンターのジャブ、さらに左フックをヒットさせる。ワンツーの連打に組み付くペットを振りほどき、右ストレートを打つとペットがフラつく。  判定3-0で竜哉がONEでの2連勝を飾った。 [nextpage] ▼第1試合 ONEストロー級(-56.7kg)ムエタイ 3分3R〇デーングリアングライ・シンマーウィン(タイ)判定3-0×品川朝陽(エイワスポーツジム)  朝陽・エイワスポーツジムこと品川朝陽は、これまでMA日本キックボクシング連盟フライ級王座、ムエサイアム・イサーン バンタム級王座、ルンピニー・ジャパン スーパーバンタム級王座、WBCムエタイ世界同級王座、IMCインターナショナル・フェザー級王座、IPCC世界同級王座、WMCアジア・フェザー級王座など数多くのタイトルを獲得。  2019年9月に『ONE Japan Series』に出場してKO勝ち、2020年9月にも『Road to ONE』に出場して勝利を収め、ONEとの契約を獲得。2021年12月のジョセフ・ラシリ(※後のONEムエタイ世界ストロー級王者)戦ではKO負けを喫したが、2022年11月のルイ・ボテーリョ戦では判定勝ちで初勝利を収めた。その後、試合がなかなか組まれなかったことから2023年7月にONEとの契約を解除し、BOMやRWSなどで戦ってきたが、2025年6月に約2年ぶりのONE復帰でペットプーパーに判定勝ちした。  今回はONEストロー級(-56.7kg)ムエタイ3分3Rでデーングリアングライ・シンマーウィン(タイ)と対戦。デングリアングライはONE FFの常連選手で6勝5敗。オムノーイスタジアム認定ライト級王者のサウスポーで、2024年6月の『KNOCK OUT』に初来日、小笠原瑛作に判定負けしている。  1R開始早々、左フックを打とうとした朝陽にサウスポーのデーングリアングライが左ローを蹴るもこれがローブローに。中断後、再開。左フックからの飛び込みを見せる品川にデーングリアングライは前後のステップで対応。朝陽が左ローを蹴ると、デーングリアングライは左ストレートを合わせる。  朝陽はデーングリアングライのハイキックやヒザ蹴りをキャッチすると、豪快に投げ捨てる。  2R、朝陽も前後にステップを踏み右ストレートを放つがデーングリアングライの左ストレートをもらって後退、そこへデーングリアングライが左ヒジをヒットさせる。さらに左ストレートでバランスを崩してロープにもたれかかる場面がある朝陽。かなり印象が悪い。  品川の右ストレートからの左フックは空振り、デーングリアングライは左ミドル。朝陽が蹴り足をキャッチするもデーングリアングライが組んで倒す。デーングリアングライの左ミドルに左ボディを合わせる朝陽。これで慎重になるデーングリアングライ。朝陽は距離を詰めて左ボディを連打するが、デーングリアングライは左ストレートを打つ。品川が圧をかけていった。  3R、前に出てワンツーを打つ朝陽に、デーングリアングライは左ミドルを合わせる。左ハイは朝陽がキャッチしてコカす。右ストレートからの左ボディをヒットさせる朝陽は、飛び込んでの右ボディストレート、左ボディもヒットさせるが、デーングリアングライは組み付いてくる。またも左ミドルを合わせるデーングリアングライ。  左ミドルに朝陽が左ボディを返すと、明らかにペースダウンしたデーングリアングライ。さらに左ボディ、右インローを狙う朝陽。それでもデーングリアングライは左ミドルを当てる。さらに左ストレートを2発繰り出して朝陽を詰めさせないデーングリアングライ。  判定は3-0でデーングリアングライが勝利。朝陽の反撃は届かなかった。
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