撮影/安村発
Krush.136
2022年4月30日(土)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第10試合)株式会社 東亜工業所 Presents Krushライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R
×瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス/王者)
判定0-3 ※28-30×2、27-30
○大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/挑戦者)
※大沢が第7代王座に就く。瓦田は初防衛に失敗。
瓦田は 伸びのある右ストレートを武器にアグレッシブなファイトスタイルでデビューから5連勝。東本央貴、川崎真一朗、ワン・ジーウェイに敗れたが、その後は覚醒して2021年7月・9月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」で優勝し、王座に就いた。2019年12月から8連勝と快進撃を続けていたが、前回2月のK-1で篠原悠人に判定で敗れて連勝がストップ。今回が初防衛戦にして再起戦となる。戦績は14勝(6KO)4敗。
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、2021年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出。7月の卜部功也戦では判定で敗れるも、12月の弘輝戦で延長戦の末に勝利をもぎ取った。戦績は27勝(3KO)19敗3分。
1R、大沢は瓦田の前蹴りをさばいての左ボディを見せるが、蹴り足をキャッチしたため注意を受ける。瓦田はブロックを固めて前へ出ると左右フックの乱れ打ち。大沢は飛び込んでの左ボディを強打。すぐに瓦田が打ち返しに行くも大沢はバックステップでかわす。
2R、瓦田は前へ出て右フックを叩きつけると、ガードを固める大沢のボディを叩く。大沢も右ローを蹴り、左ボディへつなぐ。前へ出る瓦田を両腕でプッシュする大沢。大沢はプッシュしての右ローを多用、瓦田はガードを固めさせての左右ボディ。大沢は左ローも蹴っていき、瓦田が右ストレートを打つとすぐにワンツーを変えす。終盤、大沢は左フックから右ストレート、左ボディを決めるが、瓦田の左フックには後退。
3Rが始まると前へ出て連打する瓦田に大沢は強い右フック。ロープを背負った大沢に瓦田の右フックが入り、一気に詰める瓦田だが大沢も打ち返す。ジャブで下がらせ、右ストレート、左ボディを打つ大沢。瓦田は左ミドル。大沢は一発の重さを感じさせる左ボディを次々と当てていき、左ボディから両手でプッシュして意表を突く左ハイキックでダウンを奪う。残り時間は30秒を切ったところだった。
立ち上がった瓦田は決死の反撃を試みるが、逆転はならず。判定3-0で大沢が悲願の王座を奪取。リングサイドの観客へ向けて何度も「見たかっ!」と叫んだ。
大沢は関係者にお礼を述べた後、「初めてベルトに挑戦したのが10年前でそこから獲れずにトーナメントも決勝で負けて。ずっと1位が獲れなかったんですが、ようやくチャンピオンになれました。泣かないです。僕は簡単に涙を流さないので。お礼を言いたい人はいっぱいいるんですけれど、まずは同じジムの寺島輝、龍華。俺がチャンピオンになったら言おうと思ったんですが、僕の同じジムに凄く強い選手がいます。龍華です。僕のことは全然覚えなくていいのでうちのジムの寺島輝と龍華を覚えて帰ってください」と、ようやく王者になった喜びを語り、ジムの後輩である2人をアピール。