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【DEEP】3大王座戦・牛久絢太郎が中村大介に判定勝ちで王座防衛、ジョアンオ・バティスタ吉村が水野竜也をTKOで新王者に、大原樹里が大木良太にテクニカル判定勝ちで暫定王座につく、鶴屋怜が鮮烈の一本勝ち!

2021/07/04 18:07
【DEEP】3大王座戦・牛久絢太郎が中村大介に判定勝ちで王座防衛、ジョアンオ・バティスタ吉村が水野竜也をTKOで新王者に、大原樹里が大木良太にテクニカル判定勝ちで暫定王座につく、鶴屋怜が鮮烈の一本勝ち!

再戦で牛久が涙の防衛(C)ゴング格闘技

 2021年7月4日(日)後楽園ホールにて「skyticket Presents DEEP 102 IMPACT ~20th Anniversary~」が開催された。

 チケットは全席完売で、PPVが、7月4日(日)17時45分から生配信。ゲスト解説を武田光司(第9代DEEPライト級現王者)が務めた。

▼第9試合 DEEPフェザー級選手権試合 5分3R
〇牛久絢太郎(K-Clann/王者)65.6kg
[判定4-1] ※29-28×4, 28-29

×中村大介(夕月堂本舗/挑戦者、元ライト級王者)65.6kg
※牛久が初防衛に成功

 フェザー級タイトルマッチで、牛久絢太郎(王者)vs.中村大介(挑戦者)が行われる。再戦にして、王者のリヴェンジマッチとなる。

 26歳の牛久はPANCRASEと台湾国際戦も含め5連勝で、2020年9月、王者・弥益ドミネーター聡志に判定勝ちし、DEEPフェザー級王座を獲得した。しかし、2021年2月のTDCホール大会でのノンタイトル戦で、中村のカウンターのヒザ蹴りを受けて、2R TKO負けしている。

 40歳の中村は2020年9月の長倉立尚戦で4年ぶりにMMAに復帰し、2R右フックでのKO勝ち。そして5カ月後の復帰2戦目で牛久にKO勝ちしていた。

 2012年6月の岸本泰昭戦でDEEPライト級王座を獲得したときは、プロ10年目にして初戴冠。今回のタイトルマッチに勝利すれば、プロ19年目の二階級制覇となる。今秋には、RIZINがフェザー級ワールドGP開催を予定しており、出場には王者の肩書は必須の条件となりそうだ。

 1R、サウスポー構えの牛久にオーソドックス構えの中村。前足にローは牛久。中村は右ミドルを当てて前に詰める。互いにローが交錯。左のダブルで飛び込む牛久。ステップバックでかわす中村は右ミドルをバチンと音を立てて当てる。頭が当たり中断。再開。

 再び金網に詰めて右ミドルを当てる中村! オーソになり右カーフキックを返す牛久。中村の蹴り足を掴んで左を振るがさばく中村。圧力をかける中村が右ロー、左を振るが、左に回る牛久が左フック。

 追う中村は、首投げから際で上になりバックテイク、腕十字へ。前転させる中村だが、牛久は正対して上になりガードの中に。細かいパウンドを突く牛久に、下から中村はヒジを返す。

 2R、前足を入れ替える牛久。ノーモーションの右を突く中村。さらに右ミドル。牛久の左を見切る中村。牛久は低いシングルレッグから押し込み。しかし中村は体を入れ替え、牛久に金網を背にさせる。左を差した牛久は投げてテイクダウン。しかし、金網使い中村は立つ。両脇を差した中村。四つに戻す牛久。ブレーク。

 右ミドルを当てる中村。右ローを返す牛久。圧力をかける中村に右を返した牛久だが、詰めての投げで上になるのは中村! 亀になる牛久に腕十字を狙うもゴング。

 3R、詰めて左で差してダブルレッグテイクダウンは牛久。立つ中村にバックに回ると、中村はアームロック狙い。ヒジを抜く牛久は右で差して押し込む。正対する中村は四つに戻すも、すぐに小外がけテイクダウンは牛久! しかしここで中村は休まず立ち上がり体を入れ替え。牛久も入れ替えると左で差して崩し! すぐに立つ中村だが、牛久は両脇を差して小外がけテイクダウン! 

 その際でバックに回ろうとする中村だが、足があと少しでかからず下に! ここもすぐに立つ中村だが、脇を潜る牛久は何度も崩してコントロール。立ち上がる中村だが足関節狙いも、牛久がしっかり潰して上のままゴング。判定は29-28×4、28-29の4-1で牛久が勝利。歓喜し、咆哮する牛久はベルトを腰に戻した。

 試合後、牛久は「試合内容は情けない、反省点でいっぱいでしたが、前回の試合から、試合前におじいちゃんが亡くなり、母親にも絶対に勝つという約束も守れず、今回、守れて嬉しく思います。いつか母親が会場に観てくれるような立派なファイターになります。これからも応援よろしくお願いします」とマイクで語った。

 また、バックステージでは、「練習1回ごとに向き合って、勝つために何をしなくちゃいけないか常に考えてきました。気持ちで勝てた試合です」と振り返ると、その取り組みのひとつに「バッティングの修正」を上げ、「どうしても左ストレートを身体を傾けて打つときに、喧嘩四つで相手も同じく頭を下げてくるので前回バッティングになったけど、それが前回、そういう練習しかしてこなかったので、途中で修正できなかった。それを今回はスイッチを混ぜて、試合中断が無くなるように考えてきました」と明かした。

 中村の腕十字については、「ああいうポジションになってはいけないけど、自分のなかで逃げられるとは思っていた」と語り、ベルトを腰に巻いたが、「正直、試合が終わって不安だった。まだちょっと、内容はダメダメだった。ベルトを巻いているのが恥ずかしいくらい」と防衛を振り返った。

「試合後、胸を張れるように」と語った牛久は、マイクで語った母親について、「応援はしてくれているんです。いつも試合が終わるまで起きて待ってくれて。でも、息子を持つ母として、危険な格闘技をやることを周囲と同じように賛成していてはいけない。1人でも反対しないと、という思いがあるようです」と、会場に観戦に来てもらえない理由を語った。

 最後に、報道陣から「いつか母親にも安心して観てもらえるような試合を?」と問われ「そうですね」と語った牛久はフェザー級のベルトを腰に巻き、会見場を後にした。

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