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【UFC】3大王座戦! ブラホビッチがアデサニヤの二階級制覇を阻止、ヌネスがアンダーソンを粉砕、ヤンがまさかの反則失格でスターリングが戴冠=『UFC 259』

2021/03/07 08:03

【プレリム】

▼バンタム級 5分3R
○ドミニク・クルーズ(米国)136lbs/61.69kg
[判定2-1] ※29-28, 28-29, 30-27

×ケイシー・ケニー(米国)136lbs/61.69kg

 バンタム級11位のクルーズと、ノーランカーのケニーの対戦。

 2014年9月の水垣偉弥戦の1R TKO勝ちを含む驚異の13連勝をマークしているクルーズ。2016年12月のコディ・ガーブラント戦の判定負けでUFC初黒星。2020年5月に3年半ぶりに復帰しヘンリー・セフードにキャリア初のKO負けで敗れて以来の試合となる。36歳。

 対する29歳のケニーは柔道&レスリングベース。LFAからUFC入りし5勝1敗。オクタゴンで2連勝後、2020年2月にマラブ・デヴァリシビリに判定負けも、以降ルイス・スモルカにギロチンチョークで一本勝ち、ヘイリ・アラテン、ナサニエル・ウッドに判定勝ちで3連勝中だ。

 1R、クルーズはいきなりダブルレッグに。がぶるケニーに立ち上がるクルーズ。オーソドックス構えのクルーズにサウスポー構えのケニーは後ろ蹴りを腹に入れる。右ハイを当てるクルーズはそのまま右ストレートも入れるが浅い。

 スイッチするクルーズは左ロー。ケニーの右を左に回りかわす。さらに飛び込んでの右を打つ。ブロックするケニーは圧力をかけて左ローもそこに右を狙うクルーズ。右を振りながらニータップに入るが、深追いせず。

 右インローを当てるクルーズ。右ミドルもケニーも左ローをすぐに蹴り返す。右ハイのクルーズに左ローを蹴り返すケニー。さらに左ロー! クルーズは組みに入るが切るケニー。

 2R、右ハイを打つクルーズに左インローでバランスを崩させるケニー。クルーズはタイミングよくシングルレッグに入るが、切るケニーは左インローを当てる。ケニーの打ち終わりに組むクルーズだが、ここも切られる。右ミドルを当てるが、その打ち終わりに左を被弾するクルーズ。

 ケニーのパンチに頭を振るクルーズは右からステップしての左を振るが浅い。ケニーの左インローに身体が流れるようになる。右からステップして頭を下げて左を振るクルーズ。さらにヒザを触りに行くが、切られる。

 懸命に左右を振って前に出るクルーズ。さばくケニーは左ハイ。ブロックするクルーズに左を当てて、頭を下げたクルーズをがぶりスタミナを奪う。下がりながら手数は出したクルーズ。

 3R、右の蹴りから入るクルーズ。ダブルレッグに入るクルーズ。切られるもなおもダブルレッグで尻下でクラッチしテイクダウン! そこにハイエルボーのギロチンはケニーも対角のサイドに出ているクルーズ。立ち上がるケニー。ここは攻められないクルーズ。

 下の動きからワンツーの右をヒットさせるクルーズ! ケニーも押し戻すが、さばくクルーズはスタミナ厳しい時間帯。左ストレートを当てるケニーだが、口で息をするクルーズも左右を振って応戦。ケニーの打撃も軸が乱れるように。ケニーの組みを差し上げるクルーズ。

 残り1分を切って、魂のテイクダウンを決めたクルーズは細かいパウンド。ケージを蹴って立とうとするケニーをさばいてブザー。

 判定は2-1(29-28, 28-29, 30-27)のスプリットで、クルーズが厳しい試合の後半を競り勝ち、制した。

◆ドミニク・クルーズ「3Rのチャンピオンシップラウンドだと思ってメンタルを切り替えた」

「地元が大好きだし、アリゾナのトゥーソンは俺の心だ。サンディエゴ生まれのトゥーソン育ちだから、サンディエゴ出身とは言うけどね。キャリアの初期にサポートも応援も受けられなかったからトゥーソンから引っ越した(※母子家庭で兄弟と共にトレーラーハウスに住んでいたドミニクは、幼い頃からレスリングを始め、19歳で母親にツーソンの家を追い出されたのを機にプロ格闘家を志している)。ケイシー・ケニーを応援してサポートしているのかどうか知らないし、彼らがどうしているのか分からない。乗り気にさせているんだろうな。あいつは凶暴だし、俺は今、トゥーソンをサポートするためにいる。家族のみんなが住んでいるところだ。母も父も……家族の全員だ。いつも実家に帰っている。トゥーソンのみんな、愛しているよ。サンディエゴのみんな、応援してくれてありがとう。ここにいられて嬉しいし、トゥーソン出身のヤツをたたきのめせて良かった。

 スプリット判定は何度も何度もあった。自分が勝ったというのは分かっていたけど、スプリット判定だと自分が勝てるかどうか分からないし、特に最近は年齢もあるから、自分の持っている力をすべて出すしかない。願って祈る。特に第3Rは接戦だったと思うから、もしかしたら1-1だったかもしれないし、あれが勝負の決め手だった。そうやって、頭でも心でも言い聞かせた。ずっと、5Rを自分のペースで戦ってきていたから、3Rの試合に変わって、それがちょっと違っていたから面白かったけど、単に、3Rのチャンピオンシップラウンドだと思ってメンタルを切り替えた。人がどう思うかは分からない。いずれにしても俺を批評する方法を見つけてくるだろうし、何もしないくせに無駄話はたっぷりだ。それが彼らの仕事だからな。欠点を見つけて、俺のことを良く言うつもりなんてないんだろう。何を言われても構わない。俺はこれからもそういう人たちのことだって良いように言う。それが俺の仕事だからだ。何も見返りは求めていない」

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