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【ONE】4大世界王座戦、ンサンが一本負けでミドル級王座陥落、デ・リダーが新王者に。クリスチャンがライト級初防衛、ニューイェンTKO負けでタン・リーがフェザー級新王者に。女子ストロー級はジンナンが4度目防衛

2020/10/30 19:10

▼ONEフェザー級世界選手権試合 5分5R(65.9kg-70.3kg)
×マーティン・ニューイェン(豪州/ベトナム)王者(70.25kg, 1.0061)
[3R 2分19秒 TKO]

〇タン・リー(米国/ベトナム)挑戦者(69.55kg, 1.0049)
※タン・リーが新王者に

 ONEフェザー級世界タイトルマッチは、2017年8月にタイトル獲得以来、フェザー級の王者として君臨し続けるマーティン・ニューイェンが、公式ランキング3位のコンテンダーで、元LFAフェザー級王者のタン・リーと対戦する。

 ニューイェンは、2017年8月にフェザー級でマラット・ガフロフをKOに下し、同年11月にライト級でもエドゥアルド・フォラヤンもKOするなどその強打で同時二階級を制覇。

 続く2018年3月の世界バンタム級王座戦ではビビアーノ・フェルナンデスにスプリット判定で敗れ、三階級制覇はならなかったものの、同年5月にはフェザー級でクリスチャン・リーとの再戦をスプリット判定で勝利するなどトータルファイターとしての進化も見せている。

 同年7月のONE暫定世界「バンタム級」王座決定戦でケビン・ベリンゴンに判定負けも、前戦2019年4月のマニラ大会ではジャダンバ・ナラントンガラグと対戦し、2Rに右ローキックを効かせての右の二段跳びヒザ蹴りでKO勝利を挙げ、フェザー級王座の2度目の防衛に成功。8月には松嶋こよみもボディ打ちでコーナーに詰めてテイクダウンを切ってのパウンドで、2R TKO勝利。3度目の王座防衛に成功している。

 対するMMA11勝2敗のタン・リーは父からテコンドーを、ライアン・ホールから柔術を習ったというベトナム系米国人ファイター。“ノックアウト・アーティスト”として知られ、2019年5月のONEデビュー以来、ユサップ・サーデュラエフ、元ONEライト級世界王者の朴光哲、高橋遼伍をフィニッシュするなど、ONE3戦負け無しだ。

 距離感が抜群で自身の距離になったら仕留められる右の強打を持つニューイェン。この試合まですべて1、2Rでのフィニッシュ決着で、5R戦どころか3Rも戦ったことが無いタン・リーに対し、「もしそこまで来たら、彼を未知の世界に引きずり込みたい。ただ、5Rまで待つつもりはない」と予告。

 対するタン・リーは「僕の動きは彼がついて来られないレベルの複雑さがある」と、左右でパンチも蹴りもフィニッシュブローを持つ攻撃の幅の広さを活かして戦うことを語っている。

 ベトナムをルーツに持つ両者だが、星条旗を背に入場のタン・リー。対してニューイェンはオーストラリア国旗を背に入場する。

 1R、サウスポー構えのタン・リー。オーソドックス構えのニューイェンが中央に立ちタン・リーの右足の外側を取る。ニューイェンは右! タン・リーは右のサイドキック気味のハイキック。さらに関節蹴り。ニューイェンは右インロー。タン・リーは左ハイもニューイェンはブロックする。

 左ミドルを当てるタン・リー。左から右のバックフィストは空振りもニューイェンの左ストレートに右ロー! しかしこれがローブローとなる。外を取ろうとするタン・リーに左足で蓋をするニューイェン。タン・リーは右ハイ、右フックを打ち下ろす! 右ミドルを当てるニューイェン。タン・リーも左ミドルを返す。タン・リーの蹴りが有効なラウンドに。

 2R、詰めるニューイェン。タン・リーは右のサイドキックで突き放す。打って動くタン・リー。前手争いから左ストレートはタン・リー。しかしニューイェンもそこに右を合わせる! タン・リーも走り込んでの左ミドル! 詰めて来たニューイェンに右から左ミドルはタン・リー! さらに左ボディストレート。ニューイェンは右ローを当てる。

 タン・リーの左にカウンターで組みに行くニューイェンも差し上げるタン・リー。ニューイェンのヒザ蹴りが金的に。中断、再開。足を止めたタン・リー。右から左ハイがガード上もニューイェンの頭を突く。打って右に脇を抜けるタン・リー。誘って左を狙う。タン・リーが巧く立ち回る。

 3R、詰めて来たニューイェンは右を振るが、サークリングするタン・リー。ニューイェンは右ストレートもハードヒットはせず。左ボディから右で当てるニューイェン! さらに右トリプルを上中下に突く! 蹴りの距離が取れないタン・リーだが、得意の右を振ってラッシュをかけるニューイェンに、タン・リーはカウンターの右を当てて回ると、ニューイェンはグラつく!

 さらに右から左フック! 打ち抜かれたニューイェンはそれでも立ち上がるが、タン・リーは左フックをクリーンヒットさせ、返しの右フック! 崩れるニューイェンに島田レフェリーが間に入った。

 試合後、新王者は「彼が強い選手だとは分かっていた。準備は出来ていた。試合を受けてくれたマーテインに感謝したい。プレッシャーをかけられたけど、僕にもパンチがある。勝てて良かった」と語った。

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