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【UFC】デュ・プレシがストリックランドの鼻折る完勝で王座防衛、ウェイリーが最強挑戦者に完勝で女子ストロー級王座防衛! 無敗テイシェイラがタファを35秒TKO! ワン・ツォンが再起戦勝利、イリアとヴォルカノフスキーの代理戦争はトプリア兄が勝利、RTUロン・チューがDWCSスティール下す、サルキルドがRTUジュブリを19秒TKO

2025/02/09 08:02

▼UFC世界女子ストロー級選手権試合 5分5R
〇ジャン・ウェイリー(中国)王者・26勝3敗(UFC10勝2敗)※UFC5連勝 115lbs/52.16kg インタビュー
[判定3-0] ※49-46×2,49-45
×タティアナ・スアレス(米国)挑戦者・10勝1敗(UFC7勝1敗)114.5lbs/51.94kg インタビュー
※ウェイリーが3度目の王座防衛に成功

 王者ウェイリーは3度目の防衛戦。2022年11月にカーラ・エスパルザを2R リアネイキドチョークで破り王座を獲得すると、2023年8月にアマンダ・レモス、2024年4月の前戦で ヤン・シャオナンをいずれも判定3-0で下し、2度の王座を防衛を果たしている。

【写真】タイ・バンタオでトレーニングしてきたウェイリー。115ポンドジャストでクリアした。

 散打とシュアイジャオをベースに、2013年にプロMMAデビュー。Kunlun Fightで藤野恵実を2R TKOに下すなど16連勝でUFCと契約。オクタゴンではローズ・ナマユナスにのみ2度敗れるも、米国ファイト・レディーや、ラスベガス、今回はタイのバンタオ・ムエタイ&MMAでもトレーニングするなど、組み技の進化が著しい。UFC4連勝中の35歳。


【写真】東京開催のレスリング世界選手権銅メダルのスアレス。左後方にはパッチー・ミックスの姿も。

 しかし、今回の挑戦者スアレスは2008年東京レスリング世界選手権で55kg級銅メダリスト。2010年の世界選手権では準々決勝で吉田沙保里に敗れたものの、敗者復活戦を勝ち抜いて再び銅メダルを獲得。柔術黒帯でさらにパートナーがパッチー・ミックスという生粋のグラップラー。

 2016年のTUF23でアマンダ・クーパーをダースチョークで極めるなど優勝して以降、ビビアン・ペレイラ、アレクサ・グラッソ、カーラ・エスパルザ、ニーナ・アンサロフを下して4連勝で王座挑戦を目前にしていたが、首の骨棘と椎間板の古傷を再発。約2年間のブランクを作り、2021年9月の『UFC 266』で復帰が決まるも、練習中にヒザの靱帯を断裂。3年8カ月の長期欠場となった。

 2023年2月にモンタナ・デ・ラ・ロサを2R、パッチーばりのギロチンチョークで極めて復帰。2023年の8月の前戦でもジェシカ・アンドラージをギロチンで斬って落としている

 1年半ぶりの復帰戦は当初、12月に3位のヴィルナ・ジャンジローバと対戦する予定だったが、ジャンジローバの欠場で、王者ウェイリーに挑戦となった。MMA10戦無敗。UFC7連勝中、4つの一本勝ちをマークしている。

 今回はスアレスにとって初の5R戦。サウスポー構えのスアレスに、オーソのウェイリーは喧嘩四つになるが、スアレスは前足へのシングルレッグに入れるか。テイクダウンディフェンスが強化されているウェイリーを相手にモンタナ・デラロサ戦のようにテイクダウンに苦しむと、5R戦の経験豊富なウェイリーの試合となるのか。序盤から力も使うスアレスだが、インタビューでは粘り強さにも自信を見せている。

 強い極めを持つスアレス。特にテイクダウンからのスクランブルで頭を右に出す立ち際は、スアレスの得意な左手のギロチンチョークの餌食になることは、ウェイリーも百も承知だろう。

 がぶり際でいかに首を獲られないか。首を絞められても足を組まさせずに対角か前に跳べるか。レスラー相手に下になりたくはないが、柔術も強化しているウェイリーがスクランブルの前に足を効かせてガードから作り直す動きにも注目したいグラウンドだ。

 1R、オーソのウェイリーに、サウスポー構えのスアレス。対峙すると、スアレスの骨格の大きさが際立つ。

 右ローを見せたスアレス。サイドキックも。遠間でステップのウェイリーはサイドキックも、詰めたスアレスがボディロックテイクダウン!

 ハーフガードのウェイリーはフルガードに戻そうとするが、左でまたぐスアレス。左のパワーハンドをオーバーフックするウェイリーはフルガードに戻すが、すぐに左足をパスするスアレスはパスガード!

 サイドからノースサウス狙い。立ち上がるウェイリーにスアレスは得意の左のギロチンチョーク! しかし、ここでクローズドに入らず、対角に抜けたウェイリーが上に! 細かいパウンドでホーン。

 2R、右の蹴りはウェイリー。左右を突いてケージまでドライブしてダブルレッグはスアレス。右手を差し上げようとするウェイリーに右にダブルレッグテイクダウンするスアレスだが、ここでまたいで上になるのはウェイリー!

 シングルレッグのスアレスにパウンド! しかしスアレスにもレッスルアップ。金網に押し込みダブルレッグへ。左小手に巻くウェイリーは右ヒザ突いて離れる。

 左サイドキックから右ストレートはウェイリー。ダブルレッグでケージまでドライブするスアレス。しかし左で差し上げて体を入れ替えて上を取るウェイリー! 下から頭を抱えるスアレスに細かくウェイリーがパウンドした。

 3R、ヒザ蹴りのフェイントも見せるウェイリー。圧力をかけると左前蹴りで前に。組みに手応えを得たスピィーディなウェイリーは右ストレートをヒット! 遠間からのスアレスのダブルレッグを切るも、スアレスもダブルレッグに続けてトライ。金網に押し込むと右腕で差し上げるウェイリー。押し込むスアレスの右を当てて突き放す。

 遠間から崩さずに組もうとするスアレス。難なく切るウェイリーは右ストレート。ワンツーの右、続く右の強振はかわしたスアレスは左オーバーハンドから組みに行くが、組ませないウェイリーは右サイドキック、詰めて右差しのスアレスだが、汗で滑るなか突き放すウェイリーは左ロー。右ストレートにカウンターのダブルレッグのスアレスは組めたが、金網際で切るウェイリー。ホーン。

 4R、チャンピオンシップラウンド。中央を取るウェイリー。スアレスの左に右ストレートのウェイリー。スアレスの組みにまたも右を差し上げて際で上に!

 ディープハーフガードになるスアレスだが、潜らせず剥がしたウェイリーが上に。スアレスは左額をカット。ウェイリーはハーフから肩固めに。しかしフルガードに戻すスアレスは右ヒザをカット。

 頭を抱いてパウンドのスペースを無くしたいスアレスだが、ウェイリーは左枕。外したスアレスは潜りスイープも、その際で残すウェイリー。その頭をギロチンチョークに狙うが、すぐに対角に出るウェイリーが上に。背中を着いたスアレスに左のパウンドを打つ。ホーンにウェイリーがスアレスの手を取って起こす。

 5R、ワンツーの右はウェイリー。さらにカーフ。右を強振するとそこに渾身のカンターのダブルレッグはスアレス。耐えるウェイリーをなおも金網まで押し込み、シングルレッグも、ウェイリーは片足立ちで切る!

 力を使ったスアレスだが、なおも前に。詰めるスアレスに右ヒザを当てるウェイリー。そこを押し込み、左差しのスアレス。小手に巻い残すウェイリーに投げたスアレスだが、際を譲らないウェイリーが上に! さらにバックに回りリアネイキドチョーク狙い。仰向けになって防ぐスアレスに王者はトップから左肩で顔を制して、ヒジ! 首を抱いて凌ぐのみのスアレス。ハーフのウェイリーはトップから左で差して右のパウンド!

 拍子木に自ら立ち上がってスタンドを望んだウェイリー、ホーン。フルラウンドを戦ったウェイリーは判定前にケージに登ってガッツポーズを見せる。

 顔を腫らせたスアレス。判定は3-0(49-46×2,49-45)でウェイリーが勝利。3度目の王座防衛に成功した。

 恐るべき組み力の進化を見せて勝利したウェイリーは、試合後、英語で「今回のキャンプは長くたくさん行った。アンダードッグでも構わない。スアレスは経験豊富ないい選手、怪我しても復活してきた。リスペクトしている」と挑戦者を称え、最後は「オージー、オージー。オージー!」のコールに豪州ファンも大きく応えた。

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