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【RISE】熱闘5R!安本晴翔が門口佳佑を破り悲願の王座奪取、小林愛理奈が判定勝ちでテッサとの対戦アピール、憂也がペティとの挑戦者決定戦をアピール、モトヤスックが“幻のダウン”奪うも延長戦でサモ・ペティに惜敗、さようならAKARI――引退セレモニー

2024/10/20 17:10
【RISE】熱闘5R!安本晴翔が門口佳佑を破り悲願の王座奪取、小林愛理奈が判定勝ちでテッサとの対戦アピール、憂也がペティとの挑戦者決定戦をアピール、モトヤスックが“幻のダウン”奪うも延長戦でサモ・ペティに惜敗、さようならAKARI――引退セレモニー

撮影/安村発

RISE 182
2024年10月20日(日)東京・後楽園ホール

▼メインイベント(第12試合)RISEフェザー級(-57.5kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
×門口佳佑(EX ARES/王者)
判定0-3 ※47-48、47-49、46-49
〇安本晴翔(橋本道場/挑戦者・同級2位)
※安本が第6代王座に就く。門口は2度目の防衛に失敗。


 RISEフェザー級タイトルマッチで、王者・門口が同級2位・安本の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む。


 門口は『ABEMA』で行われた企画『VS 那須川天心』でトーナメントを勝ち上がり那須川天心と対戦したことで名をはせた空手出身の選手。その後、RISEで2018年7月にプロデビューすると、攻撃力の高さを活かして9戦無敗(1引き分け)を誇っていたが、2020年12月のフェザー級王座次期挑戦者決定戦で竹内将生に敗れ、挑戦権を逃した。


 2022年8月のRISEフェザー級タイトルマッチに臨むと梅井泰成から2度のダウンを奪い王座を奪取。12月にはSBの山田彪太朗と好勝負を演じて2度のダウンを奪っての判定勝ち、2023年3月には元Krush王者の新美貴士にも判定勝ち、7月にSBの川上叶を判定で破ると10月もSBの魁斗に勝利して初防衛に成功した。しかし3月、K-1との対抗戦で軍司泰斗に延長戦で敗れ6連勝がストップ。戦績は15勝(2KO)3敗1分。


 安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座、2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月にKNOCK OUT-REDフェザー級王座、2021年9月にWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。


 2022年7月からはRISEに参戦し、12月にSBとの対抗戦で川上叶に敗れるも2023年3月のK-1との対抗戦では斗麗に勝利。8月にSBの魁斗に敗れ、11月の再起戦で澤谷大樹を判定で破ると、2024年2月には梅井泰成に判定勝ち。5月の『ONE Friday Fights 62』に初参戦し、テミルラン・ベクムルザエフから判定勝ち。しかし、7月の2度目の出場ではアキフ・グルザダに判定負けを喫した。戦績は31勝(15KO)4敗2分1無効試合。


 1R、左右に構えを変えて前に出る門口に安本は蹴りを中心に対抗。相手の様子を見ながら前へ出る門口だったが、安本が下がりながら放った左フックからの右ストレートで大きくグラつく。すかさずラッシュをかける安本に門口はピンチに陥ったが、ローで体勢を立て直した。オープンスコアは10-9×3で安本。


 2R、勢いに乗る安本が左ミドル、左ロー、門口が前へ出てくると左ストレートで迎え撃つ、左右フックにヒザを叩き込む。門口はそれでも前へ出て右カーフ。安本は左フックからのヒザ。門口はガードをしっかり固め、安本が蹴ってくると必ずローかカーフを蹴り返すようになる。安本のパンチをもらっても前へ出る門口。インローがローブローとなって安本にインターバルが与えられる。左右連打からヒザを突き上げる安本に、門口はガードを固めて右カーフを返した。OPスコアは10-9でこのラウンドも安本。


 3R、ローを蹴るところを安本に右を合わせられる門口だが、再びガードを固めて前へ出て右カーフと左ローを蹴る。至近距離でパンチの打ち合いは安本が左フックを当ててヒザを突き上げる。前へ出て左ボディ、左ローを蹴る門口の左ハイキックがヒットすると安本が大きく崩れる。すかさず前へ出て連打する門口。右アッパーを突き上げる門口に安本は連打を返す。安本の右ハイに門口も左ハイ。“来いよ”と手招きする門口に安本はストレート4連打を見舞う。OPスコアは10-9×3で門口。


 4R、両軍の応援団が異様な盛り上がりを見せる中、ゴング。右ローとm着いストレートの安本に、身体を沈める変則的な動きからアッパー、フック、左ローを蹴る門口。安本のパンチを被弾しても決して下がらない門口は左ローを蹴り、左右に構えを変えてフックを打って行く。門口の左ボディと右ローに安本は右ストレートとヒザ。至近距離で激しく攻撃を交わす両者。打ち合いになっても両者一歩も退かない。密着したような状態で門口が左右フックを連打。


 5R、安本は右ストレートと左ミドル、ステップを踏んで動く。門口は前へ出て左右のパンチを振っていくが、安本がリーチの差を活かして当てては離れ、当ててはクリンチ。門口は両手を広げて打ち合いをアピールし、左右のパンチを繰り出して前へ出る。安本もこれに応えて右ストレートとヒザ。左ミドルと前蹴りの安本に門口が殴りかかっていき、安本も左右フックを打つ。至近距離で左右フックで打ち合う中、試合終了のゴングが鳴った。


 判定は3-0で安本が勝利。安本は判定の瞬間嬉しさからその場に崩れ落ち、門口は新王者を笑顔で称えた。


 ベルトを巻いた安本は「しゃーっ!」と雄叫びをあげ、「2年前にRISEに参戦して、もうここまでずっとベルトが欲しくて頑張ってきました。本当にめちゃくちゃ今嬉しいです。RISEあってこのフェザー級のベルトだと思うので、門口選手の分も強くなって、世界に通用する選手になります。あと幸楽苑さん、僕のスポンサーになってください」と誤字事件で話題となった中華料理チェーンの幸楽苑にアピールした。

 試合後、安本は「マジで嬉しかったです。今まで生きてきた中で一番嬉しいくらいの。試合が発表されてから毎日練習して、面白いこともなく色のない世界の毎日を送っていたので、ここでやっと世界に色が付き始めましたね。本当に思ったんですよ、金曜日くらいに何も美味しいものも食べられない、つらい、何も楽しくない、つまらないなって。何も面白くない世界から、何をやっても面白い世界に来たって感じです」と詩人なコメントで喜びを語った。

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