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【MMA】「朝倉未来vs.平本蓮」の5分5Rのラウンドマストをどう見るか? 物議を醸した「判定問題」から考えるジャパニーズMMAの未来

2024/07/24 16:07

「効果的な攻撃」とは何か?

 今回の修斗の場合は、下記判定基準によってジャッジされている。

◆インターナショナル修斗コミッション認定一般社団法人日本修斗協会制定
プロフェッショナル修斗 公式ルール

第54条【採点基準】
採点は次の順で優先的に評価される。
(1)決着に至る影響を与えた攻撃。(効果のある攻撃)
(2)決着に至る影響は与えられないものの積極的で明確な攻撃。(明確な攻撃)
(3)対戦者の攻撃を無効にするような巧みな試合運び。(ペース支配)

 ここでは、最優先に評価されるのは、フィニュシュに近づく効果的な攻撃が与えられたかどうかとしている。

 PANCRASEの場合も、「効果的な打撃/グラップリングを、各ラウンドにおける評価の第一優先順位とする」と明記する。

 そしてその「効果的」の意味について、「試合の決着に向かって影響力を有するかインパクトを評価」とし、さらに「累積的なインパクトよりも試合の決着に向かう重いインパクトが重視される」と、重い衝撃を与える効果的な攻撃が評価されることが記されている。

◆パンクラス オフィシャル ルール(2024年改訂版)

(2) 判定基準
10ポイント・マスト・システムが採点の標準システムである。10ポイント・マスト・システムの下では、そのラウンドの勝者に10点が与えられ、敗者には9点あるいはそれ以下の点数が与えられる(まれに10-10となるイーブンのラウンドを除く)。

①判定においては、①効果的な打撃/グラップリング(プランA)、効果的な積極性(プランB)、ファイティングエリアコントロール(プランC)の3点からなるMMA技術を評価する。プランBとプランCはプランAが同等であると評価されない限り考慮しないものとする。

②効果的な打撃/グラップリングを、各ラウンドにおける評価の第一優先順位とする。効果的な積極性は、効果的な打撃/グラップリングが同等な場合の評価に用いられ、ファイティング・エリア・コントロールは、他の基準が同等である場合に限り考慮される。

③効果的な打撃:試合の決着に向かって影響力を有するインパクト(impact)が評価される。打撃の数による累積的なインパクトよりも試合の決着に向かう重いインパクトが重視される。

④効果的なグラップリング:試合の決着に向かって影響力を有するインパクトが評価される(インパクトを作り出すテイクダウン、サブミッションの仕掛け、リバーサル、有利なポジションの獲得など)。累積的なインパクトよりも試合の決着に向かう重いインパクトが重視される。例えば、トップポジションとボトムポジションの競技者間の攻防の場合、ポジションよりも、それらの行為のインパクトの大きさ/効果的な結果が重視される。

⑤効果的な積極性(aggressiveness):試合の決着を積極的にねらうことを意味する。両競技者の効果的な打撃/グラップリングが同等であった場合に考慮される。効果的な結果やインパクトが見込めず、ただ相手を追うような行為は効果的な積極性として評価に加味されるべき
ではない。

⑥ファイティング・エリア・コントロール:どちらの競技者が試合のペース、場所、ポジションを支配していたかを判断することによって評価される。ファイティング・エリア・コントロールは、両競技者の効果的な打撃/グラップリングと効果的積極性が同等であった場合にのみ考慮される。

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