RIZINフライ級王者の堀口恭司(アメリカン・トップチーム)のUFC復帰が決定した。3月30日の『RIZIN.50』香川大会で榊原CEOが発表。リングインした堀口はRIZIN王座の返上を報告し、約8年4カ月ぶりのオクタゴン復帰に向け「UFC決まりました。これがスタートなので、日本人初のベルトを巻きたいと思うのでぜひ応援してください」と意気込みを語った。
榊原CEOが「日本の格闘技を盛り上げるって帰ってきて、またアメリカ行くって(笑)。本当はRIZINを主催する代表としては、このままRIZINでフライ級で防衛してほしいのが本音です。でも、日本の格闘技の将来を考えたら、にっくきUFCのベルトはRIZINの王者が獲るしかない。(朝倉)海も挑みました、今度は恭司が巻いて戻ってきて。それまで俺たちがこのリングを守るから。約束してよ」と言うと、堀口は「約束します」とガッチリ握手。
続いて榊原CEOは「きっと恭司がやってくれます。恭司はフライ級のベルトを返上します。ちょっとどうしようかなって思いますけれど、堀口という巨星がいなくなります。もう1回シャッフルして、ギラギラしたハングリーな選手たちで夏からフライ級GPをスタートします。そして7月、9月、大晦日で王者を決めます。その王者が堀口が残していくベルトを巻きます。GP王者とフライ級王者を懸けたダブルタイトルでフライ級GPを7月から開幕します。堀口に優るとも劣らぬ選手たちがチャレンジしてくれると思います」と、7月からフライ級GPがスタートすることを発表した。
2013年10月にUFCデビューした堀口は、4連勝で当時の王者デメトリアス・ジョンソンと対戦。5R残り1分で腕十字で敗れ、UFCフライ級王座戴冠ならず。しかしその後も3連勝。2016年11月にアリ・バガウティノフに判定勝ち後、当時のUFCフライ級戦線縮小に伴い、オクタゴンを離れ、2017年4月からRIZINに参戦していた。
この間、20試合を戦い、RIZINとBellatorでバンタム級王座を戴冠。現在5連勝中でRIZINフライ級のベルトも巻いているが、本誌の取材に堀口は、RIZINとは単発契約に移行していたこと、大晦日のエンカジムーロ・ズールー戦がRIZINでの最後の試合になる可能性を示唆していた。
(C)RIZIN FF
堀口が所属するアメリカントップチーム(ATT)には、現UFC世界フライ級王者のアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)が練習仲間として在籍しているが、パントージャは、「恭司と話したときにこう伝えたんだ。『もし君がUFCに来てタイトルをかけて試合がしたいなら、僕は君の友達だけど喜んで受けるよ。ベルトをかけて君と対戦できるのであれば光栄だ』と。彼のことが大好きさ」と、オクタゴン復帰の際には、王者として挑戦者・堀口を迎え撃つ用意があるとしている。もし堀口が王座挑戦権を得た場合、ATT内でコーチ・練習パートナーを分けて戦うことになる。
堀口のUFC再デビュー戦の相手は未定ながら、米国ではフライ級11位のタギル・ウランベコフ(ロシア・16勝2敗)が候補に挙がっており、中東での大会か、アゼルバイジャンでの復帰戦が検討されているとの報道もあるがどうなるか。
(C)rinyaman
本誌『ゴング格闘技』3月号(NO.336)でのロングインタビューで堀口は、UFCの返答について「すごくいい方向に進んでいると思っているので、海くんが行ったことによって日本の中でもすごくペイパービューが売れて、UFC内でも日本がマーケットとして視野に入ったという、開きかけた扉を開けて、自分がチャンスを掴みたいなとは思っています」と、展望を語り、戦いたい相手を問われ、「チャンピオンになりたいんで、今はパントージャしかいないですよね」と、きっぱりと語っている。
現在、UFCフライ級には、平良達郎(5位)、朝倉海、鶴屋怜の3人の日本人選手が参戦中で、元RIZINとしては、マネル・ケイプ(6位)、ラマザン・ テミロフ(13位)がランキング入りしている。UFC日本大会の機運も高まるなか、堀口恭司のUFCデビュー戦はいつどこになるか。
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UFCフライ級ランキングと今後の試合(2025年3月30日付)
(C)Zuffa LLC/UFC
王者 アレシャンドリ・パントージャ(ロイバルに判定勝ち。12.7 朝倉海に2R 一本勝ち)1 ブランドン・ ロイバル(10.12 平良にスプリット判定勝ち、3.1 ケイプ戦を負傷欠場)2 ブランドン・ モレノ(11.2 アルバジに判定勝ち、3.29 エルセグと対戦)3 アミル・ アルバジ(11.2 モレノに判定負け)4 カイ・カラ・フランス(8.17 エルセグに1R TKO勝ち)5 平良達郎(10.12 ロイバルにスプリット判定負け)6 マネル・ケイプ(7.27 モカエフに判定負け後、12.14 シウバに3R TKO勝ち、3.1 アルマバイエフに3R TKO勝ち)7 アレックス・ ペレス(6.15 平良に2R TKO負け)8 スティーブ・エルセグ(8.17 カラフランスに1R TKO負け、3.29 モレノと対戦)9 アスー・ アルマバイエフ(10.19 マテウス・ニコラウに判定勝ち、3.1 ケイプにTKO負け)10 タギル・ウランベコフ(2023.12.9 ダーデンにRNCで一本勝ち、1.18 クレイトン・カーパンターに判定勝ち)11 ティム・エリオット(2023.12.9 スムダルジに肩固めで一本勝ち)12 ブルーノ・シウバ(7.20 ダーデンに2R TKO勝ち、12.14 ケイプに3R TKO負け、3.8 ヴァン戦を欠場)13 ラマザン・テミロフ(3.1 ジョンソンに判定勝ち)14 ジョシュア・ヴァン(12.7 ダーデンに判定勝ち、3.8 鶴屋怜に判定勝ち)15 朝倉海(12.7 パントージャに2R RNC一本負け)↓ チャールズ・ジョンソン(10.19 スムダルジに判定勝ち、3.1 テミロフに判定負け)※ランク外に