(C)ONE Championship
2024年6月8日(土)朝9時から、タイ・バンコクのインパクトアリーナにて『ONE 167:Tawanchai vs. Nattawut II』(U-NEXTにてLIVE配信)が開催された。
▼第9試合 ONEフェザー級ムエタイ世界タイトルマッチ 3分5R
〇タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ/王者)
[判定2-0]
×ジョー・ナタウット(タイ/挑戦者)
※タワンチャイが3度目の防衛に成功。
タワンチャイは“タイの神童”。2022年9月にケージ・OFGのONEムエタイでペットモラコットに判定勝利し、ONEムエタイ世界フェザー級王座を戴冠。その後、ジャマール・ユスポフ、ダビッド・キリアをサウスポーからの左の蹴りでTKOに下し、2023年10月にはナタウットに判定勝ちしている。12月にスーパーボンの挑戦を判定3-0で退け、2度目の防衛に成功した。
ナタウットは10歳でムエタイを始め、2013年にはアメリカへ渡って試合を行い、ラスベガスを拠点とする『LION FIGHT』で2階級を制覇。2018年4月にONEに参戦すると、ジョルジオ・ペトロシアン(2敗)、チンギス・アラゾフ、ジャマル・エスポフと強豪に敗れたが、2023年10月にスーパーボンの代打としてタワンチャイと対戦。判定で敗れるも右ストレートと右ローでタワンチャイを苦しめた。2023年12月にルーク・リッシに判定勝ちして連敗を脱出し、今回タワンチャイとの再戦に臨む。
1R、ナタウットはサウスポーのタワンチャイに右ミドルハイ、タワンチャイは左ミドル、左インローを蹴る。タワンチャイはナタウットの蹴りをキャッチするとすかさず左を打つ。ナタウットは得意の右ストレートを顔面とボディへ。タワンチャイはその右腕を殺すように左ミドルで腕を蹴っていく。ナタウットは左へ回り込みながら右ロー。
2R、ナタウットは右ミドルからの右ストレートのコンビネーション、タワンチャイは淡々と左ローと左ミドルを蹴る。得意の横蹴りのような前蹴りも。ナタウットの右を空振りさせての左ストレートを返すタワンチャイだが、ナタウットも右フックを返す。
3R、左ミドルを蹴っていくタワンチャイにナタウットの右ロングフックが伸び、ヒットを奪う。左目を気にするタワンチャイ。ナタウットは距離を詰めて右ストレートから左右フック、さらに右ストレート。またも右ロングフックから入っていくナタウット。タワンチャイの左ミドルはスウェーでかわして右ローを蹴り返す。前に出だすタワンチャイが左ストレート、左ヒジで逆襲に転じる。
4R、前に出て左ローと左ミドルを蹴るタワンチャイにナタウットは右フックを合わせにいく。組んでの首相撲でヒザを蹴るのはナタウット、両者ともヒジを打って離れる。そこでタワンチャイがすかさず左ストレート、続いて左ヒジを打つ。ここで勝負と見たかタワンチャイは左ミドルでナタウットの右腕を蹴り、左ストレートを打ってナタウットを下がらせる。ナタウットも足払いでタワンチャイをコカすが、右の威力が明らかに落ちている。
5R、前に出るのはタワンチャイ。スーパーマンパンチを放ち、右を打とうとするナタウットに左ミドルをヒットさせる。さらにワンツーも。ナタウットはヒザを突き上げて応戦するが、前へ出て行くタワンチャイがワンツー、ヒジ。下がるナタウットを左ミドルで追って当てるタワンチャイ。蹴られるとパンチを返すナタウットだが、タワンチャイほどの力強さがない。最後までタワンチャイが前に出て試合を終えた。
左目の下を大きく腫らしたタワンチャイだが、前回と同じ判定2-0でタワンチャイが勝利。3度目の防衛に成功した。インタビュー中にはブーイングが沸き起こるも「言いたいことはない。目は打たれた後はよく見えなかった。みんなを失望させたならごめんなさい。来てくれたファンのみんなありがとう」とファンに礼を言った。