「格闘代理戦争」からプロに転向、K-1グループでは6勝2敗の古宮が新王座に就いた(C)DEEP☆KICK
アドバンス presents DEEP☆KICK 70
2024年6月2日(日)テクスピア大阪
▼メインイベント DEEP☆KICK-63kgタイトルマッチ 3分3R
×足利也真登(FightClubRush.)
TKO 1R 2分17秒 コメレフェリーストップ
〇古宮 晴(昇龍會)
※古宮が-63kg第6代王者に就く。
ダブルセミファイナルはいずれも逆転KOで決着がつくという興奮覚めやらぬ空気の中、メインイベントに出場する両者が入場してきた。王者・足利に挑戦者決定トーナメントを勝ち抜いた古宮が挑戦するDEEP☆KICK-63㎏タイトルマッチ。
1R序盤こそ、お互い調子を見るような静かな展開だったが、古宮の右前蹴りを足利がキャッチしたあたりから試合はいきなりヒートアップし始める。古宮は右前蹴りからワンツーで試合の流れを掴む。一度ローブローで試合が中断する場面もあったが、それでも古宮の勢いは衰えない。
足利も相手の攻撃によく反応しているように見えたが、古宮はワンツーから右ボディストレート。さらに右ストレートでアゴを打ち抜いて先制のダウンを奪う。ここで勝負ありかと思われたが、足利には王者として意地とプライドがある。なんとか立ち上がってきたものの、ダメージが残っていることは明らか。この好機を古宮は見逃すはずもなく、連打をまとめ足利に引導を渡した。
電光石火の王座交代劇。自分の勝利が確定するや、古宮はコーナーポストに駆け上がって雄叫びをあげた。自らの名を誇示するかのように晴れて第6代-63㎏王者になった古宮は控室に戻ると初戴冠の喜びとともに耳にハンディ(感音性難聴)があることを打ち明けた。
「いまはホッとしているというのが一番。結果を残せてよかった。僕、生まれつき難聴で、補聴器をとったら何も聴こえません。以前活躍していた郷州力という難聴ながら(Krush)王者になった選手に僕は夢と希望を与えてもらいました。僕は郷州さんを見てプロのリングに立ちたいと思いました。いまはもう郷州さんも引退してしまったので、そのあとは僕が先頭に立って、(難聴の人たちに)夢と希望を与えていきたい」
リングサイドで声援を送るファンを見る限り、女性が多かった。DEEP☆KICKに、またひとり魅力的なチャンピオンが誕生した。