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2023年12月31日(日)『RIZIN.45』(さいたまスーパーアリーナ)の第6試合・フライ級(57kg契約)で、朝倉未来率いるジャパントップチームからヒロヤ(JTT)が出場。修斗ストロー級(52.2kg)&フライ級(56.7kg)王者の新井丈(和術慧舟會HEARTS)と対戦する。
MMA9連敗から怒涛の11連勝で修斗史上初となる二階級同時制覇王者に輝いた新井に対し、ヒロヤもキャリアの初期、プロ4戦目から10試合は、3連敗を含む2勝7敗1分けと黒星が続いた。そして、その苦戦はいまも3連敗と続いている。しかし、2023年の敗戦はいずれも強豪相手。戦績以上に成長を遂げているヒロヤは、“ネバー・ギブアップ”を信条とする新井を相手に「諦めたほうが負ける」と、死闘を予告した。
【独占インタビュー】
大晦日連続インタビュー(1)新井 丈
大晦日連続インタビュー(2)斎藤 裕
大晦日連続インタビュー(3)ヒロヤ
大晦日連続インタビュー(4)新居すぐる
大晦日連続インタビュー(5)YA-MAN
大晦日連続インタビュー(6)皇治
大晦日連続インタビュー(7)弥益ドミネーター聡志
大晦日連続インタビュー(8)堀口恭司
大晦日連続インタビュー(9)朝倉海
ナンボでも言ってくれ、試合で俺が絶対爆発させたる(ヒロヤ)
――(公開練習後の個別インタビューにて)新井丈選手との試合が決まって、率直にいかがでしたか。
「最高だなと思いました、正直。やっぱ格闘家として、しかも僕の実績で現役の修斗王者とやらせていただけるというのが、本当に新井選手に感謝だな、というのは率直に思いました」
――新井丈選手の試合はご覧になっていましたか。
「過去の試合をじっくり見たことはなかったんですけど、SNSで流れてきてたんですよね。連敗しているところの動画がバババッとあって、そこから1連勝、2連勝、3連勝とかっていう動画を見て“すげえな”と思いました。シンプルにすごいなという。9連敗してもまだ自分に自信を持てているというのが本当にすごいなという」
汚ねえレコードだけど
これが俺の人生#shooto0522 #修斗 pic.twitter.com/tJAKK2Lz7l— 新井 丈 ARAI JO (@jo_arai_mma) May 23, 2022
――その意味では、ヒロヤ選手が自身に境遇を重ねることはありませんでしたか。プロ4戦目から10試合は、3連敗を含む2勝7敗1分けと黒星続きでした。
「そうなんですよ。だからこそ僕もこの選手のこういう気持ちが大事なんだというのを、対戦カードが決まる前にほんとうに思っていました。俺も似たような状況で、結局、僕はいいところで負けちゃったりとか、悔しい思いをたくさんしているけど、やっぱ負けても格闘家として諦めずに挑戦し続けて、自信を無くさないことがチャンピオンへの道に続くのかなって」
――その自信を得るためには確実な進化がないと結果に表れない。その部分で、いまのヒロヤ選手は結果こそ3連敗ですが、その相手が安谷屋智弘、伊藤裕樹、中村優作と強豪続きで、試合ごとに進化を遂げているのではないですか。
「2022年10月の2連勝から白星は掴めてないですけど、ここ数試合はこれなんだなって思ったんです。“試合で俺出せるじゃん、100パーセント出せるようになってきたじゃん”という風に思えるようになって。それまでは自分のポテンシャルを自分で潰していたなと思ったんです。トレーニングとかでも本当にキツいなと思ったときに、効率を考えるんじゃなくて、やるという。そういうのが本当に大事なんだなと。自分の立ち位置が強くしてくれた。RIZINでああいうカードを組まれて、そこで全てを出し切るような試合をして、“俺トップに行けるんじゃないかな”という自信が、中村優作戦にも繋がったと思います」
――朝倉未来選手に大舞台のチャンスをもらった、と同時に結構な無茶ぶりをされるなかで、自身を追い込んで立ち向かうことでスキルが上がってきた部分もある?
「本当にそうですね。負けてもちろん悔しいんですけど、世間からの批判であったりとかがバネにはなっていましたね。昔なら“もう嫌だな”と、批判がけっこうメンタルに来てたんですけど、“ひっくり返してやるよ”という気持ちになれた。“ナンボでも言ってくれ、試合で俺が絶対爆発させたる”と」
――中村優作戦はほんとうに接戦でした。驚いたのは、ヒロヤ選手のタフネスさです。特にダウン後のあのリカバリーは……。
「やっぱ悔しい思いってすごくフラッシュバックしてくるというか。バーン! ってもらっても“これだ、また来た”みたいに。そこで諦めるんじゃなくて、“もう最後までどうせならやり切るぞ”みたいなのが出てきて。お客さんも、やられたときの顔であったりとか動きを見て、“こいつ、まだ動くのかよ”って思うと思うんですよね、それで歓声がどんどん上がっていって、自分が攻めれば攻めるほど観客も沸く。それが本当にすごくパワーになりました。だから、最後のラスト1分とかでぶん投げたりとかも、歓声が無かったらたぶんできなかったと思います」
――試合中の歓声が気にならない選手もいますが、あの大舞台でその声をすぐに力に換えられる選手は限られているかと。
「“もうやってやるよ”と開き直れる。さいたまスーパーアリーナでも試合中はまったく緊張しなくて。でも、会場向かってオープニングのセレモニーが始まるまではけっこう緊張していたんです。前日とかも今までにないくらい緊張していました。そのときはまだ自分のポテンシャルを試合で出せたイメージが無くて、もしもこれだけ注目されてこれだけ批判を浴びてるのに、一発もらってダウンして何も出来なくてすぐに終わってしまったらどうしようとか、未来さんに推されて出てるのにここでスカッと負けちゃって、未来さんの顔に泥塗るようなことをしてしまったらどうしよう、リングの中に入って、頭真っ白になって何も出来なかったらどうしよう、とか。
思い悩んだんですけど、逆に真っ白になったときのことを想像してこういう風に戦おうとか、リスクの想定をいろいろ考えたからこそ、緊張が無かったのかなと思います。僕、当日ガチガチに緊張するタイプなので、緊張は試合の前に先にしておこうかなという感じだったのかもしれません」