DEEP☆KICK 772026年3月8日(日)大阪・テクスピア大阪
▼トリプルメインイベント3 DEEP☆KICK-70kgタイトルマッチ 3分3R〇本野有哉(照道会/王者)TKO 3R 2分9秒 ※レフェリーストップ×KING弥百希(ROYAL KINGS/挑戦者)※本野有哉が初防衛に成功。
これぞメインイベント。これぞチャンピオン。これぞノックアウト!
KING弥百希を挑戦者に迎え第5代-70㎏王者・本野有哉が初防衛戦に臨んだ。両者は昨年3月に行われた王座決定トーナメント準決勝で激突。当時は両者とも無敗のまま勝ち上がってきていたのでいやがうえにも注目された一戦だったが、本野が判定勝利を収め決勝へと駒を進め戴冠に至った。
トーナメント準決勝での悔しさを弥百希が忘れることはなかった。「必ずやり返す」というリベンジ魂を胸にリングインし、思い切り本野を睨み付けた。以前からフィジカルの充実ぶりは定評のある選手だったが、この日はいつも以上に仕上がっている様子だった。
しかし、王座防衛に燃える本野は今までとは一味も二味も違った。勝負が動いたのは2R。痛烈なストレートで弥百希から先制のダウンを奪う。弥百希のバッティングに対してクレームを入れ、弥百希がちょっと気を抜いたスキを見逃さなかった。
2R終了時点のオープンスコアは三者とも20-18。3R、もうあとがない弥百希は猛然と前に出るが、その動きに合わせ本野はカウンターの右ストレート一閃。この一撃がものの見事にクリーンヒット。弥百希は深々とキャンパスに沈んだ。3R2分9秒、年間ベストKO賞にノミネートしたいくらいのダイナミックなフィニッシュだった。
その後も弥百希はしばらく立ち上がれず。ようやく自力で立ち上がろうとしても、ふらつきが収まらなかったので、リングドクターに用意されたイスに座わり脳震盪が収まるのを待った。
一方、王座防衛に成功した本野は地元香川県から50人以上大阪に駆けつけた応援団に「本当に力になった」と感謝を述べつつ、「1年前の初戦では弥百希選手に判定でギリギリ勝つことができた。今回は自分の動きがしっかりできて、いい結果になって良かった」と安堵の表情を浮かべた。
今回の勝利でDEEP☆KICKでは4戦全勝(2KO)。今後は自分の戦績で唯一の黒星を喫したRISEに借りを返しにいくか。
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▼トリプルメインイベント2 DEEP☆KICK-55kgタイトルマッチ 3分3R×保井広輝(LoTgym/王者)判定0-3 ※28-30×2、29-30○井上大和(NJKF TOKEN KICKBOXING GYM/挑戦者)※井上大和が-55kg第10代王座に就く。
挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き、DEEP☆KICKで初のタイトル挑戦のチャンスを得た井上。トーナメントでも好調ぶりをアピールしていたが、-55㎏王者・保井に挑戦した一戦でも勢いは止まらず3-0の判定で王座奪取に成功した。
試合は1Rから井上がペースを握る。左ジャブでリズムを掴み、右のショートをスマッシュヒットさせ、保井のアゴを突き上げる。王者が前に出てくれば、右クロスで応戦だ。ラウンド終了間際は右ストレートを当て、印象点を大きくたぐり寄せた。
続く2Rの序盤こそ慎重になりすぎて手数が減ったが、終盤はワンツーや右クロスで再びペースを掴む。そして3R、井上は伸びのある右で追撃。試合終了のゴングが鳴ると、自らの勝利を確信し「ウォーッ」と雄叫びを上げ、セコンド陣と涙を流しながら抱き合った。
スコアは30-29、30-28×2。第10代王者となった井上は「やりましたぁ~。本当TOKENジムで頑張ってきて、ここまでこれたのもコーチや関係者がいたからこそ。今日応援にきてくれた友達も毎日応援してくれた家族も本当にありがとうございました」と涙ながらにアピール。さらなる飛躍を誓っていた。
DEEP☆KICKの-55㎏といえば、鈴木真彦(TEAM 寿)や拳剛(誠剛館)など、なだたる強豪たちが歴史を作ってきた。そんな歴史と伝統のある階級で、井上はどんなチャンピオンロードを歩むのか。
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▼トリプルメインイベント1 DEEP☆KICK-60kgタイトルマッチ 3分3R×健真(BLACK☆Jr/王者)判定0-3 ※27-29×2、27-28○上野コウキ(直心会/挑戦者)※上野コウキが-60kg第11代王座に就く。
4度目の正直で涙、涙の戴冠劇――。王者・健真(BLACK☆Jr)に挑戦者・上野コウキ(直心会)が挑んだDEEP☆KICK-60㎏タイトルマッチは2Rに左フックでダウンを奪った上野がそのポイントを死守する形で3-0の判定勝ち。第11代DEEP☆KICK-60㎏王者となった。
上野にとってはラストチャンスともいえる王座挑戦だった。23年6月には挑戦者決定トーナメントを制して大樹(HAWK GYM)に挑戦するも判定負け。それでも、もう一度這い上がって24年6月にはGUMP(TEAM TEPPEN)と挑戦者決定戦を争うも再び辛酸を舐めさせられた。3度目の正直とばかりに挑んだ昨年4月の健真との王座決定戦でも勝利の女神に見離された。
いいところまでは勝ち上がるものの、あと一歩王座には届かない。ここまでチャンスに見離されるとチャンピオンを諦めてもおかしくなかったが、谷底から這い上がった上野は挑戦者として再びタイトルマッチに挑んだ。
王者は上野とは過去1勝1敗の健真。シチュエーションとしてはラバーマッチ、しかもタイトルのかかった一戦なのだから盛り上がらないわけがない。
1R、健真が攻勢に出る。ミドルキックで相手のボディを効かそうとする上野だったが、王者はワンツーやローキックでリズムを掴みかける。続く2R開始早々、勝負をかけた両者はいきなり打ち合いに挑む。そうした中、上野は左フックで健真をグラつかせ先制のダウンを奪う。その後健真は度重なるバッティングによりレッドカード(減点1)をもらってしまう。
頭を押さえながら、上野は「何だよ、もう!」とやり場のない怒りを爆発させるが、試合の流れは完全に挑戦者の方に傾いた。 3R、もう倒すしか王座防衛の道はない健真はカーフキック、ワンツーからのヒザ蹴りで必死に追い上げる。ラウンド終盤にはローキックで上野をグラつかせたが、ここで試合終了のゴング。スコアは27-28、27-29(×2)と三者とも上野の勝利を支持した。
涙の戴冠劇にマイクを握った新チャンプは「ダウンは奪ったけど、めっちゃ面白くない試合になってしまった。これからはDEEP☆KICKの王者として、もっと上の人とやれるように頑張りたい」と抱負を述べた。苦労人だからこそ出せる味もある。個性派揃いのDEEP☆KICK王者の中でも異色の存在になれるか。
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▼セミファイナル DEEP☆KICK-57.5kg挑戦者決定トーナメント決勝 3分3R延長1R×細濱 辰(TEAM MMK)判定0-3 ※29-30×2○堀井海飛(空手道柔拳)※堀井海飛がタイトルマッチ挑戦権を獲得。
因縁のリマッチが-57.5㎏挑戦者決定トーナメント決勝としてマッチアップされた。細濱と堀井は昨年11月に初対決。期待に違わぬ好勝負を繰り広げたが、最後は堀井が有効打による出血でドクターストップ。細濱が今トーナメントのシード権を勝ち取った。
敗れたとはいえこの一戦でDEEP☆KICKファンの心を掴んだ堀井は実行委員会の推薦でトーナメント参戦を決め、今年1月の初戦(準決勝)では勝っても負けてもKOという聡一郎(道化倶楽部)から1Rにダウンを奪われるものの、2Rに奪い返し、その勢いで3Rには強烈なストレートで逆転TKO勝ちを飾ったばかりだ。
1R、オーソドックスの細濱がワンツーを中心に前に出ると、サウスポーの堀井は反時計周りにステップを踏みながら左ミドルを放っていく。終盤、細濱は右ボディフックを連打して試合の流れをたぐり寄せる。
2R、堀井はピッチを上げ、左右のフックを打ち込むと、細濱もローやフックを返すなどやられっぱなしにはならない。
2Rまでのオープンスコアは三者ともイーブン。スコアが読み上げられると、場内からどよめきが起こった。3R、リベンジに燃える堀井は攻撃のピッチをさらに強め、ワンツースリーやローで細濱を追い込む。細濱もパンチの連打で応戦しようとするが、堀井の勢いに巻き込まれたのか手数が少ない。ジャッジは3Rの手数と勢いを評価する形で三者とも30-29で堀井の判定勝ちを支持した。
堀井は6月7日の「DEEP☆KICK 78」で戦闘員1号(SHOCKER☆EXARES)が保持する-57.5㎏王座に挑戦する。
試合後、リングに上がった戦闘員は挑戦者を持ち上げる一方で落とした。
「マジで面白い試合だった。メッチャハラハラしながら見ていました。口が乾いているくらい。まあ、でも僕との試合では堀井君もKOされちゃうんじゃないかなと」
戦闘員1号は王座防衛戦の前に3・14 KNOCKOUT後楽園大会でUNLIMITEDルールに挑戦する。
王者に続いてマイクを握った堀井は「僕はこの舞台にひとりの力では上がれなかった。仲間、スポンサー、家族のおかげです。(中略)ようやくタイトル挑戦まで辿り着きました。戦員ちゃん、新チャンピオン堀井海飛をよろしくお願いします」と王座移動を予告した。
想像の域を遥かに超えた、激しいタイトルマッチになるか。
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▼第7試合 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R△山本裕規(teamYAMATO)判定1-1 ※30-29、29-29、28-29△加古稟虎(teamBonds)
因縁のリマッチだ。山本と加古は昨年8月のRISE EVOL OSAKAで初対決。そのときは2Rにダウンを奪った山本が判定勝利を収めている。それから8ヵ月、リベンジに燃える加古は1Rから長身(190㎝)を活かしたテンカオ、長いリーチをアドバンテージに右ボディストレートで山本を削りにかかる。
2Rになると、今度は山本が左ストレートや左ローで攻勢に出る。対する加古は組んでからの連続攻撃でイエローカード(警告)を提示されてしまう。
2Rまでのオープンスコアは19-20、18-20、20-19と三者三様ながら1-2で加古が優勢だった。3R、逆転を狙う山本は左ローを徹底的に打ち込み、加古を後退させる。その結果、ジャッジは30-29、28-29、29-29と1vs1の痛み分けに。この結果には双方とも納得していまい。近いうちに3度目の対戦の機会は訪れるのか。
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▼第6試合 DEEP☆KICK-53kg契約 3分3R×長舩ライオン(心将塾)判定0-3 ※28-30×2、28-29○井端刻也(健心塾)
健心塾の井端達也会長の息子・井端がうれしいプロ初勝利をあげた。対戦相手は心将塾の長舩。この試合までキャリア3戦の井端と比べたら、9戦と3倍も闘っている八尾のライオンだ。
そんな長舩に対して井端は1Rから回転力のあるバックハンドを見せるなど、やる気満々。2Rになっても井端の勢いは衰えない。ワンツーからのミドル、カウンターのヒザ蹴りで長舩を追い込んでいく。
3R、このままの流れだと敗色濃厚な長舩は積極的に前に出ようとするが、如何せん手数が少なくポイントを奪い返すには至らない。そんな長舩に対して井端はテンカオでボディに決定的なダメージを与え後退させる。
結局、3-0のスコアで井端が判定勝ち。キャリア4戦目にして、ようやく白星をあげた。長舩はライオンになりきれなかった。一方、もうすぐ20歳となるホープを今後チェックしておいても損はあるまい。
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▼第5試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R〇潤貴(KTF)TKO 3R 2分06秒 ※レフェリーストップ×翔和(健心塾)
1R、主導権を握ったのは潤貴。会場に詰めかけた応援団の声援を受けながら、蹴りを軸に翔和を攻め込む。2R、「そこからトントン!」というセコンドの指示通り、潤貴は右ローで翔和の前足(左足)を攻撃すると、時間が立つにつれ相手の足は腫れ上がった。
続く3R、動きが弱まった潤貴は翔和をコーナーに追い詰めパンチの連打を浴びせると、翔和はダウンを宣告された。
こうなると、完全に潤貴のペース。ロー、ワンツー、ヒザ蹴りと一気に畳み込むと、翔和はスタンディングダウン。ここでレフェリーは試合を止めた。3R2分6秒、潤貴のTKO勝ちだ。まだキャリアは2戦目ながら、-55㎏の台風の目となるか。
〈試合結果〉
▼第4試合 DEEP☆KICK-60kg契約 3分3R〇廣野孝文(KING LEO)TKO 2R 1分58秒 ※レフェリーストップ×菊池太一(心武館)
▼第3試合 DEEP☆KICK-46.5kg契約 2分3R×辰巳璃央(TeamFreeStyle)判定0-2 ※29-30、29-29、28-29○ミツダマン(ナックルズGYM)
▼第2試合 DEEP☆KICK-46kg契約 2分3R○奥村幸美(OISHI GYM)不戦勝×Sero(健心塾)※Seroが体調不良により計量を行えず中止。前日計量をクリアした奥村幸美の不戦勝となる。
▼第1試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R○山本竜輝(MAX DRAGON GYM)判定2-0 ※30-29、30-30、29-28×高橋颯汰(空手道柔拳)
〈オープニングイベント〉NEXT☆LEVEL提供試合▼OP第3試合 -55kg契約 1分30秒2R〇安藤王希(EX ARES)TKO 1R 1分30秒 ※レフェリーストップ×渡辺周(TEPPEN GYM 大阪)
▼OP第2試合 -50kg契約 1分30秒2R×前田莉子(山口道場)判定0-3 ※19-20×3○角南果音(ビンチェレあべの)
▼OP第1試合 -40kg契約 1分30秒2R○上野晃勢(魁塾 中川道場)判定3-0 ※20-18×3×義山紫生羽(TEAM.K)
(文・布施鋼治/写真・石本文子)