セコンドは新体制のエリー&ビリー&小倉トレーナーに
――なるほど。今回の対戦相手の新井丈選手はあれほど組み技、寝技で苦杯をなめて、それでも連敗から連勝をマークした。その相手に対し、ヒロヤ選手のテイクダウンはどうなると思っていますか。
「別にテイクダウンだけじゃなくてパンチでも勝負できるところは勝負できると思っているので。全部に自信を持っていこうと思っています」
――たしかに、中村優作選手にもダウンを奪い返しています。それにしても朝倉海選手のサポートということもあり、元UFCのヴィンス・モラレス、そのコーチのビリー・ビゲロウ、さらにエリー・ケーリッシュコーチのツテでCage Warriorsファイターのブライアン・ブーランドもジャパントップチームにいる。この環境でアドバイスを受けることが成長に繋がるのではないですか。
「めちゃくちゃ成長に繋がっています。本当に彼らと出会えたのがめちゃくちゃ幸せです。一つひとつのシチュエーションで正解が分かるのと、やっぱりUFCのチャンピオンたちを教えているコーチなので、迷いが無いです。100パーセント、信じられる。“でも、このときこうなんじゃないかな”というのが無いんですよ。“こうだ”というのを全部信じてやっていたら、それがスパーリングで出てくるという感じなので」
――公開練習では、「全然勝てると思っている」と言っていたのも、そのコーチ陣とのやりとりからくる自信ですか。
「そうですね。本当に強い相手で大晦日だからこそ組まれたカードだけど、コーチ陣も相手の動きと僕の動きを見て“全然勝てるよ”と言ってくれていて、僕も心の底から勝てると思っているので凄い自信があります」
──その自信のなかで勝負を決めるポイントは?
「勝負を決めるポイントは、たぶん互いにめちゃくちゃ負けず嫌いだと思うので、そこですよね。最後はもう、全部気持ちだと思っているので、諦めたほうが負けると思っています。もちろん俺は諦めない」
――“ネバーギブアップ”の新井丈相手に「諦めたほうが負ける」と。相手の拳は階級上のストライカーを倒すほどです。それでも……。
「いいです。ダウンなんか全然したるわ、くらいで。別にもう大晦日の舞台で、あのリングで失神させられるものならしてみろ、って感じです」
――体重でいえば、新井選手は修斗ストロー級(52.2kg)とフライ級(56.7kg)王者で、今回57kg契約で戦う。下から上げてくる新井選手と比べると、やっぱりヒロヤ選手のほうが大きいと思います。ずっと思いっきり漬け続けてやるという気持ちは?
「もちろんそうです。めちゃくちゃしんどい試合させたろうと。今までの相手は打撃でつき合ってくれたかもしれないですけど、そこつき合わへんかったり。でも……やっぱり一発でもブチ込みたいですね。ぶん殴ってやりたいです。俺がたぶん打撃できないと思われてるので」
――ぶん殴りながら泥沼の世界に引きずり込んでやると。
「そうですね。めちゃくちゃしんどい試合してやろうと思ってます」
――修斗のチャンピオンと戦うなんて、想像できましたか。
「そんなカードが組まれるなんて想像しなかったです。でも、だからこそいつでも準備はしておかないといけないんだなって思ってました」
――DEEPフライ級GPのベスト4と戦って、中村優作というベテラン選手とも接戦を繰り広げた。ヒロヤ選手にとっては、実力の確認と、ステップアップに繋がる試合になりますね。
「もう、この試合自体がステップアップなので、あとはその成果を見せる試合になると思ってます」
──ところでセコンドは、いつものJTTチームですか。
「今回は変えます。小倉(將裕)さんと、エリー、ビリーについてもらって」
──いつもの西谷大成選手ではなく、英語2人のセコンドに!
「最初は英語のアドバイスを心配してたので、ビリーをつけるかどうかをちょっと迷ってたんです。でも、スパーリングをしていて、徐々に聞き取れるようになって、このときにこう言われるな、というのが先に分かるようになってきたので、“あっ、大丈夫だな”と思って。新セコンドチームで臨みます!」